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講師業を「本業にしたい人」のための「教室経営マニュアル」

個人教室に焦点を当ててみると、誰もが「見よう見まね」で教室を始めて、「見よう見まね」で運営しているように感じます。裏を返せば、個人教室をしっかりと定着・発展させていくためのノウハウが確立されていないということでもあります。(競争が激しいように見えるが、実は、競争は起こっていない。)

個人教室においては、行うべき対策が「教室ごとに異なる」。それが、大きな特徴です。

目標、志向、専門性、経験、立地、対象とする生徒の層など、ちょっと思いつくだけでも、教室ごとの違いは明確です。ひとつとして同じ教室はありません。だから、表向きに見える事象(例:生徒が少ないなど)は同じでも、原因が異なれば対処法が違う。それはもう、当然のことです。

ところが、一般的なセミナーや書籍では、一番時間のかかる「原因の特定」をすっ飛ばし、解答例をひたすら紹介しています。個別の事情については言及しません。この事実に気づいていない人が、非常に多いと感じています。受講者(読者)は、学んだ気にはなりますが、どの対策をやったら良いかわからない。片っ端からやっていくには、いくら時間があっても足りない。結局、問題解決には至りません。

もちろん、運に依存する部分も無くはありませんが、少なくとも、理に叶った方針に沿って運営・経営をすることで、成功の確度を上げていく必要があります。教室を育てるためのプロセスを知り、試行錯誤をしながら、ひとつひとつのイベントを着実に力に変えていく。それが「他人とは違う教室を作る」ための最短ルートです。

短期志向と長期志向

発想を変えない限り、教室経営は「誰がやっても難しい」

音楽教室も立派な事業なのだから、「経営する」という概念が必要だという考え方があります。私もいろいろと考え、試し、整理を進めてきましたが、大人向けの教室はともかく、子供向けの教室のおいては、やはり実感が湧かない。顧客とかニーズとか、戦略だとか、それらしい言葉を並べ、理想を理想として語っているうちは、できるような気になってきますが、じゃあ、その定義をもとに、具体的な日々の取り組みに落とし込もうとすると、途端に行き詰ってしまいます。何から始めれば良いの?どこに手を付ければ良いの?

例えとしては適切かどうか疑問がありますが、わかりやすさだけを重視して、アジフライ専門店を例に、考えます。

「アジフライ専門」とするのは、魚料理のお店はたくさんあっても、魚の種類を極限まで絞り、さらに調理法まで絞ることで、競合がほぼいない状況を作り、注目を集められるからです。それだけこだわっているなら、おいしいに違いないと。でも、周りにアジフライ専門店が乱立するようになったら、どうなるでしょうか。勝ち抜くためには、さらに細かい違いを出していかないといけません。衣?揚げ方?魚の仕入れ?接客?もはや、その細かすぎる違いに、一般の人はついていけない。専門にこだわったことが完全に仇になってしまいます。

そんな時、例えば、アジフライ専門店が、アジ専門店だったら。さらに縛りを緩めて、魚料理専門店だったら。独自色は薄まりますが、今度は、工夫の余地が広がります。その中で、いかにして独自色を出すか。どうしたら、お客さんに喜んでもらえるか。そういう具体的な想像を働かせるわけです。

これを踏まえて、ピアノ教室の場合はどうでしょうか。そもそも、習い事の中で、音楽というジャンルがあって、楽器別に分かれて、ピアノ。一般的なピアノ教室であっても、すでに、かなり絞り込まれていることがわかります。そこに、対象を子供、クラシックという条件を付けると、現状、以下のような縛りが加わります。

  • 定番のカリキュラムに沿った学習

  • 子供の習い事に見合った月謝(上限がある)

  • 営業時間は、学校終了後

そうなると、もはや他の教室との違いを出すための、工夫の余地がほとんどなくなってしまいます。工夫の余地が無いのに、同じような教室が乱立している状況。この条件の下で、いわゆる経営をするとなると、「誰がやっても」非常に難しいと思います。良い感じのホームページを作る、経歴をアピールする、レッスンを磨く・・・。これが経営!?これって、今までやってきたことですよね。では、何ができるのか。

