音大の脳みそ・理系の脳みそ(ミュージック・キャンバス)

音楽教室の常識に「異なる常識」をぶつけることで、学ぶ楽しさをあぶり出す取組を続けていま…

音大の脳みそ・理系の脳みそ(ミュージック・キャンバス)

音楽教室の常識に「異なる常識」をぶつけることで、学ぶ楽しさをあぶり出す取組を続けています(16年目)。子どもとは違う「大人ならではのレッスン」の開発、「専門家と素人の壁」を打破する取組など。投稿は宮本淳が担当。https://www.music-canvas.net/ 新百合ヶ丘

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内側からは見えない「音楽教室が抱える課題」と、当教室の取組

音楽教室の在り方としては、主に2つのタイプがあります。 ・専門家を育成する ・教養として音楽に触れる機会を提供する 上記は、きっちりと分かれているわけではなく、これら2つが曖昧なまま、レッスンがスタートしているケースも多いように思います。 私たちが作ってきたのは後者、かつ、「好きなことをトコトン追求する教室」です。 好きなことに取り組める教室は数多くありますが、「トコトン追求する」となると、その数は、非常に限られます。それは、「講師に求められる熱量」が半端ではないから・・

    • レコード芸術ONLINEの成否は、初心者の獲得にかかっている

      レコード芸術ONLINEのクラウドファンディングに注目しています。雑誌という視点に限ると、どうやって存続するかという、界隈の話になってしまいますが、大枠で考えると、今回の件は、「クラシック」が抱える問題そのものであり、今後の試金石になるようにも思うからです。 どうやって新たなファンを獲得するのか。 問題は、ほぼ、この一言に集約されるように思います。 レコ芸ONLINEのターゲットは、コア層、潜在層、ビギナー層(レコード芸術初心者)とのことですが、今回のクラウドファンディン

      • 【発表会】「ちょっと違う」を幾重にも重ねていくと・・・

        あなたも行きたくなる?!それとも出演してみたい?! 皆が考える発表会と「ちょっとずつ違う」、当教室の発表会の魅力を紹介していきます。 準備が違う 歌はメロディ、リズム、歌詞が楽譜通りに歌えれば、その時点で形にはなります。「歌えた」という事実だけを見れば、一つの完成を迎えたと言えるのかもしれません。それならば、練習にひと月もあれば十分でしょう。ただ、歌の本当の面白さは、「その先にこそある」と私自身は思っています。  発表会に向けて、半年をかけて練習をしていく過程では、生徒さ

        • レコード芸術は、なぜクラウドファンディングなのだろう?資産を活かしてオンラインへと移行した、他の雑誌と何が違うのだろう?誰もが持つ疑問を、真剣に考えることが大事な気がする。

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          小さな防音室の理想と現実

          防音室があったらなぁ。 以前は防音室と言ったら、専ら演奏用でしたが、最近では、YouTubeなどの収録や配信、オンライン会議・レッスン・ゲームなど、その用途が広がっています。逆に言えば、「趣味の演奏だけのために、防音室を買うのは厳しい」とためらっていた人が、家族を説得しやすくなったとも言える状況です(笑)。 当方、仕事の関係で、ヤマハ、カワイ、オーダータイプと、異なる3種類を購入した経験がありますが、「イメージと違ったな」と感じるのは、いつも、実際に使い始め、しばらくたっ

          【音楽教室】実現できていないこと、実現したいこと(2024年版)

          「必要だから、やる」というのは、専門家の考え方です。そのための時間は、他を削ってでも捻出します。だって必要なのだから。 それに対して、ある一定時間の中でやるのが、趣味という領域です。必要だとわかっていても、それ以上、時間をかけられない。そういうことは頻繁にあります。 そのような意識の違いに気づいていないと、専門家である講師と生徒との間で、すれ違いが生じてしまいます。 でももし、上達という目標で一致しているのであれば、講師は、「なぜやらないの?」と考えるのをやめてしまうの

          【音楽教室】実現できていないこと、実現したいこと(2024年版)

          【対談⑤】社会と繋がる教室を目指して(音楽教室)

          「講師じゃない人」がいる音楽教室、というテーマで、15周年記念の対談を収録しました。「講師じゃない人」は果たして、どんな仕事をしているのか。その人がいることで、何が変わるのか。開校以来の15年を振り返りながら、核心に迫っていきます。 <全5回> ①「講師じゃない人」が見てるもの ②「講師じゃない人」がやってること ③「講師」の描く社会、実際の社会 ④視点が2つあることの意味 ⑤社会と繋がる教室を目指して ■プロフィール ミュージック・キャンバス 2009年に夫婦で開校した

          【対談⑤】社会と繋がる教室を目指して(音楽教室)

          【対談④】視点が2つあることの意味(音楽教室)

          「講師じゃない人」がいる音楽教室、というテーマで、15周年記念の対談を収録しました。「講師じゃない人」は果たして、どんな仕事をしているのか。その人がいることで、何が変わるのか。開校以来の15年を振り返りながら、核心に迫っていきます。 <全5回> ①「講師じゃない人」が見てるもの ②「講師じゃない人」がやってること ③「講師」の描く社会、実際の社会 ④視点が2つあることの意味 ⑤社会と繋がる教室を目指して ■プロフィール ミュージック・キャンバス 2009年に夫婦で開校した

