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【音楽教室】講師の給料が上がらない理由を理解すると、「上げ方」が見えてくる

頑張っている人が報われない世界は良くない。けれど、現在の枠組みの中では、どれだけ頑張っても給料は上がらないと思う。

その理由を、ざっくりと整理してみようと思います。


現状を理解する

まず、背景として、以下のようなものが挙げられると思います。
・講師の供給過多
・子どもが減っている一方で、大人のレッスン需要はそこまで伸びていない
・習い事に出せる金額には限界がある

音楽教室に限ってみると、小さな規模のお金を、多くの講師で分け合っている。
そんなイメージです。

大手教室に勤めても、個人で教室を開いても、結局のところ、給料や将来が保証されない、個人事業主として働くケースがほとんどです。レッスン需要は増えていないのに、自分の代わりとなる講師(=競合)がいくらでもいる世界。給料が上がらない理由は、ここにあります。

「人が足りないから、他ではなく、ぜひうちに来てください!」と、時給がどんどんと上がっている社会の中で、非常に珍しい状況になっているとも言えます。

どこまでも続く「負のループ」

本気で講師をやりたい、生涯をかけた仕事としていきたい、と思っている人がいたとして、現状、どこで働いても、似たような働き方になってしまいます。単価が安ければ、量でカバーするしかないというのが、実際のところ。どうしても、「副業的な働き方」の足し算にならざるを得ません。どれだけ働いても「報われない」と感じるのは、そんな現状に由来するように思います。

①差別化ができない
②安価にせざるを得ない
③量でカバー(時間が不足する)
④自分への投資ができない
⑤元へ戻る(①へ)

じゃあ、どうするか

冒頭で、給料が上がらない理由を、3つ挙げました。

・講師の供給過多
・子どもが減っている一方で、大人のレッスン需要はそこまで伸びていない
・習い事に出せる金額には限界がある

これに対抗する案を考え、実行することが、すなわち、「給料が上がる可能性を探ること」になります。

「講師の供給過多」
・今後、講師の数が減少に転じる可能性はあるのか。講師が減ってきたら、どういう世界になるのか。想像し、先んじて準備を進める。
・供給過多の中でも、「他の講師とは明らかに違う」という状態を作り、維持できるか。

「子どもが減っている一方で、大人のレッスン需要はそこまで伸びていない」
・親は音楽教室に何を期待しているのかを考える。昔と今は、何が違うのか。今後はどうなるのか。
・大人のレッスンは、なぜ伸びないのか。どこに課題があり、どうやったら解決するのか。

「習い事に出せる金額には限界がある」
・実用的な習い事の種類が増え、音楽レッスンの「相対的な価値」が落ちていると考えることもできる。
・どんな付加価値があれば、ある程度の金額を出しても通いたい、通わせたいと思うか。「習い事」の定義から外れるような体験、経験とは。

既に、「個の時代」になっているのに、いまだに右肩上がりの時代の名残で、やりくりをしており、個のニーズに対応できていない。これを解決することが、新たなレッスンやサービス、そして、人材育成の仕組みを再構築することに繋がるのではないか。

需要を増やすのは誰か

とは言いつつも、どこから手を付ければ良いのか。誰も正解を持っていない、というのが本当のところだと思います。お金を稼ぐだけだったら、正直、他の業種で稼いだ方が、よっぽど効率が良い。でも、音楽で社会に貢献したいと思うのであれば、見えない誰かに期待するのではなく、自分で道を切り開くしかありません。

できることをこなすだけではなく、継続的に新たな価値を生み出すための仕事(=投資)をしていく。

積極的にチャレンジする人が増えていけば、きっと風向きは変わる。そんな期待をしながら、今日も、試行錯誤を続けています。

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