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人と地球に負担が少ない食生活を考える

ちょっと重いテーマですが、
今回は食を考える上で大切だと思っていることを私なりに書いてみます。
あくまでも個人的な考えであるため、必ずしも正解とは言いきれない部分もあると思いますが、その点はご了承下さい。

人によって合う合わないもありますが、食にあまり興味がないという人も見方が変わるきっかけになるかもしれないので、是非時間が取れるときに一読していただければ幸いです。 


1.人と地球に優しい食品を選ぶには 

・旬の食材を意識する

自然に逆らわずのびのびとした環境で作られたものほど、光熱費などの経費負担や環境汚染が少なく、薬品、農薬、添加物の使用頻度が少ないです。なるべく旬の食材を多く使用することが大切です。 

・産地や生産方法を確認する

材料の種類が同じでも、味・風味・見た目・栄養・価格・環境負荷には差があります。自然に逆らって平然と作られているものもあるため、しっかり確認せずに価格や見た目、味だけで選んでしまうと、知らないうちに健康や環境を悪化させてしまいます。

例えば私たちに身近な銀鮭
天然ものも見かけるようになりましたが、大部分は養殖です。その鮭が店に並ぶまでにどのような場所で何を食べてどのように育てられているか、説明できる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。

海外でも国内でも養殖にはリスクがあります
旬以外の時期にも計画的に出荷しやすく、寄生虫がつきにくいメリットはありますが、一定の安全基準をクリアしているものであっても周辺環境や消費者の健康に影響を与えています。


・ホルモン剤や抗生物質の有無を確認する

肉、魚、海老、カニなど。
未使用と表記されていない肉には抗生物質やホルモン剤が、未使用と表記されていない養殖の海産物には抗生物質が使用されていることがあります。

ホルモン剤は残留基準などが定められていますが、数値や使用状況は場所によって異なります。実際に消費者の健康にどのような影響を与えているかについては不明で、早く効率良く育てるほうが結果的に環境負荷が減るという考え方もありますが、私は気になるのでなるべく避けるようにしています。

抗生物質においては耐性菌が生まれる原因になっており、菌は人にも感染する可能性があります。健康な人であれば感染しにくいですが、調理する人も食べる人も様々な人がいるため、どの人にとっても安全なものであってほしいと私は考えています。

なるべく清潔な環境で自然に育ったものを選ぶのが無難です。
卵や乳製品、加工食品においても詳細をよく確認することが大切です。たとえ無塩せきであっても、原料に対して詳しい表記が特に無ければ、リスクのある食材が使用されていることがあります。


・製造方法や過程に注目する

商品になるまでの様子を商品の表示などを見て具体的にイメージすることも重要です。製造を助ける助剤には表示義務がないものがあるため、詳細不明な材料を使用していたり、複雑な方法や課程を経て製造されている食品はできるだけ避けたいです。

特に気を付けて確認したいのは、加工肉・練り物・総菜全般・サラダ油など。
シンプルな食材ですぐに作れないものほど、確認が難しくなります。


・運送リスクを考える

鮮度を保持する技術は年々向上してきていますが、遠くの場所へ運ぼうとするほど食品は傷みやすくなるため、やはり何かしらの対策が必要です。

バナナの皮には一般的に農薬が付いているということは周知の事実ですが、バナナに限らず遠くから運ばれてきている傷みやすい食品ほど本来使用しなくて済むような薬品や特殊な加工が施されています。

また運送費や運送時の排出ガスなども増加するため、コストや環境面においても負担がかかります。身近にある国産の食品を選ぶことが必ずしも安全とは言えないのですが、遠くの食べ物を選んで食べるということもそれなりにリスクを伴います。


・農薬や遺伝子組み換えに注意する

例えば野菜であれば、シソ・セロリ・パセリ、果物であれば、桃類・葡萄・さくらんぼ・苺あたりは残留農薬が多くなりがちです。

気候の変動や害虫などに弱い品種や、少しでも傷むと商品価値が落ちる食品には特に農薬が多く使用されやすいため、注意が必要です。洗浄などをしっかり行い、信頼できるもの以外は皮を剥くなどの下処理をしてから食べるのが無難です。

