【連載詩集】No.41 あの日のきみは、今でもいますか。
あの日のきみは、今でもいますか。
朝の日差しを浴びて、ふと思う。
すべてが若々しく輝いた、あの頃。
いつでも、いじらしくきみはいた。
手を伸ばしても、手に入らない。
背中を追いかけて、何度も転んだ。
振り返ってくれたら、嬉しかった。
きみにふさわしい人になりたいと。
戦い抜いて、泣きながら過ごして。
ダサいところも、いっぱい見せて。
走り続けていたら、ここまできた。
私はいつの間にか、きみを見失った。
いつしか、ひとりで走り続けていた。
静かな朝と、差し込む太陽の光。
誰の声もしない部屋に、私はいる。
たくさん、たくさん、頑張ったよ。
わりと、成長したんじゃないかな。
いろいろ、話したいこともあるよ。
ソファに腰を下ろし、文章を書く。
向かい側には、誰もいない、空白。
そこにいない、誰かに話しかける。
あの日のきみは、今でもいますか。
いつでも、いじらしくきみはいた。
この真っ白な部屋は、今の通過点。
また、静かにひとり一日を始める。
あの日のきみは、今でもいますか。
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