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わらべうたってすごい ~ぼくらは震災をうたってのりこえた~

こんにちは。最近、noteの全体ビューの数を見てニヤニヤしているMr.チキンです。おかげさまで少しずつ見てくれている人が増えているのは純粋に嬉しいものです。欲を出さず、のんびりとやっていきたいと思います。
さて、今日はわらべうたの話です。11年前に経験した震災の話と絡めて話したいと思います。
コロナ禍で制限がある今だからこそ、読んでほしいなと思って書きます。

日本が大きく揺れてしまった日

2011年3月11日。東日本大震災がありました。
日本が大きく揺れてしまった日です。
あの日、私は初任者として福島県の養護学校で働いていました。
後もう少しで初任者研修が終わる・・・という時期でした。
私の勤めていた学校は大きく崩れ、仮設校舎で過ごす日々が始まりました。
(詳しい話は別記事でお話したいと思います。)

あそぶ場所がない問題

8月頃にプレハブの仮設校舎が建ちました。

写真はイメージです。

教室の広さも確保されていて、教育環境としてはとても良いものだったのですが、
一点大変なことがありました。それはあそぶ場所が無いということです。

実際の写真です。

本校舎の4つの柱にヒビが入り、体育館が使えなくなっていました。
そして、福島県は原子力発電所から飛散した放射性物質のため、
屋外での活動も行うことができなくなってしまいました

つまり、子どもたちにとっては広い場所であそぶということができなくなってしまったのです。

恩師からの手紙~昔あそびのススメ~

困った当時の私は、大学の頃の恩師に連絡をしました。

このたび、東日本大震災で私が住んでいる福島県も大きな打撃を受けました。
具体的には
・校舎がほぼ損壊。
・2階建て部分はすべて使用不可
・体育館使用不可
・プール使用不可
・近隣のプール施設も天井落盤により使用不可。
・グラウンドなど屋外は放射線の恐れにより使用不可。

という状態です。
現在は使える平屋建ての部分を使用して授業を行う方針で活動しているところです。
なんとか、自立活動や日常生活などの授業については平常通り行えそうになってきています。
しかし、体育館が使えないことや、プールが使用できないなど、
体育の授業を行う上ではかなりの障害があります


結局15m×15mほど(正確には測っていませんが)の通常教室を10人の児童で体育を行うことになったのですが、
具体的にどのような活動を行うか頭を悩ませているところです。
おそらくこれから話し合っていくうえでバランスボールを用いることや簡単なサーキットを行うなどの案が出てくることとは思われますが、
こういう時だからこそ、充実した体育の授業を行って体を動かさせてあげたいと思っています
(児童らは帰宅後も外出を禁止されているようです。)

そこで、もしも、阪神大震災の後など校舎が使用できない時にどのような授業を行っていたかなど、
限られた環境で体育の授業を行った実践記録などがあれば教えていただきたく思います

当時のメールそのまま

今、振り返ってみても、若かりし頃の自分がかなり焦っていた様子が思い出されます。それに対して、恩師の答えはこのようなものでした。

阪神大震災のときの体育の授業の記録は持ち合わせていませんが、
授業内容に困ったときは、昔の子ども達の遊びを想像するとヒントが得られることが多いです。

たとえば、狭いスペースしかないようでしたら、路地裏のようなところで子ども達がどんなふうに身体を動かして遊んでいたかを想像してみたらどうでしょうか?
そう考えるとすぐに思いつくのが「ゴム段」という遊びです。知っていますか?

もし知らなかったら、年配の先生を見つけてやり方をきいてみてください。
また、こういうときこそ、昔の遊びを復活させて見てはどうかと思います。年配の先生から知恵を引き出しながら、授業内容を考えてみてください。

恩師からのメール

なるほど!狭い場所でも体を動かすことができるのか!
それは、昔の方々の知恵にあやかるしかない
早速、同僚の先生方にお伝えしました。
そして、ゴム段の歌もゲットし、やってみたところ、
汗だくになる子どもたちが続出
歌と一緒にやるのが、子どもたちの実態にあっているね。」となり、
そこから昔遊び+うた すなわちわらべうたを集める日々が始まりました。

わらべうたってすごい!

