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内側からは見えない「音楽教室が抱える課題」と、当教室の取組

音楽教室の在り方としては、主に2つのタイプがあります。
・専門家を育成する
・教養として音楽に触れる機会を提供する

上記は、きっちりと分かれているわけではなく、これら2つが曖昧なまま、レッスンがスタートしているケースも多いように思います。

私たちが作ってきたのは後者、かつ、「好きなことをトコトン追求する教室」です。
好きなことに取り組める教室は数多くありますが、「トコトン追求する」となると、その数は、非常に限られます。それは、「講師に求められる熱量」が半端ではないから・・・、かもしれません。

そんな「教室づくり」の過程で感じた「音楽教室が抱える課題」を整理し、これまでの取組をまとめました。


専門家と向き合う

音大の脳みそ・理系の脳みそ(異なる見え方を想像する)
【15周年・記念対談】「講師じゃない人」がいる音楽教室<全5回>
音大生にとって、一般就職は「転職」に近い?!
【激論】どれくらいで「できるようになるか」と聞かれたら

自己紹介としての記事になります。専門家や先生と言われる人に、ツッコミを入れる。失礼にもあたり、一般的には、相当難しいことです。でも、ツッコミが無いと、「当たり前」とされていることが、仮に時代に合わなくなっていても、変わることができない。変えることができない。また、同業者同士では、そもそも、課題だとも思わない。そんな問題を取り扱っています。
(※ツッコミ・・・「深く追究する」意味で使っています。)

「大人の習い事」が抱える課題への対処

大人が「学び直す」って、「学び方を見つめ直すこと」じゃない?
「本気」で変わる、大人の習い事の形(インタビュー)
【大人の習い事】基礎と応用を、滑らかにつなぐ取組み(インタビュー)

習い事は基礎が大事。そこに異論を唱える人は少ないと思いますが、一方で、「楽しむために習い事をしているのに、苦しい思いなんてしたくない」というのが本音ではないでしょうか。

音楽教室の新たな切り口について

【ご提案】大手音楽教室の皆さま。こんな講座を作ってみませんか。
大手教室、個人教室に続く、第3の波「スキルシェア」(多様化する未来)
「演奏を目的としない」ピアノレッスンで、音に親しむ

音楽教室って「こういうもの」。そんなイメージは、習う人だけでなく、講師も持っているように思います。ちょっとだけ視点を変える、切り口を変えると、音楽教室は、もっと楽しく、期待されるようになるのではないでしょうか。

個人事業としての教室経営

講師業を「本業にしたい人」のための「教室経営マニュアル」
【教室業】副業の延長線上に、本業は無い?!

「練習してこない」、「心を殺してレッスンしている」といった記事をよく見かけます。でも、「誰でもウェルカム」としていたら、いろいろな人が訪れるのは当然ですよね。どうやって「講師のやりがい」を増していくのか。それが「教室づくり」であり、教室経営であると考えています。

本質を見極める

【教室運営】「前例の無い取組」を前に進めるために、大切なこと
【発表会の再定義】お客さんの拍手が、努力を健全な形で昇華する
クラシック初心者が音楽事務所に勤務して感じた、クラシック音楽を広める「切り口」

今までと同じ環境において、「新しい発想を」といっても、無理があります。その環境を「縛っているもの」が何なのか。整理ができれば、発想はもっと柔軟になるように思います。

私たちの趣味・嗜好

【未来予測】歌の好みは「時代の壁」を超えた?!じゃあ、次は「ジャンルの壁」だ!
【技術解説】「伝説のコンサート・中森明菜」は、普通に見るだけじゃ、もったいない!!

ただただ、好きなことを書きました(笑)。


ヤマハ音楽教室のリニューアル宣言(※2024年1月追記)

ヤマハ音楽教室が開設70周年を機に、「お客様の個性や志向に寄り添うコース」を作っていくという、リニューアル宣言をしました(2023年11月14日)。

出生数の減少、習い事の多様化、共働き世帯の増加、個を尊重する潮流など、ヤマハ音楽教室を取り巻く環境は急速に変化し、お客様一人ひとりのニーズも多様化しています。
(中略)
従来のカリキュラムに沿ったステップアップ式のレッスンから、「好きな曲を演奏したい」「自分のペースで楽しみたい」「上達したい」など、多様なニーズに応えることができる新たなレッスン形態を順次導入する予定です。

ヤマハ音楽振興会HPより

少子化や多様化の流れについては、だいぶ昔からわかっていたわけで、それでも、これまで方針転換がなされなかったのは、抱えるものが大きすぎて、舵を切れなかったからでは、と個人的には想像をしています。
ただ、そうも言っていられなくなってしまった・・・?

時代の流れ、社会の要請に応じて、レッスンを再構築していく。会社と講師が同じ方向を向いて、難局を乗り越えていく。そのためには、どうしたら良いか。

「長期的な視点」を持って取り組む必要が出てきた今、講師の正社員化は必須になるのではないか。そんな感触を持っています。というか、ヤマハ音楽教室に限らず、それができた企業・団体が、本当の意味で、生き残っていくのではないでしょうか。

「生徒の満足度を向上させるためには、どうすれば良いか」。それが、ニーズからレッスンを作るということです。

その点で言うと、講師は、環境が安定せず、先の見えない個人事業主でいるよりも、腰を据えて取り組むことのできる正社員になる方が良いということは、火を見るよりも明らかです。

・生涯をかけた仕事になり、講師の本気度が増す
・講師のステータスが上がり、目指すべき職業となる
・技術の蓄積・継承がしやすくなる
・生徒の声の共有・活用が進む
・レッスン以外の業務に取り組むことで、音楽教室の新たな展開へと目が開かれる

私たち、独自の取組を進めつつ、業界の動向にも注目していきたいと思っています。

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