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Vol.291 子育て:付き添い入院を語る

今「付き添い入院」がとても注目を浴びている。
国が調査に乗り出したからだ。


私もニュースで何度か目にしており大変そうだなとは感じていたがまさかこのタイミングで自分が当事者になろうとは思わなかった。

そこで誰の目に留まるかは分からないがせっかくの体験なのでここに「大変だった事」・「良かった事」の両面を記す。少々長くなるので興味のあるTopicsだけお読み頂きたい。

【前提】

⚫︎子供→4才11ヶ月/自閉スペクトラム症
⚫︎入院期間→7日
⚫︎病院→ベット数600超のJ医大病院
⚫︎病室→子供の特性を考慮し個室

ではまず大変だった事ベスト5を挙げる。

【1位 寝ても覚めても2人きり】

コロナも5類に落ちだいぶ規制が緩くなった。
病院によっては面会も解禁された所が多いようだ。しかしJ医大は厳しかった。

面会NG・付き添いの交代NG・キッズルーム使用NG・基本部屋から出るのもNG。つまり24時間密室に2人きり。個室なので話し相手もいない。
これは相当キツかった。
7日以上いたら発狂していたと思う。

実際の病室
とても広々しており綺麗だったが7日間隔離はツラかった。孤立感がハンパない。
また、入院2日目に手術を受けそれ以降はほぼやる事がないので時間を潰すのもしんどかった。


【2位 眠れない】

付き添いの親には簡易ベッドが貸し出される。
希望者のみ、1泊1000円。
狭い子供のベッドに添い寝はキツかろうと私も借りたが、硬いわ〜折り目が尻に当たって痛いわ〜で全く眠れず、2泊で返却した。後は子供に蹴られながら添い寝。これかなり辛かった。

また、せっかく選んだ個室なのに防音性は極めて低く、狂ったように泣き続ける赤ちゃんの声などが聞こえてしまい滞在中ほとんど眠れなかった。

青いのが簡易ベッド
硬くて眠れたもんじゃない。
大変な入院生活において睡眠が取れないのは致命的
これ一番の課題だと思う。


【3位 三食コンビニ】

J医大は付き添いの親に食事が提供されない。
また入院中の外出や差し入れなども固く禁じられているため食事は院内のコンビニで調達するしかない。空いている時間(朝7時〜8時半)に行きその日食べる分を一度に調達するよう言われていたが、子供は連れて行けないのでまず選ぶ時間が無い。4〜5分で三食分を選び大急ぎで部屋に戻る。
その繰り返しだった。

内容的にもコンビニ飯は味が濃いため辟易。温かいスープが恋しかった(※お湯を沸かすポットもコロナ対策で撤去されおり汁物は作れず)。

朝ご飯(一例)
お昼ご飯(一例)
夕ご飯(一例)
このように朝→パン・昼→麺・夜→米…と飽きないようにしたがそれでもウンザリ。
付き添いが長期化した場合、ほとんどの親は栄養の偏りが原因で体調を崩すと言う。こちらも睡眠同様、早急に改善すべき課題の1つである。


【4位 短時間のシャワー】

シャワーは意外にも毎日浴びられた。
ただしコンビニ同様、子供を部屋に残して行かなければならない。もちろんその間看護師さんが見ていてくれる…などは一切無し。だからマッハのスピードで浴び、髪は部屋で乾かす。かなり慌しくストレスを感じた。

コンビニとシャワーで親が離れる際はこのようにベッドの上でDVDを見せておく。心情的には10分が限度。


【5位 お金がかかる】

⚫︎差額ベッド代 → 1日/23,000円
⚫︎コンビニ飯・飲み物代 → 1日/大体2,500円
⚫︎簡易ベッドレンタル代 → 1泊/1,000円
⚫︎ランドリー代 → 1回/300円

このように結構お金がかかった。
特にご飯代が大きく1回コンビニへ行くと2,000〜2,500円(3食+飲み物)はかかる。財布から羽根が生えたようにお金が飛んで行った。日頃コンビニへ行く習慣が無いため全く知らなかったが今はコンビニも高いようだ。私の学生時代は500円でお弁当1つ買えた気がするんだけど…

驚きのサラダ473円!
毎食サラダを付けたかったが無理だった。


では次に入院中良かった事ベスト3を挙げる。
「付き添い入院」からは外れるが悪しからず。

【1位 看護師さんが女神】

病棟勤務の看護師は本当に大変な仕事だ。
夜勤もあるし重症患者も多い。激務中の激務だ。
しかしJ医大の看護師さんは皆優しかった。

日勤の人も夜勤の人も笑顔を絶やさず不安を取り除いてくれる。分からない事は即確認。引き継ぎも完璧だった。正に白衣の天使ならぬ女神様。
私が男なら惚れていた。
もし生まれ変わるなら私は看護師を目指したい。

手術前「好きなキャラクターは?」と聞いてくれた看護師さん。アンパンマンと答えたら術後こんな手で戻ってきた。その心遣いに涙。


【2位 手術が朝イチだった】

息子の手術は朝8:15スタート。
これは地味に助かった。
何故なら手術当日は絶飲・絶食だから。
大人なら理解し・我慢できるが子供は辛い。
「喉が渇いた」「お腹が空いた」「どうして食べられないの?」…グズって暴れて地獄だと言う。

そのような体験談を聞いていたので朝イチだと聞きホッとした。もしこれからお子さんの手術を予定している人がいたらダメ元で主張しましょう。「朝イチでお願いします!」

朝10時半頃麻酔から覚め部屋に戻った息子
その日一日はほぼうつらうつら眠って過ごした


【3位 親子の絆が深まった】

最後はこれに尽きる。
大変な7日間だったし迷いもあったが結果として付き添って良かったと思う。

J医大は子供だけの入院も受け付けており実際そのような子は沢山いた。しかし(偏見かもしれないが)見ていて偲びなかった。1日中ひとりベッドの上にポツンと座り泣いている子供を見てしまうと〝これが我が子だったら…〟と思わざるを得ない。

もちろん人それぞれ事情があり付き添いできない環境のご家庭もあるだろう。でももし事情が許すなら極力付き添いはした方が良い。
私はそのように思っている。

入院中、家が恋しくて何度も泣いてしまった息子。
その時ずっと抱きしめてあげられた経験は私にとって一生の宝。





【猫ムスメより】
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