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2024年9月のカウンセリング進捗

 私は、2019年5月から現在まで月1回のカウンセリングを受けている。
 コンサルテーションや自己覚知の促進というお堅い目的よりは、ただ自分の生きづらさと向き合いたくて、セッションを始めた。
 ありがたいことに、シンガポールに転居してからもセッションはオンラインで継続している。


先月のセッションで気づいたこと

 先月のセッションでは、12月から新しく始まる仕事について話した。

  1. 自分の考え方のパターンに気づいた(が、立て直しはできなかった)。
    何か新しいことを始める時、「できて当たり前」
    「自分の仕事ぶりを皆に認めてもらわないといけない」
    と思ってしまう。
    自分で高すぎる目標を設定し、圧倒されてしまう。
    また、ミスした時に自分を強く責めたり、イライラして被害的になる。
    他人と比べて、自分は何てダメなんだろうと思ってしまう。
    ※他人といっても、自分と全く違う背景やキャリアを持っている人。

  2. 自分を責める声って、誰の声なのか
    母の声「だと思っていたが」、実は母の声に呼応した自分の声。

  3. 自分を奮い立たせることの、必ずしもネガティブでない側面
    目標や課題を設定することで、努力の源になり得る。

  4. 責める声じゃなくて、どういう声なら心地よく聞けそうか
    「やったことがないことは、上手くできなくて当たり前」
    「とにかく、やってみよう。上手くいかなければ、相談しよう」

    だったら、何か新しいことを始める時、楽な気持ちで取り組めそう。

  5. その声を噛み締めてみて、どういう気持ちになった?
    瞬間的に感じたのは、
    「最初から完璧にできなければ、意味がないじゃないか」
    「相談して、バカにされるのが怖い」

    ということ。何でそういう発想に至るのかは、まだ深掘りしていない。

  6. コンテクストに立ち戻る(感情の揺れを、認知で立て直す)
    気持ちの瞬間的な反応はなかなか変えることが難しいので、
    「自分に取ってどういう人に」「どういう状況で」「何を」言われたのかを
    しっかりと考えて、ぐらついた気持ちを立て直す。
    たとえば、初めて会った人に批判されようが、人格攻撃をされようが
    その人は自分のことを知らないわけだし、意に介する必要はない。
    だけど、自分は「悪口を言われた」という事実だけを
    モロに受け止めて動揺する傾向がある。
    (皆に受け入れてもらわなければいけないと思っているため)

 何か新しいことを始める時、根拠なく「自分にできるわけない」と思うならまだしも、根拠なく「できて当たり前」と思うとはどういうことなのだ。自信があるのかないのか分からない思考回路だ。

認知の歪み(Cognitive distortion)/
不適応な認知(Maladaptive cognitions)

 気軽に使っている「認知の歪み」について少し調べてみた。
 調べれば調べるほど、いかに自分がこのパターンに陥っているか痛感した。

■Beck (1976)、J. Beck (1995)、Burns (1999)、DeRubeis、Tang、Beck (2001) の研究に基づいた、15の認知エラー

(1) 占い(Fortune telling)
 出来事の結果(通常は否定的な結果)を予測すること。
(2) レッテル貼り(Labeling)
 事実に基づく根拠なしに、他人の考え、感情、または意図を知っていると決めつけること。
(3) 行き過ぎた一般化(Overgeneralizing)
 不十分な証拠から誤った一般化を行うこと。
(4) 全か無かの思考(All-or-nothing thinking)
 
人や出来事を「すべてか無か」「always or never」という観点で見ること。
(5) 肯定的または否定的な側面の軽視
 (Discounting the positive or negative)

