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【ご提案】大手音楽教室の皆さま。こんな講座を作ってみませんか。

大人向けの音楽レッスン作りに携わってきて、やりがいを感じる一方、無力感を感じることもあります。それは、音楽を「もっと楽しめるようになりたい」と考えている人の中で、実際に、音楽教室に来られる人は、ごくごく一部だということです。これは「音楽教室にもっと来てほしい」という内側からの話ではなく、世の中のニーズに対して、音楽教室が「解」を提供できていないという話です。

演奏をしない音楽教室って、無いのだろうか。

「突然、何を言っているのか」と思うかもしれませんが、これは私が、教室を開校する前から思っていたことです。例えば一般の人が、音楽を「もっと楽しめるようになりたい」と思った時に、まず音楽教室を探すことになりますが、音楽教室って、必ず、何らかの演奏・歌唱を求められます。基本的には演奏技術の向上のために通います。それに付随して、音楽に詳しくなるということがあるとは思いますが、演奏ありきというのは変わりません。演奏・歌唱がうまくなりたいわけではないのに、「なぜ、楽器・歌を選ぶところから始めないといけないのか」。そう思っていました。

その後、音楽教室を開校し、その疑問はますます深まることに。私どもが提供しているのは個人レッスンですので、生徒の皆さんの「生の声」に直接触れることができます。これまで提供してきた中で、多くの人に当てはまるものに、例えば、以下のようなものがあります。

【悩みなど】
・コンサート・ライブを楽しめない(聴きどころがわからない)
・会話についていけない
・感想を求められて、意見を合わせてしまう

【具体的なもの】
・手拍子が遅れてしまう
・音楽に乗れない

ひとりで音楽を聴くのは好きだけれど、音楽に関連して、人と接するのが苦手という人が驚くほどに多い。演奏や歌唱の前に、まずは、「音楽を純粋に楽しめていない」という課題を、かなりの人が抱えていることがわかってきました。

音楽関係者は、音楽が溢れる社会が良い社会と思っていますが(私も思っています)、コンプレックスを抱いている方々にとっては、日常の社交の場にある音楽に「やむなく付き合っていく」という状態になっているのです。

どういう能力を磨いたら、もっと音楽を楽しめるようになるのか。どこへ行ったら、それが学べるのか。一般の人たちは、自分ではわかりません。だからこの問題は、自然に解消するものでなく、現状のまま何もしなければ、状況は変わりません。音楽業界では、「聴衆を育てる必要がある」というような理想が語られる昨今ですが、消費者はもっと切実。細やかに個人の事情を把握して、サービスを設計する必要があるように思います。

音楽をもっと楽しむための、大人の音楽教養講座が必要ではないか(実際はもう少しエンタメ感が必要ですが)。

実際に私たちの教室では、数年前から、教養にあたる部分のレッスンを考案し、講座形式で提供しています。その結果、生徒は音楽自体への興味が増し、レッスンの理解も早くなり、楽しく、そして、より能動的に変化してきています。しかし、これはあくまで教室内に限ってのこと。私たちができる範囲(対象、種類)は限られています。

大手音楽教室の皆さま。こんな講座を作ってみてはいかがでしょうか。
(必要があれば、お手伝いをします。)

この思い、届くと良いなぁ。


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