具体的な想像をしないまま、経営だ、戦略だ、差別化だ、と言うことが、いかに意味の無いことか。何となく伝わったでしょうか。

そもそも、教育色の強い教室を市場経済に乗せるというのは、学校法人を株式会社にするのと近いものがあり、だいぶ無理があるように思います。

  • お金になるけど、やってはいけないこと

  • お金にはならないけど、やるべきこと

教育という分野でこそできることがあり、個人教室においても、それを担っている面があるからです。

同時に、

  • お金になるけど、やりたくないこと

  • お金にはならないけど、やりたいこと

という、音楽分野「ならでは」の、個人の嗜好や使命感の話もあります。

「やりたい・やりたくない」はなだらかに続いていて、個々、どこまでならオーケーかを探り、どこに着地をするかを決めていくのが、問題解決のための現実的な道筋です。本気で音楽教室の社会的地位向上を目指すのであれば、こういうことに地道に向き合い、考えていかなくてはならないと、私は思います。

個人事業で、スキルを身につけるよりも大切なこと

個人事業(=個人教室)をやっていて一番難しいと感じるのは、独自の基準を作り、更新していくことです。この基準というのは、仕事としてのプライドに近い意味もありますが、逆に、最低限守らなくてはならないクオリティという意味合いもあります。「これでお金をいただいて良いのか」という感覚。それは、一時的に売れるか、売れないかということではなく、その商品・サービス・対応を世の中に出すことによって、それが、事業の信頼を築くことに繋がるのか、信頼を失うことに繋がるのか、それを敏感に感じ取り、判断する能力のことです。

大きな企業で働く場合、既に存在しているルールの中で生きていくことになります。そこには一定の基準があり、有形無形は別として、その基準を満たすための教育があります。ですから、携わった人が基準の存在を意識しようとしまいと、商品やサービスに社名という名のブランドがついて、いよいよ世に出るときには、最低限のクオリティが担保されているはずです。実際に売れるかどうかは、また別問題ですが。

一方、個人事業の場合、その時々の都合や慣例に従って判断し、商品やサービスを送り出すことになりがちです。それがたまたま、社会が求める水準と合致していれば良いですが、多くの場合、そうはなりません。ですから本来は、客観的に質を見極める感覚・能力について、もっとスポットが当たって良さそうなものですが、現実は、スキル至上主義ともいえる状況です。

これまで、いろいろな方とお付き合いをさせていただいてきましたが、「自分で考え、判断を下す」という経験を積み重ねてきた人は、その事業規模に依らず、客観的に質を見極める感覚・能力を身に着けているように思います。ちょっとした会話やメールにさえ、それが心地良く、にじみ出ている。常に世の中と対話をし、自分自身の価値を問い続けていく。それが個人事業を、事業として継続していくための、最低条件であるように感じます。

幸か不幸か、慣例に従って対応するということが、もはや、できない世の中になってしまいました。それは個人事業においても、例外ではありません。どの部分を大切に守り、何を変えていくのか。個人事業ならではのフットワークの軽さを活かして、果敢にチャレンジしていきたいものです。

ホームページを見ると、「教室づくりの本質」が見えてくる

いつからか、音楽教室においてもホームページを持つことが珍しくなくなりました。連絡先、アクセス、料金など、最低限の情報を提供するという意味では、ホームページは、十分に役割を果たしていると思います。一方で、生徒募集のためにホームページを作ったのに、集客には繋がっていないというケースも多いのではないでしょうか。

まずは、ホームページから「音楽・習い事の効能」と「経歴」を除いてみてください。残ったものが、「教室の特徴」になります。もし特徴の記載が見当たらないのであれば、理由は2つのうち、どちらかです。

  • 教室づくりを行なっていない(家庭教師のようなスタイル)

  • 教室づくりの結果を、ホームページに掲載していない

例えとして適切かどうかはわかりませんが、先程同様、わかりやすさを優先して、飲食店で考えてみましょう。

テレビにも出ていて、誰もが知っているようなシェフだとしたら、そのシェフの名前(経歴)でお客さんがやってきます。メニュー?お任せでも良いくらいです。だって、味の保証がありますし、それよりも、その人の作る料理を食べてみたいのですから。だから、ホームページには、お店の基本的な情報があればそれで良いということになります。