 肯定的(否定的)な経験を、何らかの理由で「重要ではない」と主張してそれを拒絶すること。日常の経験と矛盾しているにもかかわらず維持される。
(6) 感情の理由づけ(Emotional reasoning)
 感情のみに基づいて何かが真実であると信じること。
(7) 拡大(過小)解釈
 (Magnification and/or minimization of the negative or positive)
 認識された失敗、弱点、脅威に比例して大きな重みを与え、認識された成功、強み、機会に比例して小さな重みを与えることで、その重みが他の人が割り当てた重みと異なるようにする (「小さなことを大げさに言う」など)。うつ病患者の場合、他の人の肯定的な特徴が誇張され、否定的な特徴が控えめに表現されることがよくある。
(8) 心のフィルター(Mental filter)
 個人が状況の否定的な詳細だけにこだわり、肯定的な側面をフィルタリングすること。
(9) 「〜すべき」および「〜しなければならない」という発言
 (Should and must statements)
(10) 認知のトンネル(Tunnel vision)
 トンネルの中に入ったときのように視野が狭窄し、認知の範囲が狭くなる状態。典型的には、状況の否定的な側面しか見ることができないこと。
(11) 結論の飛躍(Jumping to conclusions)
 証拠がほとんどない(またはまったくない)状態で、(通常は否定的な)結論に達すること。
(12) 読心術(Mind-reading)
 人の行動や非言語的コミュニケーションから、その人の考え(通常は否定的)を推測すること。本人に尋ねることなく、最悪のケースを想定して予防策を講じること。または、証拠もなく、他の人が自分の考えを知っていると想定すること。
(13) 個人化(Personalization)
 特定の状況で、人が実際に持っているコントロールのレベルに不釣り合いな非難を自分に割り当てること。
(14) 他者の役割を無視して自分を不適切に非難/称賛すること
 (Inappropriate blaming/crediting of self, while ignoring the roles of others)
(15) 自分自身の役割を無視して他人を不適切に非難/称賛すること
 (Inappropriate blaming/crediting of other, while ignoring the role of self)


References(※下記までは読んでいない):
・Beck, A.T. (1976). Cognitive therapy and the emotional disorders. New York: International Universities Press.
・Beck, J.S. (1995). Cognitive therapy: Basics and Beyond. New York, NY: Guilford Press.
・Burns, D.D. (1999). The feeling good handbook. New York: Penguin Group.
・DeRubeis, R.J., Tang, T.Z., & Beck, A.T. (2001). Cognitive therapy. In K. S. Dobson (Ed.), Handbook of cognitive-behavioral therapies (2nd Ed.), pp. 349–392. New York: Guilford.

American Journal of Psychotherapy
The Relationship between Depression Severity and Cognitive Errors」より
(※和訳は、Fundamentals of Psychological Disorders 3rd edition等を参考に自分で実施した)

■他の形として…

・もしも?(What if?)
 答えに満足することなく、「〜が起こったらどうなるか」と自問すること。
・非難(Blaming)
 自分の否定的な感情の原因として他の人に焦点を当て、自分自身を変える責任を負わないこと。
・反証できない(Inability to disconfirm)
 不適応な認知と矛盾する可能性のある証拠を無視すること。
・後悔志向(Regret orientation)
 今を改善することよりも、過去にもっとうまくできたはずのことに焦点を当てること。
・破滅的思考(catastrophic thinking)
 ちょっとしたきっかけで、最悪の事態を想定すること。

Washington State University「Fundamentals of Psychological Disorders 3rd edition
『MODULE 4: MOOD DISORDERS』」
より
(※和訳は自分で実施した)

 結論、私は認知の歪みでいっぱい。それが役に立つこともあるけれど、大抵は自分のやりたいことをできなくしてしまう。
 加えて、私は以下の当事者であり、トラウマやうつ病が認知や感情に影響を与えている可能性も無視できない。

  • 幼少期に性被害に遭った当事者。

  • 自尊心を粉々にさせる性体験の当事者。

  • 「愛しすぎる女」の当事者。

  • うつ病(あるいは双極性障害2型、主治医によって診断が違った)の当事者。

  • 家族が失踪した当事者。(今も生死不明)

  • 自死遺族当事者。(知り合いも含めたら、今までに6人亡くしている)

 でも、しぶとく生きてる今のところは、それでいいかな。


参考:

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