2023年5月の記事一覧
毎回新しい話を持ってくる彼は、今回も美しい女性と出会う。
長い連休には、友人の仕事を手伝っている。積もる話は特にないのだが毎年の恒例だ。彼は去年代替わりで社長になり、日々を精進している。同級生がそれぞれ社会に何かしらの貢献をし始めている気がするが、気がするだけで留めておこうと私は生きている。
社長になった彼とは高校の時からの付き合いで四半世紀になるが、未だに奇跡を呼ぶ男だ。
その日、私は彼の仕事を手伝いながら彼の近況を聞いていた。聞いていたといっても
恐怖から見つける自分への疑惑。続くのは、大江健三郎を再び読める日まで。
大江健三郎と古井由吉が、対談している。
大江健三郎は、「短編の文章の緊迫を復活して、日本の文学、表現の世界を再建する必要があるんじゃないか。」と言っている。
古井由吉は、「言葉がぼろぼろに崩れがちな時代ですし、これは敗戦に劣らぬ文学の危機ですね。」と言っている。
大江健三郎が亡くなって、大江健三郎を読めなくなった。どうすることも出来ない気持ちが続いていて、新潮名作選「百年の文学」を読みはじめ