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世界放埓日記

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2017年6月の記事一覧

ヨガまいご

ヨガの教室を探すのは、意外にも困難を極めた。
そもそもなんでヨガを始めようと思ったかというと、自分の体の状態を知ることと、その体を適切な方法で使いこなせるようになりたいと思ったからだった。
折しも、その時にnoteで「ホットヨガがおすすめ」という記事が話題になっていた。それを読んだ私は、まず手始めに最寄りの駅のそばにあるホットヨガのスタジオの体験予約を入れた。

駅に降り立ちスタジオまでの道中で「

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私はあなたのファンではありません。

今年叶えたいと思っていた夢が叶った。

小学生の頃、いや、幼稚園生の頃からもしかしたら願っていたものかもしれない。
それは、或るバレリーナとの共演だった。
私は幼稚園生の頃から、小学校6年生の頃に今の専門領域に出会うまで、クラシックバレエを習っていた。
通っていたお教室は、最高の環境だった。国際バレエコンクールに何人もの入賞者を輩出しているようなところで、私のクラスメイトだった人達は、世界中のバレ

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芸大生は行方不明になるというけれど

芸大卒業生の母は、芸大のことを「職業訓練校」と呼んだ。
芸大に在学していたころ、私は友人と、自分の母校を「東京芸人大学」と言っていた。
芸大生は、在学中に講義や課外活動で様々なスキルを身につける。
それを手にして世の中に放り出される訳だけれど、ご存知の通り、就職率は非常に悪い。

世の中では「芸大生は卒業すると行方不明になる」などという噂がまことしやかに出回っているらしい。
笑ってしまう。そん

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私に旅行が出来ない理由

職業柄、様々な土地へゆく。

その土地で演奏するために、大きな楽器を伴って出向く。

日本なら北海道へも、沖縄へも行った。
飛行機は2席分予約する。楽器を載せるためだ。
エミレーツ航空は素晴らしい。楽器をファーストクラスへアップグレードしてくれた(私は?と尋ねたけれど、あなたはこっち、とビジネスのままだった。しかし、練習していいよ、と微笑まれた)。

旅の道中を寝て過ごすことができない。
現れては

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影を観る

父の書斎に積まれていたビデオの一つに、ゼッフィレッリの「ロミオとジュリエット」があった。
小学生の私は父に「観たい」とせがんだが、彼は「18禁だから一人で観ろ」と告げ、ビデオをデッキに突っ込むと書斎を出ていった。
一人体育座りをして観たその映画、内容は特に18禁でもなかったし、過激なシーンも無かった。
それでも、意識の根底で「これは大人の映画なのだ」と考えながら、段々と暗くなっていく書斎で観た映画

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