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大手教室、個人教室に続く、第3の波「スキルシェア」(多様化する未来)

「スキルシェアサービス」というものをご存知でしょうか。スキルシェアには多種多様なサービスがありますが、音楽の習い事関連では、「教えたい人と学びたい人をオンライン上で繋ぎ、レッスンを開催する」という形のサービスが一般的です。「ストアカ」、「ココナラ」などの名前を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

比較的新しいサービスだということもあり、現在は、伸びているプラットフォームもあれば、撤退したところもあるという状況。また肝心の中身についても、実績のある講師もいれば、素人同然という講師もいて、まさに玉石混交の状態で、一概に「盛り上がっている」とは言えないように思います。ただ、新しい「学びの選択肢」が増えたことは間違いなく、私はそこに価値があると思っています。

これまで音楽を習おうとすると、実質的に、大手教室または個人教室という選択肢から選んでいました。ただ、選んでいると言っても、どこの登山口から、どのルートで、また、どのようなペースで登るかという違いに過ぎず、どちらを選んでも、目指すべきところはほぼ一緒であったように思います。

そこに現れたのがスキルシェアです。現段階では、既存のレッスンの切り出し、または、焼き直しが多いように感じますが、今後も同じとは限りません。というのも、プラットフォーム上では、あからさまな競争にさらされる中で、生き残らなければならないからです。「利用者に選ばれるためには、どうすれば良いか」を日々考え、サービスを磨いていく必要があります。

そのような環境の中で、これを知りたい、学びたいというニーズを丹念に拾っていければ、「利用者(=社会)のニーズからレッスンを考案する」という、これまでとは真逆の流れが生まれる可能性があるのではないか。私は、そんな前向きな想像をしています。

もちろん専門教育は、全く別次元の話になりますので、ここでは触れません。ただ、時代は驚くべきスピードで変わっています。先生は生徒にどのような価値を提供できるのか、また、生徒の満足はどこにあるのか。「レッスンとはこういうもの」、「教室とはこういう場所」という固定観念を一度捨て去って、今の時代に合致した、音楽教室の本質的な価値を再構築するタイミングが訪れているように思います。

スキルシェアの波は、既存の音楽教室を直撃するのか、はたまた別の方向へ行ってしまうのか、現段階では分かりません。ただ、スキルシェアサービスの動向を観察し、良い面を積極的に取り入れることで、より魅力的な音楽教室作りに繋げていくことができるのではないでしょうか。


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