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大人が「学び直す」って、「学び方を見つめ直すこと」じゃない?

「新しいものに取り組む」というと聞こえが良いですが、裏を返せば、これまでの古い自分と向き合うということでもあります。過去自分が取り組んできたものを受け止め、整理し、取捨選択して初めて、新しい概念を受け入れることができる。それが大人の学び方です。ひたすら知識を蓄える、学生時代までの学びとは違う難しさがあります。

リスキリング、学び直し、人生100年時代など、様々なキーワードと共に、新たなサービスが勃興していますが、その多くが、知識やスキルを効率良く配信するサービスであるように感じます。知識は増える(=学んだ気にはなる)けれど、実際、何が残るのか。

5年前、音楽教育雑誌「ムジカノーヴァ(音楽之友社)」で、私は以下のように書きました。

学ぶ楽しさというのは、ひとつひとつ壁を乗り越え、自身が成長すること、そして、できることが増えていく喜びにあると思います。本当は大人だって成長したい。これが偽らざる本音であり、潜在的なニーズは相当大きいと思います。でも、大人は年齢や環境のせいにして、半ばあきらめてしまっている(本気度が高くない)。ここに大人のレッスンを盛り上げていく切り口があると、私は考えています。

2018年6月号「子供とは違う、大人向けレッスンの技術」より

あれから5年。私たちは、「大人が成長する姿」を数多く目撃してきました。先生頼みだった生徒が、自分の足で立ち、ぐいぐいと前へ進んでいく。年齢など関係なくチャレンジを続ける姿を見ると、私たちも見習わなくてはなりませんし、これが音楽というジャンルでなかったとしても、この人たちはきっと自走していくのだろう。そんな想像をするようになりました。

教室では、
・大人の特性を考慮し、学びを受動から能動へと変えていく
・大人が音楽に取り組む際の課題を明らかにし、対処法を見出す
その両面を往復しながら、「大人向けレッスンの可能性」を追求しています。

学ぶとはどういうことなのか。自分に合った学び方とは、どのようなものなのか。大人になった今、あらためて自身を見つめ直す。そのうえで再構築した学びの方法であれば、この先、時代が変わろうとも、柔軟に対応していけるのではないでしょうか。

音楽を触媒にして、「自分ならではの学び方」を学ぶ場所。一緒に見つけていく場所。
いずれは、習い事市場の一ジャンルとなるよう、育てていければと思っています。

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