遺伝子組み換えに関しては安全性が確認できているものだけが市場に出回っているとされていますが、まだ食の歴史が浅いため長期的に見てどのような影響が出てくるのかは誰にもわかりません。
検査や確認などを怠れば、普段通り食べられていた食材を食べて体調を崩す人も出てきます。

何かが起こってからでは遅いので、自分で見て判断できるものは自分で判断して食べることが大切だと私は考えています。
遺伝子組み換えで食料の生産量を単純に増加させたい方針もわかりますが、もう少し食品ロスを削減するなどできることはあります。


・発酵食品をなるべく食べる

発酵食品を食べる機会が少ないと腸内環境のバランスが崩れやすくなり、生活習慣病、アレルギー、花粉症、喘息、癌などの病気になりやすくなります。

アレルギーや基礎疾患などが特に無い人は、特定の発酵食品だけを毎日食べるのではなく、普段の食事でなるべく色々な種類の発酵食品を食べるのがおすすめです。

例:味噌、醤油、みりん、酢、甘酒、コチュジャン、豆板醤、甜麺醤、ナンプラー、チーズ、ヨーグルト、漬け物、納豆、鰹節、アンチョビ etc 
※塩分や脂肪分を多く含むものもあるため、摂り過ぎには注意


・自分で作れるものはなるべく作る

紫蘇やパセリ・ヨーグルト・調味料などは、初心者でも自分で栽培したり手作りしやすいです。最近では有機土と有機種で作られている野菜の栽培キットなどもあるので、家庭菜園をしたことがない人にもおすすめです。

ヨーグルトは清潔なヨーグルトメーカーを使用して作り、ストックしておくと便利です。作る場合はなるべく自然な環境で生活している牛の牛乳を使用し、種には自分に合った乳酸菌のヨーグルトを使用するのがポイント。

基本的には毎日食べるものなので、できるだけ素材に拘った方が良いです。調味料に関しても自分が使いやすい分だけその都度手作りしたほうが添加物も少なくて済み、経済的です。


2.人と地球に優しい調理方法で作るには

・揚げる>燻製>焼く>蒸す>茹でる or 生食

一般的にシンプルな調理方法で作って食べるほど、体への負担や環境への負担が軽くなり、光熱費も少なくなってお財布にも優しいです。

生食できる食材であっても、調理することで栄養が吸収しやすくなったり、殺菌効果などがアップするため、一概に生が一番良いというわけではないのですが、高温で長時間加熱するほど変質や酸化がしやすくなります。

熱に強い栄養素もありますが、加熱することによって壊れる栄養素もあるため、食べる人の体質やニーズなどに合わせて調理することが大切です。


・下ごしらえはしっかりと

洗浄、漬け置き、塩抜き、皮剥き、塩もみ、下茹で、あく抜きなど。農薬や薬品などのリスクが高い食品ほど、下処理をすることが大事です。

また、揚げるよりは焼く・焼くよりは蒸す・蒸すよりは茹でるようにすると、食材から農薬や薬品などが抜けやすくなります。
下ごしらえをあまりせず、素材本来の美味しさをシンプルに味わいたい場合は、なるべく安全性の高い食材を選ぶのがおすすめです。 


・食材の保存とまとめ調理について

調理時間があまりとれないときほど、まとめ調理のメリットは大きいのですが、調理前の食材はなるべく新鮮なものを使うように心がけたいものです。

一度に使い切れない量の食材はなるべく長期間置かず、一週間に一回でいいので、保存食以外は空にしてリセットするのがおすすめです。食べ残しや残量がわかりやすくなり、買いすぎや食べ残しが減って庫内も清潔に保ちやすくなります。


・ラップ、アルミホイル、ポリ袋調理について

メーカーにもよりますが、アルミホイルは酸や塩分が強い食材に触れると変質しやすいため、ガラスや陶器がおすすめです。
ラップは高温になると溶けて穴が空く場合があるので、深めの耐熱容器にして触れないようにするか、繰り返し使えるシリコン製のラップがおすすめ。

ポリ袋に関しては様々な商品があり、ものによっては安全に調理できない場合があります。使い方などを詳しく書いても調理環境は一人一人異なり全ての人が安全に作れるとは限らないため、私は基本的に使用していません。

