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2020年6月の記事一覧

君の唇と僕

君の唇と僕

明日も明後日も

その先もずっと先も

未来のことなど解るはずもないのに

そんな未来をしたり顔で予言する
君の唇がとても嫌いだ

そしてその予言通りに
生きている自分が

誰よりも嫌いなんだ

誰も愛せず

誰にも愛されず

僕はこのまま朽ちていく

そんな未来を予言する

僕を誰かに愛して欲しい。

夢を見た

夢を見た

明日の夢を見た。
何と言うわけでもない。
ただ空は曇っていた。

雨が降るのだろうか。
この家に僕の傘は無いのだが。

長靴は履いて出掛けよう。
いや、そもそも出掛ける必要があっただろうか。

そこでふと気がつくのだが。

僕の今は今日なのか明日なのか。

起きているのか眠っているのか。

確認してみる術もない。

なぜなら僕はこの世界にたった一人なのだから。

恋を詠う

恋を詠う

恋に憧れて恋の唄を歌う

何処にも居ない君のため
愛を説いて君を抱く

切なさは増すばかり
温かな肌を夢想する

あれはいつの事だろう
あれは何処であっただろう

君は確かに居たはずだった
あの日に歌ったあの唄を

何処にも居ない君に送る

我が家の食卓

我が家の食卓

今日、僕は生まれて初めて人を殺しました。

僕をフッた彼女です。

ドラマで見たとおり、ロープを用意して後ろから首を絞めました。

人間というのは、思うより簡単に死んでしまうものだと思いました。

それとも彼女が特別なのでしょうか?

そして僕は、屍になった彼女を裸にしてしばらく眺めていました。

そこへお母さんが入ってきました。

『ヒッ!!』と声にならない音を、喉でたてました。

「お母さん。

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雨の日

雨の日

今日の雨はいつもにも増して、うるさい。

近頃は地球もバグってきてるのだろう。

梅雨というよりはもう、スコールだ。亜熱帯性気候。

日本はどこにいても、災害の危険にさらされている。

などと、専門家めいたことを言っているが。

僕はどこにでもいる、一般人だ。

今日も僕は、薄暗いアパートの一室でこうしてキーボードをたたいている。

僕の仕事は、オンライン販売をメインとしたアパレルの在庫管理。

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