          【対談④】視点が2つあることの意味(音楽教室)

          【対談③】「講師」の描く社会、実際の社会(音楽教室)

          「講師じゃない人」がいる音楽教室、というテーマで、15周年記念の対談を収録しました。「講師じゃない人」は果たして、どんな仕事をしているのか。その人がいることで、何が変わるのか。開校以来の15年を振り返りながら、核心に迫っていきます。 <全5回> ①「講師じゃない人」が見てるもの ②「講師じゃない人」がやってること ③「講師」の描く社会、実際の社会 ④視点が2つあることの意味 ⑤社会と繋がる教室を目指して ■プロフィール ミュージック・キャンバス 2009年に夫婦で開校した

          【対談③】「講師」の描く社会、実際の社会(音楽教室)

          【対談②】「講師じゃない人」がやってること(音楽教室)

          「講師じゃない人」がいる音楽教室、というテーマで、15周年記念の対談を収録しました。「講師じゃない人」は果たして、どんな仕事をしているのか。その人がいることで、何が変わるのか。開校以来の15年を振り返りながら、核心に迫っていきます。 <全5回> ①「講師じゃない人」が見てるもの ②「講師じゃない人」がやってること ③「講師」の描く社会、実際の社会 ④視点が2つあることの意味 ⑤社会と繋がる教室を目指して ■プロフィール ミュージック・キャンバス 2009年に夫婦で開校した

          【対談②】「講師じゃない人」がやってること(音楽教室)

          【対談①】「講師じゃない人」が見てるもの(プロローグ)

          「講師じゃない人」がいる音楽教室、というテーマで、15周年記念の対談を収録しました。「講師じゃない人」は果たして、どんな仕事をしているのか。その人がいることで、何が変わるのか。開校以来の15年を振り返りながら、核心に迫っていきます。 <全5回> ①「講師じゃない人」が見てるもの ②「講師じゃない人」がやってること ③「講師」の描く社会、実際の社会 ④視点が2つあることの意味 ⑤社会と繋がる教室を目指して ■プロフィール ミュージック・キャンバス 2009年に夫婦で開校した

          【対談①】「講師じゃない人」が見てるもの(プロローグ)

          ヤマハ音楽教室が変わる?!「従来のカリキュラムに沿ったステップアップ式のレッスンから、「好きな曲を演奏したい」「自分のペースで楽しみたい」「上達したい」など、多様なニーズに応えることができる新たなレッスン形態を順次導入する予定」だそう。とにかく、先生が大変そう。。。

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          大人が「学び直す」って、「学び方を見つめ直すこと」じゃない?

          「新しいものに取り組む」というと聞こえが良いですが、裏を返せば、これまでの古い自分と向き合うということでもあります。過去自分が取り組んできたものを受け止め、整理し、取捨選択して初めて、新しい概念を受け入れることができる。それが大人の学び方です。ひたすら知識を蓄える、学生時代までの学びとは違う難しさがあります。 リスキリング、学び直し、人生100年時代など、様々なキーワードと共に、新たなサービスが勃興していますが、その多くが、知識やスキルを効率良く配信するサービスであるように

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          地域のコンサートと、プロのコンサート。両方携わって感じた一番の違いは、「次が決まっている」ということ。コンサート単体で完結するのではなく、「次への仕込み」も含めて、ひとつのコンサートになっている。これ、地域のコンサートを成熟させるヒントになるかも。

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          「演奏を目的としない」ピアノレッスンで、音に親しむ

          音楽に対してコンプレックスを抱いている人の多くは、実は、多少なりとも音楽を経験してきた人です。こんな風に歌ってみたい。でも今さら、基礎を学ぶなんて・・・。 自身が描く理想と現実のギャップを、どのように埋めていけば良いのか。路頭に迷う人は驚くほど多いのに、その行き先が提供されていません。 現実的な方法を模索すること。そして、人の気持ちに寄り添うこと。 その両立を目指して、私たちはレッスン開発を行なってきました。 その一つが、演奏を目的としないピアノレッスン。 少し砕けた言

          「演奏を目的としない」ピアノレッスンで、音に親しむ

          音大の脳みそ・理系の脳みそ(異なる見え方を想像する)

          音楽教室という古くからある形態の中で、「新しいものを生み出す」というと聞こえが良いですよね。でも実は、古くからあるということは、あらゆることが考えつくされているということでもあります。ですから、パッと思いついた方法で、「劇的な改善」が図れるわけではありません。 そこで私たちは、音楽教室の常識に「異なる常識」をぶつけることで、本質に迫ろうという取組を続けています。 教室として最も大切にしているのは、レッスンの中で生徒が「なるほど!」と腑に落ちる感覚を得られるかどうか。その積

          音大の脳みそ・理系の脳みそ(異なる見え方を想像する)