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📕15 天災は忘れた頃にやってくる。

高嶋哲夫著 首都感染



読了日
6/25


👤著者情報👤


高嶋哲夫

1949年、岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。同大学院修士課程修了。日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。数々の賞を受賞。



📕内容📕

森崎は前脇からある報告書をみる。その報告書には5年以内に、東京直下型の巨大地震が起こる確率は90%。マグニチュード8以上の地震が起こると書かれている。それにより100兆円を超す経済損出が出て、日本発世界恐慌の可能性が高いという。それを回避するために森崎は奮闘する。



👤主要登場人物👤


森崎:国交省の役人。ハーバードに2年間留学。首都移転企画チームの1人。

前脇健一:東都大学理学部地震研究所の准教授。

能田雄介:内閣総理大臣。

ロバート:アメリカ特使。森脇の友人。

村津:森崎の上司。首都移転企画チームのリーダー。



💡知識💡


東京が首都の理由(諸説あり)

江戸時代、幕府は江戸にあり、そこで政治がおこなわれていた。しかし、都は天皇のいる京都だった。

明治時代になって首都をどこにするか合意はなかったが、明治政府がまず目指したのは国家統一だ。

戊辰戦争で政情不安が続いている東北地方の鎮定、北海道の開拓を考えると、国家の中心を日本の地理的中心に置くことがより合理的だった。

さらに無血開城した日本一の城、江戸城もあり、天皇を迎えるにも都合が良かったのだ。

そのうち、なし崩し的に政府機関が次々に東京に移されたり新しく作られたりして、東の京、つまり東京が出来上がった。

法律で首都は東京と規定や条文化されていない。


スマートグリット

高機能なコンピュータネットワークによる制御を活用し、電力の最適化調整を行なう技術。

火力、水力、原子力、太陽光、風力など様々な発電施設から送られてくる電力を、必要なところに必要なだけ送り、無駄を最小限にしようというもの。




🍀言葉🍀


楽しむときは全てを忘れて楽しむ。

すべてのわざには時がある。



🌟1%のかけら🌟


地震は過去のデータを見たりして予測はできても予知はできない。いつどこで発生すると言った細かいところを言い当てることは難しい。

東京で首都直下型地震が発生したのは1923年の関東大震災のが最後だ。あれから100年経つ。首都直下型地震はいつ発生してもおかしくないと言われている。
最悪のケースもしくは想定外のケースが発生することを想定しておかないといけない。

地震だけではなく、日本には台風、火山、津波、豪雨、豪雪、洪水といった多くの自然災害の危険が潜んでいる。これらが発生する前に今のうちから最低限の準備をし、対策を練ることが必要だ。

そして、この小説では、東京が首都直下型地震に襲われ、機能不全にならないために首都移転企画を計画している。

災害に強い首都づくり。

現在の日本の首都、東京が災害に見舞われた時、おそらくあらゆる国の中枢機能が麻痺する。そうなった場合、日本は今までの震災のように立ち上がる事はできないだろう。

もしかしたら、日本発世界恐慌を招く可能性もある。
そういった意味では、災害に強い首都をつくり、アメリカのように首都ワシントンは政治のみ。文化、経済はニューヨークというように機能を分けてみてもいいのではないか。

小説の中での話だが、このように将来的に首都移転という話があってもいいんじゃないかと個人的に思う。(現にそういった動きはあるそうだ)

首都は新しい場所で、政治を中心に。
東京は文化、経済の街としてさらに発展していけばいい。

近い将来、そんな首都計画が発表されてもおかしくない。



↓「チーズ」を探そう

https://note.com/nabebe/n/nc69573440d98

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