使うときはなるべく緊急時などに限定し、調理用として安全に使えるものであるかを事前によく確認するのが無難です。


・その他調理器具、調理方法、食器にも気配りを

少量のお湯で茹でられる調理器具や、レンジで加熱する茹で卵メーカー、魚焼き器を使わずに魚が焼ける調理道具など、調理のしやすさに重点を置いた商品が身の回りには沢山あります。

缶詰を鍋代わりに直接火にかける調理方法や、具体的な加熱条件が示されていない低温調理法も流行しました。

新しい調理道具や調理方法は度々話題になりますが、安易に作るのではなく、説明などをよく読んで考えてから利用したほうが良いです。

仮に安全性が確認されているとしても、本来とは異なる調理方法で作ることになるため、残留農薬を落としにくくなったり食材や道具が変質しやすくなるなどのデメリットが発生することがあります。

また、色付きの食器や絵や文字などを描いて焼いたハンドメイド食器も、使用されている素材の安全性が不透明な場合があるため、作る側も使う側も注意が必要です。


3.人と地球に優しい食べ方を心がける 

・理想的な食生活について

最初はゆっくり野菜から食べる。良く噛んで、バランス良く色々なものを食べること。量は多くても腹八分目まで。
ジャンクフードがどうしても食べたくなった場合は、シェアして食べたり、保存して少しずつ食べるようにするとストレス無く食べ過ぎも防げます。

おやつの時間であれば間食をしても体に負担が少ないため、食が細い人はおやつの時間に間食をしてもOKです。食べるものは果物や野菜、穀物、タンパク質を多く含むおやつを中心に。


・つけ汁やつけダレは少なめに

塩分の摂り過ぎや環境汚染を防ぐため、なるべくつけ汁やつけダレは最低限の量で食べるのが望ましいです。またお皿を洗う前にひどい汚れがついている場合は、ぼろ布で拭き取ってから洗うようにするとエコに繋がります。


・食事を誰かと一緒に食べることの重要性

とても基本的なことなのですが、普段誰かと一緒に食事をしている人はあまり多くありません。家族であっても帰宅時間や食べるタイミングが合わず、全員一緒に食べる機会は減ってきています。

一人での食事は他の人に気を遣わなくて済むのがメリットですが、一緒に食事をしなくなると何が起こるのかをまとめてみました。

1.気持ちが閉鎖的になりやすい
2.他の人とコミュニケーションがとりにくくなる
3.他の人や自分の健康管理が疎かになりやすい
4.他の人や自分に対し思いやりを持てなくなる
5.他の人や自分の変化に気付きにくくなる
6.環境や将来への配慮が不足しがちになる

自炊をしていても自分以外に食べる人がいない場合は、健康や環境のことを意識する機会を持つことはあまり多くないと思います。自分以外にも食べる人がいると、相手の健康のことを考えたり、環境問題も含めて将来を考えたりする機会が少なからず増えていきます。

考えるようになれば食に対する意識も向上し、選ぶ食材や調理方法も変わっていくため、生産者に対する見方や考え方も少しずつ変わっていきます。
そして最初は数人であっても消費者全体の意識が徐々に変わってくれば、生産者側はそれに沿った商品を開発する意識が高まっていきます。

大袈裟に感じる人もいるかもしれませんが、食事を誰かと一緒に食べる人が増えることで、世の中が少しずつ変化していくと私は考えています。


以上。

人と地球に負担が少ない食生活について私なりに書いてみました。

皆さんは普段の食事を通して日々どのようなことを考えていますか?
「お腹が満たされればとりあえず良し」という人もいると思います。

もちろんそれも間違いではないのですが、もしもそれだけしか考えていないのであれば、やはり問題があると私は思うのです。


更新情報について

(大きく変更した場合はここでお知らせします。)

2016年7月27日
無添加くらぶにて記事を執筆

2024.2,24
note に移動し、さらに更新しました


記事はこれからも更新していきます。

一度読んだら終わりではないと考えているので、機会があればその都度記事を参考にしていただけると嬉しいです。

今後もどうぞ宜しくお願い致します。


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