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関西の料理には欠かせない天然の真昆布が絶滅の危機!生産量がピーク時の93%減とは、既にほぼ流通していない状況。あの手この手の対策も自然現象には対抗できないようです!

こんにちは、DJムッチーです。
関西人が東京へ行ってうどんを食べると「辛い、濃い」と言い、関東人が大阪に来てそばを食べると「甘い、うすい」と言う。そんな話を聞いたことがありませんか?
それは、つゆが違うから。関東は、味が絡みにくいそばを食べるつゆ。そんなつゆに味が絡むうどんを入れたら辛くて濃いに決まってます。逆もまた同じことが言えます。本来甘みのあるうどんの味を引き立たせるように作ったつゆを作るのに欠かせないのが昆布です。大阪ではつゆにコクが出る函館産の真昆布が主に使われています。
その真昆布が、絶滅の危機に瀕しているのだそうです。原因は、いかなごの漁獲が激減している瀬戸内と同じく海水温の上昇。そして水温の上昇で寒い冬も活動できるようになった、皆の大好きなウニの海草爆食いです。

江戸時代、北海道で獲れた昆布は北前船で大阪へ

江戸時代初期に豪商であった河村瑞賢によって、酒田から下関を通り、大坂を経由して江戸へ向かう西廻り航路が確立され、北前船の航路が伸びました。それにより蝦夷地から昆布をはじめとする海産物が京都・大坂へと運ばれ、売れ残ったものがさらに江戸へも運ばれるようになります。江戸時代の中頃から幕末にかけて成立した昆布の流通網は、現在では「昆布ロード」と呼ばれています。「昆布ロード」の確立とともに昆布の消費地も江戸や九州、琉球にまで広まったのです。関東で昆布だし文化が根付かなかったのは、ひっつは大坂で上質のものが全て買われて江戸へは残り物しか届かなかったことと、もうひとつは江戸の水が硬質で昆布だしに合わなかったからです。昆布だしは、江戸中期から現代まで大坂で育まれた、関西の料理には無くてはならない味なのです。

日本海は夏場海が穏やかで、日本の回船には好まれました

真昆布がなくなる

大阪で愛用されるのは、北海道函館市南茅部(かやべ)地域の真昆布です。南茅部菊では昭和40年代に、生産量の変動リスクを抑えようと日本初の昆布養殖に成功しました。
南茅部の養殖は、天然では2年かかる成長期間を1年に短縮する「促成栽培」が中心です。品質が天然に近い「2年養殖」もありますが、ここ数年は海水温の上昇で1年目の夏を越せずに枯れることが相次ぎ、促成栽培へ移行したのでした。

クレーンで水揚げされる養殖昆布。干す前に汚れや付着物を機械で洗い流す
北海道函館市(こんぶ土居提供) 産経新聞より

天然ものが急速な激減している現在では、養殖ものは真昆布の生産量の99%を占める主力品ですが、養殖ものにも不安が忍び寄っています。現状では促成は安定しているものの、養殖は天然昆布の胞子を利用するため、天然昆布不足は養殖の生産にもはね返ってくるのだそうです。
函館市水産試験場の話では「天然の数がすごく減って、採取の時期に養殖に使えるようないい昆布が残らなくなってきた」とのこと。
持続的な養殖に向け、胞子(種)の保存や「人工授精」による完全養殖、品種改良など新たな試みも始まっているようです。

ウニが海底を砂漠にする

函館市の太平洋岸に広がる南茅部(かやべ)地域で昨年11月ごろ、水中眼鏡で海中をのぞいていた昆布漁師は息をのんだそうです。海底は海藻が消失する「磯焼け」と呼ばれる状態になっており、食害の要因となっているウニの姿が目立ったそうです。陸の秋は海の春と言われます。「7~8年前までは、昆布やいろんな海藻が順番に芽吹いていたんだけどな」と漁師さんはため息を吐いたそうです。寒い時期には活動しないウニが、海水温上昇で秋に芽吹いたばかりの海草を爆食いしているのです。

海藻類が生えておらず「磯焼け」した海底。
(北海道南西部・日本海沿岸で撮影、四ツ倉典滋教授提供)産経新聞より

日本国中の海で海水温上昇が始まっています。地域毎で様々な対策をとっているようですが、国が音頭をとって消費者を含めた全員で協力して対策を打つべき時が来ている、というより来ていたのにほおっておいたのではないでしょうか?!
是非、皆の手で科学者も産業界も経済界も消費者も総動員で食文化を守りましょう!

最後に、案外知らない昆布出汁の選び方とだしの取り方

関西で人気のだし昆布を紹介します。
旨味はブレンドするのが一番なので、煮炊きには合わせ出汁が一番です。
合わせ出汁のベースには、存在感がありつつも強調しすぎない昆布が適している真昆布か利尻昆布がお勧めです。コクを重視するのであれば真昆布、香りを重視するのであれば利尻昆布です。
また、合わせずに単体で使うのなら真昆布がお勧めです。

ベースには昆布だし

昆布出汁の取り方
昆布出汁は、かつお出汁の様にグラグラと煮詰めてはいけません、
分量は、水1ℓに対して昆布10グラム以上の割合で作ります。
だしの取り方は、水出しと煮出しの2つの方法
昆布に切れ目を入れたりする人が居ますが、きちんとした方法をとれば必要ありません。

水出し
昆布出汁を水出しするメリットは
①昆布を水に入れるだけなので手軽である
②すっきりした味わいのだし汁が取れる 
です
容器に分量の水をはかり、昆布を入れます。香り移りを防ぐため、蓋付き容器がおすすめです、なければラップをきっちりします。
この状態で冷蔵庫に入れて3時間以上寝かせます。可能であれば1晩寝かせることをお勧めします。
必ず冷蔵庫で寝かせてください。常温で寝かすと温度が一定しないので雑味がついてしまいます。

必ず冷蔵庫で寝かせてください

煮出し
昆布出汁を煮出しするメリットは
昆布を火にかけることで水出しより濃厚なうま味が引き出せる点 です
鍋に水と分量の昆布を合わせ、昆布のうま味をスムーズに引き出すため火にかける前に30分ほど浸けて寝かせておきます

寝かせたら鍋を中火より少し弱いくらいの火にかけ、時間をかけてゆっくり沸騰直前まで持って煮ます。
(一気に強火で沸騰させると、昆布のうま味がしっかり抽出できません)。
沸騰直前に、昆布を取り出します。沸騰させると昆布からでた旨味が再度昆布に戻ってしまうからです。
水炊きのような鍋に、昆布を敷く場合も煮立つ前に引き上げてください。

沸騰させないのがコツです

案外簡単ですよね・・・
これをベースに鰹出汁や椎茸出汁などと併せて美味しくいただけますよ!
お試しくださいね!

それでは今日はこの辺で失礼します。
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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。

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