中小企業のDXは、●●から始めよう! ~目的と手段の整理法~
最近は、どこもかしこも「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)と騒がしいのですが、実体はITによる効率化に留まることが多いもの。
紙の山に埋もれている中小企業で、いきなりDXは無いだろうと思うのです。でも、DXを旗振り役として活用し、健全な姿を目指すのはいいこと。適切なゴール設定はできていいますか?というお話です。
ITは部分から、DXは全体から
私なりに整理すると、ITとDXの関係はこんな感じです。
IT化は部分から始められる
DX化はビジネスの全体像を描くことから始める
部分的にIT化しても、結局何も変わらない。かえって、面倒になった。使われないシステムが増える。というのは、よくある話。
部分最適の発想では、なかなか効果が出にくい、というのがIT化の落とし穴です。
DXは全体最適のアプローチです。ビジネスの全体像を描き、どこをDX化するか、考える。
DXは全体像を描くことから始める、そうした覚悟を決めて取り組んでほしいものです。
DXはお客様を巻き込んだ、ビジネス全体のIT化
さらに言うと、IT化とDX化の大きな違いは、お客様を巻き込んでいるか。という点
社内だけのIT化では効果が薄い。
ビジネスはお客様との関係性が起点なので、お客様との関係性づくりにITを活用する。従来できなかった、お客様との理想的な関係性づくりがDXの本質ではないか、と思います。
見込み客の発見
お客様の真のニーズ発見
お客様履歴の蓄積、分析
お客様満足度を上げる強化策
リピートファン化する施策
こういったことを、勘に頼ったやり方ではなく、データに基づく仕組みをつくることがDXだと思います。
つまり、会社の中と外(お客様)をデータでつなぐことが、DX化の重要な着眼点です。
関係者(ステークホルダー)それぞれの目的、役割、関係性
社長には野望がある
社員には、やらされ感しかない
冗談のような、よくあるDX推進の風景です。
社長が思い描くビジョン。そこには目的もゴールも明確にあるのでしょう。
しかし、社員が同じような熱量で、目的、ゴールや自分の役割を認識しているか?
といえば、かなり怪しい。
お客様の側も同じです。新しいサービスを始めましたと言われて、アプリをダウンロードしたり、会員カードをつくったり。何のために、これを持つのか、わからないと気分が前のめりにならない。
社外パートナー(協力会社)も同様に、DXでデータやプロセスを共有する、となると面倒なことが増える。その目的、役割、は明確でしょうか?
仕組みづくりが先行して、それぞれの人(会社)の気持ちがバラバラでは、DX化はうまく進みません。
自社(社長、社員)、社外パートナー、お客様まで巻き込んで、それぞれの目的・想い、役割を踏まえ、みんながハッピーになる関係性をつくることが、DX化の意義です。
仕事(プロセス)をつなぐ「データ」に着目する
会社の複数の仕事(プロセス)をつないでいるのがデータ。
紙でやりとりしている段階では、データの存在に気づいてないかもしれませんが、人にとって意味を持つ「情報」と、その元になる「データ」が必ず存在します。
複数の関係者の間では、必ずデータ(情報)のやりとりが発生している。
データに着目して、新たな関係性、プロセス(仕事)をつくることもできる。
コンピューターは膨大なデータ(情報)を扱って、どのようにでも加工できる。また、関係者によって、データ(情報)の意味、捉え方が違う。だから、データの捉え方、活用法を新しく見直すことで、新たな関係性がつくれる。
今までにない、新たな関係性づくりが、新たなビジネスを生み出すことになる。
データ → プロセス → 関係性 → ビジネス(それぞれの目的達成)
と、つなげて考えることが重要です。
目的と手段(アクション)、データの関係
目的を達成するための手段(アクション)
その中に、新しいデータ活用法を取り入れる。
関係者(ステークホルダー)それぞれの目的・想いを達成するために、
目的と手段の間に、新たな視点でデータ活用に取り組む。
手段ではなく、目的が主役。という点も見落としがちですね。
紙の山に埋もれた会社では、そもそもデータの存在に気づいていなかったり、その重要性、価値を捉えきれていないことが多い。
データを起点にした考え方は、データの存在、価値に気づくことから。
まだ、(デジタル化)データ化されていないものも、少し工夫すればデータとして取得できるか可能性がある。目的に合わせてデータを集め、活用する。どこに使えるデータがあるか、どうやったら取得できるか、そうした発想がDX化の第一歩です。
あなたの会社では、目的と手段、データや関係者について整理していますか?
この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
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