狭くてもできる

ゴム段、あんたがたどこさ、ゆうびんやさんおとしもの・・・
改めて教材研究をしてみると、そこには大きなスペースがなくても、運動量を確保しながら遊ぶことができる工夫がたくさんされていました。
普段体を動かすのが苦手な子も、
「歌のリズムに合わせて」とか、「なかなかクリアが難しいぞ」といった
ゲーム性の高い運動は意欲的にしていたのが印象的でした。

初めての人ともできる

かごめかごめ、はないちもんめなど、
友だちの名前を当てるゲームがとても多いのに気付かされました。
きっと、少子化の前、子どもたちがどんどん増えている時や
戦時中の疎開で今まで見たことのない子と遊ぶ時に
必要感があったのかな?と思いながら教材研究をしました。
自閉傾向のある子は人の名前を覚えることに苦労をすることが多いですが、
ゲームを通して名前や顔に触れると、覚えられることが多いのは
面白い結果でした。

負けず嫌いでもできる

「まとめ」の後でも紹介したいと思いますが、
はないちもんめは本当によくできた遊びでした。
じゃんけんで負けた人が、次は勝ちのグループに入って
勝って嬉しい、はないちもんめ!」と言えるなんて!!

これくらいの広さの教室でした。

歌っていれば嫌なことを忘れられる!

「外で遊べないと浮かない表情だったんですが、今は学校楽しい!早く行きたい!って言ってます!」
うちの子、家でもたくさん歌うようになりました。」
子どもたちは家庭に笑顔を運んでくれます。
学校で覚えた歌を家でおうちの人と歌う姿を思うと、
あの、震災の辛かった時期、歌にかなり救われたなと思います。
私達はみんなで歌いながら震災を乗り越えたと言えるのではないでしょうか。

まとめ

制限がたくさんある・・・狭いスペースで体を動かす・・・そこに悩んでいた20代の頃のMr.チキンでしたが、恩師からのメールで、体育から離れたところに活路を見出しました。
そして、その時に試した様々な方法は、今の教育での血や肉や骨格になっています
今、コロナ禍で教育現場は大変な混乱です。「接しちゃダメだよ。友だち同士で触れ合っちゃダメだよ。」と言わなきゃいけないのは、教育の理想の反対方向の声かけです。
でも、制限がたくさんあるからこそ、私達人間は工夫ができるのではないでしょうか。その精一杯の工夫を子どもたちに見せてあげること、
それこそ子どもたちにとってすごく大切な教育
なのかもしれませんね。
では、またね~!(下にわらべうたセレクションを書きました。時間がある人は見ていってください!)

わらべうたベスト・セレクション

ちなみに、本題とは少し離れますが、、、
たくさんのわらべうた集めをした中で良かったものは

あんたがたどこさ

これは大ヒットでした。
動画を貼るので、やってみてください。
リズムに合わせて横に往復ジャンプをするのですが、
「あんたがたどこ」のの部分だけ前に跳ぶのです。
これが中々できない。そこが良いんです。
簡単そうなのにできない!」「ちょっと、イライラする~!」と
子どもたちは汗だくになりながら取り組んでいました。

なべなべそこぬけ

これは、子どもたちの身体の動きを高めるのに効果的でした。
そして、これを少しずつ人数を増やしていく。
そうすると、「もう少しそっち行って」とか、「痛い痛い!ゆっくり!」とか、自然とコミュニケーションが生まれました
狭いスペースでも6人くらいまではできました。

あたま・かた・ひざ・ポン

これは今でも低学年を受け持ったら使います
というか、ケニアでも使いました笑
子どもたちに選ばせて、一つずつ部位を減らしていくのです。
あたま・ん!・ひざ・ポン!のように、減らした部位は大きな声でん!と言うなど、簡単なきまりを作ると盛り上がります。

はないちもんめ(これは優秀!)

そんな中でも、一番感心したのははないちもんめです。
これは先人の知恵が詰まっていると思います。
特に、じゃんけんで負けた子が、すぐに勝ったチームに移動するのが良い。

でも書いたとおり、負けたら怒る子への対応として、
はないちもんめは大変オススメです!


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