一方で、おいしい料理を作るけれど、特別な経歴の持ち主でない場合は、名前だけでは、お客さんはやってきません。こだわりや思い入れ、食材の仕入れ先、お店の設備などを丁寧に伝えることによってお客さんを増やし、少しずつ、認知を広げていきます。お店の特色づくりも含め、総合力で勝負をするイメージです。

個人教室のホームページを見ると、前者のような、経歴を前面に出すスタイルが多いように感じます。そうなると、せっかく良いレッスンを行なっていたとしても、それが外から見えないんですよね。通っている姿がイメージできないから、「自分が行って良いのか」がわからない。だから安心を求めて、他のオープンな教室に行ってしまうという・・・。

教室とは長く「お付き合い」していくものだから、相手のことを知りたいと思うのは、自然な衝動ですよね。よくわからないままに飛び込んでいく勇気は・・・、少なくとも、私にはありません(笑)。

ホームページ業者は、教室の中身は見てくれませんし、見抜く力もありません。だから、仮に制作を依頼するとしても、自身で教室を客観視して、文章に起こす作業をやらなくてはならない。でも、それをできる人が少ないから、やっている教室が少ない。状況としては、そういうことなのではないかと思います。

教室を発展させるための現実的なプロセス~講師の「やりがい」をアップデートしていくために

音楽講師の皆さんは、ご自身の教室または所属する教室が、今後どのように発展を遂げていくか、想像しているでしょうか。入会した生徒を一からレッスンし、ある程度うまくなったら退会。また別の生徒を一から・・・。という風に、毎回、毎年、同じことの繰り返しだと思ってはいないでしょうか。もしそうだとしたら、先のことを思い描くのは難しいですし、今後も集客に苦労するかもしれません。

何らかのカリキュラムに沿ってレッスンを行なっていく場合、自ずとそのようなスタイルになると思います。しかし、必ずしもそこに縛られる必要はありません。個人教室の場合は、自分の意志で、「集客方法」も、「レッスン内容」も、「通学システム」も改良していくことができるからです。これら3つは綿密に連動しており、先生のレッスンの質を基準にして改良を加えることで、集客する生徒の「層」を変えていくことができます。ここに、個人教室を運営する醍醐味があるのです。

教室を開校した当初は、生徒数が少ないため、当然のことながら、集客が最重要課題になります。そこで、できるだけ多くの生徒が集まるような集客方法、通学システムをとります(例:キャンペーンによる割引、生徒の予定に合わせて柔軟に通えるようにする等)。すると、やる気満々という人から、ちょっと興味があるという程度の人まで、幅広い層の人たちが、集客の対象になります。ある意味で、対象を絞らないともいえるでしょう。

しかし開校当初は、講師のレッスンノウハウや経験も少ないことから、当然、高度なレッスンなどできないわけで、上記のような生徒層は理に適っているとも言えます。やりたいこととは少し違うレッスンになるかもしれませんが、下積み期間と思って頑張りましょう。

そして、ある程度経験を重ね、「誰が来ても大丈夫!」という自信を得た段階で、あらためて、講師の志向にあった生徒が集まるように、集客方法や通学システムを変更していきます。すると、その変更に沿った形で、集まる生徒の層が徐々に変わっていきます。どういう方法を取るかにもよりますが、例えば、「学習意欲が強い」とか、「より高みを目指したい」といった人たちを対象とすることも可能です。

もちろん、システム変更に伴い、既存の生徒に迷惑をかけないようにするということは、最低限のマナーです。一定の人数を保ちながら、徐々に理想のレッスンに近づけていくことで、講師自身のレッスンの「やりがい」も並行して上がっていく。そんな仕掛けになります。これが個人教室における現実的な解であろうと、現段階では考えています。

この域に到達して初めて、教室の個性、講師の特徴というものが出てきますし、逆に、個性を打ち出した集客ができるようになります。人と違うことをすることが個性ではなく、経験の中から自分なりのスタイルを確立することが、個性的な教室作りに繋がるのです。それは開校当初に想像していたものとは違うかもしれませんが。

