雨の日

今日の雨はいつもにも増して、うるさい。

近頃は地球もバグってきてるのだろう。

梅雨というよりはもう、スコールだ。亜熱帯性気候。

日本はどこにいても、災害の危険にさらされている。

などと、専門家めいたことを言っているが。

僕はどこにでもいる、一般人だ。

今日も僕は、薄暗いアパートの一室でこうしてキーボードをたたいている。

僕の仕事は、オンライン販売をメインとしたアパレルの在庫管理。

おかげさまで「在宅勤務」として、仕事をもらっている。

最初のうちは同僚の間で「やばいな。やりにくいよね。」なんて話していたが、今ではこの生活が快適だ。

会社の人間と話すのは、週に三度ほどのオンライン会議や月数回の出勤時のみ。

あとはメールやSNSで事足りている。

人間との交流が希薄で、心を病む人もいるようだ。

なぜだろう、こんなにも快適なのに。

会いたい人などいない。

画面の向こうのアイドルのYouTubeチャンネルが僕の対人関係だ。

誰にも邪魔されず、馬鹿にもされない。

会社の人間に見えるのは僕の仕事の能力だけ。

納期を守り、ミスのない僕のスキルだけだ。

さみしいと思うだろうか。

僕は今この瞬間、とても幸福なのだ。

この言葉が誰にも届かなかったとしても。

ただ生きる。

それが僕の幸福なのです。