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【未来予測】歌の好みは「時代の壁」を超えた!?じゃあ、次は「ジャンルの壁」だ!

2013年2月の教室内新聞にて、以下の様なことを書きました。

音楽の定額配信サービスが少しずつ普及してきました。今までは洋楽中心だったため、今ひとつピンと来なかったのですが、いよいよ3月から邦楽の定額配信が始まるそうです。月980円で100万曲が聴き放題になるのだとか。新曲が売れない時代にこのようなサービスが始まることは必然とも言えますが、全ての年代の曲が横並びになったとき、どのようなことが起こるのか、非常に興味深く、注目しています。個人的には、作られたブームとしての音楽は終焉し、良いものは良いと認められる、表に出てくる文化が根付くと良いなと思っています。定額ということで、いろいろな曲をためらうことなく聴けますので、隠れた名曲等も発掘されていくのではないでしょうか。これからの新人歌手が売れるためには、「過去の名曲」にも勝つ必要が出てくるのかもしれませんね。

ミュージック・キャンバス「教室通信」

そこから10年を経て、本日(2023/4/27)、以下の様な記事が出ていました。

カラオケ歌唱データから見えてきたのは、“全年齢層が同じ曲を歌うようになっている”というかたちで、むしろ“共有するものが増えている”という行動実態だ。

www.musicman.co.jp

全体の傾向としては、そもそも、カラオケに行く人が減っていて、一方で、「ひとりカラオケ」需要が増えるなど、カラオケという存在自体の変化を考慮しなくてはいけません。

ですので、「共有するものが増えている」、「(年代を越えて)同じ曲を歌ったり聴いたりして交流できる可能性が高まっていると言える」という表現を、鵜呑みにするのは危険だと思います。ただ確かに、私たちの教室でも、年配の方々が抵抗なく「あいみょん」を練習して歌ったり、若者が歌謡曲を選曲するということが増えているように感じます。

過去の曲も含めて、「膨大なデータベースの中から選んで聴ける」となったときに、「とりあえず、聴いてみよう」ができる環境。先入観を持たずに聴いてみて、自分が良いと思うものは、良いと認めることができる。そんな文化ができつつあるとすれば、それは名曲・名演が後世へと受け継がれるという意味で、良い方向に進んでいるのかなと感じます(新曲を作る人は大変ですが)。

歌うと聴くでは、また違う傾向になると思いますが、サブスクやYouTubeの大衆化によって、過去の名曲が新曲と対等に戦える、つまり、「時間の壁」を越えられるようになった。ならば、今度は、「ジャンルの壁」をも超える可能性が出てくるのではないか。そんな前向きな想像をしています。例えば、クラシックでも工夫次第で、これまで聴かなかった人が、聴くようになるかもしれません。

今まで無かった環境が既にある。前提は変わっている。この事実をもっと大切に考えていきたいと思いました。

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