「やりがい」は人によって異なるため、その人が熱心に取り組む動機となれば、ある意味、どんなものでも良いと思います。長年かけて一から生徒を育て上げるということでも良いですし、セミプロ以上の人のニーズにこたえるようなレッスンも良いですね。人数を絞って濃密なレッスンをするのも良いですし、幅広い年代の人を対象にしても良いと思います。人に喜んでもらいたい、感謝されたいということがやりがいだという人もいます。あくまで、その人がやりたいと思っていることを実現していくための軌道修正です。

ただ、「教室の規模を拡大したい」というのは、それは講師としての希望というよりは、経営者としての希望ということになります。もちろんそういう「やりがい」もありますが、「規模の拡大」と「レッスンの質(熱量)」は、基本的には、相反するものであるため、「個人教室としての存在意義」は次第に薄れていく、というところに注意が必要です。

個人教室は、リソース(使えるお金、時間、人)が限られています。インターネットの普及で、個人が容易に情報収集できる時代になりましたが、あれもこれもと手を出していては成果が出づらい。どこが個人教室の醍醐味なのかということを常に意識したうえで取捨選択をしないと、何でもないレッスン、何でもない講師という域を抜け出せなくなってしまいます。すると、いつまでたっても、やりがいは生まれません。

代わりがおらず、自分自身がやるしかない。それが個人教室の宿命ですが、その状況自体が大きな原動力となり、困難に立ち向かうことができます。しかし、何もわからずに漠然とした不安と戦うよりは、具体的な明るい未来を描いていた方が、勝率は高いのではないか。目の前の利益を追うのではなく、考え抜いて選択し続けることが、結局は「やりがい」を感じる職業へと変えていく最短ルートではないかと、私は考えています。

  • 末尾に、これらのプロセスと「行動に繋がる指針」を、より具体的にまとめた一覧表が付属しています。

  • 「ご自身が今、どの位置にいて、これから何をすれば良いのか」を確認しながら理解を深めてください。

教室づくりの具体例(「学ぶことが好きな人」を対象とした教室を作るとどうなるか)

個人教室は、地域のニーズを満たすもの。いろいろな人を受け入れる器があって良いと思います。けれど、「教えることが好きな人」が教室を開くのであれば、万人受けする教室を目指すのではなく、「学ぶことが好きな人」を対象とすることが最も理に適っていると感じています。理に適っているどころか、むしろ、それによって、個人教室が抱える問題を全て解決してしまう!?それくらいのインパクトがあります。

・「戦ってはいけない相手」と競合しづらい

個人教室が、スケールメリットを出している大手企業と競合しては、当然ながら、勝ち目はありません。また、公共の施設で開催されるような安価な講座と競っても勝てません。気軽にちょっと触れてみようという人、安価に試せるところを探している人はそれらの講座にお任せし、個人教室としては、「個人教室ならでは」のレッスンを提供する。対象は、学ぶには、お金、時間、労力がかかることを理解している人です。となると提供するのは、自ずと、「興味のあることをトコトン学べる」というような領域になってくるのではないでしょうか。

・「学ぶ意欲」は既に持っているという前提で始められる

課題を出したときに、生徒が「やってやるぜ!」と受け取るか、「面倒くさい」と受け止めるか。義務教育ではありませんので、やりたくないなら通わなければ良いのですが、実際には、後者のケースも一定数あると思います。「労せずにうまくなりたい」という人が求めているのは、いわば「コツ」であって、仕組みや成り立ちを学ぼうとしているわけではありません。そのため、教えることにこだわりがある講師にとっては、価値観が合わず、ストレスが増したり、無力感を感じたり。その隔たりは思った以上に大きく、並大抵の努力では取り除くことはできません。だったら最初から割り切って、学ぶ意欲の強い人を対象にしてはどうかというわけです。
そもそも、レッスンの意欲が高ければ、宿題をやってこないとか、忘れ物をするとか、月謝の支払いが滞るとか、連絡が途絶えるとか、そういった付随する問題も起こりづらくなります。

・「やりがい」がアップデートできる

個人教室の一番の問題は、上司などがおらず、他人から評価されないという点です。結果、仕事に対する強制力が働かず、改善・改良のスピードが遅くなってしまいます。さらに、昇給や昇格という目に見える成果も無いため、同じようなレッスンを繰り返していると、モチベーションは落ちていく一方です。そのため、定期的に目標を新たにし、やりがいをアップデートしていかなくてはいけません。個人教室という小さなコミュニティの中で、「高いモチベーションを保ち続ける」って、思った以上に大変です。
そこで貴重になるのが、意欲的な生徒の存在です。常に生徒が求めている、そして、どんどんと成長を遂げていく。講師は、それに応えようと必死になる。そのような状態が継続することによって、講師自身の能力やレッスン精度は、半強制的に磨かれていきます。自分のできることが増えていくと、新たな目標も立てやすくなります。

・中長期の継続が前提となる

レッスンを継続する理由として最も健全なのは、「やりたいから続ける」というシンプルなものです。学んだ成果も大切ですが、そもそも、知的好奇心が旺盛で、学ぶ時間そのものを楽しめる人が、レッスンを長く継続できるように思います。深堀していくと、どこまででも行ける。趣味を超えて、ライフワークのような状態ですね。
個人教室は、資金や人手が限られているのですから、生徒の入退会が多いというのは、決して望ましいことではありません。中長期を展望に入れている生徒が大きな割合を占めることで、生徒数を気にせず、本業に集中することができ、それが、更なる講師自身の成長、教室の発展へと繋がります。

・そもそも、学ぶことが好きな人はどこにいるの?

教えることが好きな人は、なぜ教えることが好きになったでしょうか。おそらく、良い先生に恵まれたからですよね。では、学ぶことが好きな人は、なぜ、好きになったでしょうか。そして、そのような人たちが求めているものとは?

長期間継続して通う人の傾向を見ると、衝動的に通い始めるというよりは、時間をかけてじっくりと検討し、自分の嗜好に合った教室、先生を探しているようです。
教室として、「教えること」、「学ぶこと」をどのように捉えているか。どんな方針でレッスンを行なっているか。生徒からのリクエストは聞いてもらえるのか。それらを見極めるための十分な材料を提供すれば、情報過多の時代においても、生徒自ら、教室を探し出してくれると思います。情報を集めて、まな板の上に載せて吟味するのですから、無理して検索順位を上げたり、目立たせたりする必要はありません。地域の中にいくつか同種の教室があった場合でも、「比べたら、一目瞭然、確実にこの教室を選ぶよね」という状態を作る。それが身近な目標です。

結局、「教室づくりをする」とはどういうことか(まとめ)

教室づくり。それは、どういう生徒を輩出したいか、教室として何を叶えたいかという理想を掲げ、その実現に向けて、理想を具体化する作業です。

では、具体化とは何か。

教室にはレッスンはもちろん、様々な構成要素があります。生徒募集、通学の仕組み、規約、発表会などなど。細かく分けていくとキリがありませんが、そのひとつひとつを定期的に点検して、理想に向かうようにこまめに修正していく。それが、「教室づくり」そのものであり、セミナーや書籍で学ぶ「コツ」では叶えられない部分です。

小さな支流が合流し、川となり、海へと注ぐように、ひとつひとつの構成要素を、描いている未来へと向けていくと、いつしかそれらが繋がりあって、ひとつになり、活気あふれる教室が出来上がっている。そんな仕掛けです。

目の前の事柄に一喜一憂するのではなく、少し引いた視点を持ち、先を見据えた教室づくりを行なっていく。迷ったら、確実に前に進む方法を選択する。全てが「良い方向へ向かうための材料」だと捉えられれば、失敗という概念はなくなります!

そんな王道ともいえる方法が浸透し、選ぶのに困ってしまうような、色とりどりの音楽教室が勃興することを願っています。一緒に頑張っていきましょう!

教室経営の羅針盤

表の使い方

  • 「右の列に移行するためにはどうしたら良いか」を考え、それを具体的な目標へと変え、教室の仕組みに反映していきます。

  • 縦の項目は、それぞれ連動していることに注意が必要です。(例:ほぼ全ての項目が導入期に該当するのに、「レッスン料金」だけを成長期に移行するのは難しい)


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