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2022年2月の記事一覧
新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part1ロンドの旅 全編
Part1 ロンドの旅
Chap1 ニューヨークの事件1.探索
ニューヨーク郊外で3人は1人の女性を待っていた。
七分袖のジャケットにTシャツとハーフパンツ、革靴を合わせた男性と、シンプルなワンピースを着た少女2人は、全身をまっさらな白色で揃えている。さらに、肩まであるストレートの金髪と金色の瞳はこの3人に共通していて、いささか異彩を放っていた。
初めまして。
腰まである黒髪ストレート
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7.見立
数日後、3人はニューヨークを後にした。
メライ、このジェット機はどこに向かっている?
ソウルよ。例の政治家の事件を追うわ。それにしても、行き先もわからずよく乗りんだわね。ま、いつものことか。
食事や飲み物はもちろん、ソファやテーブル、ベッドまで完備しており、長時間の移動も快適に過ごせそうな空の旅で、"打合せ"か始まった。
ふふ。君たちを信じてるからね。ところでメライせんせ
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6.照合
4人はスタジオを後にすると、最初に待ち合わせをしたカフェへ向かった。辺りはすっかり闇に包まれていた。
ふう。ここは賑やかですが、なんか落ち着く雰囲気ですね。
気に入ってくれて良かったわ。お店の人とは昔から知り合いでよく使っているの。
そうでしたか。コーヒーも美味しくて僕も行きつけにしたいですよ。
ねえ、早く本題に入りましょうよ。
黙って大人の世間話を聞いていたが、我慢
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5.仮面
コーヒー?
もはやお決まりのバックトラッキングだ。
そうよ。このあとテイスティングの仕事があるのに、濃くて苦いコーヒーをがぶ飲みするし、毎日2,3杯も飲んでるなんて、なにか怪しいわ。
そう言うや否や、驚異的なスピードでスマホ操作をし始めた。
たしかに…でもなんで彼はそんなことを。よほど自分の舌に自信があるのかしら。
そうですね。これだけの情報ではなんとも言えません。濃
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3.自署
これで私の知っていることは全部よ。
ありがとうございました。
…あさごはん
初めて口を開いた。
バルカ、やるじゃない
負けるものかと、かぶせ気味で割って入った。
ねえ、警察は朝ごはんについて何か言ってた?
朝ごはん?
また理解が追いついていない様子だ。
死亡推定時刻が10時ごろってことは、朝は生きていたっとことだし、あなたは間違いなく家から出かけて行く彼を
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2.日課
朝食は必ずトーストとコーヒーと決まっていた。複数の新聞を一通り読み、同じ時刻に出かけるのが十数年間の朝のルーティンであった。験担ぎでもあり、たとえ体調が悪くても、旅行をしてても、同じ行動をとることにこだわった。これはおそらく、一度決めたことを生涯やり続けた、いまは亡き父の影響だろう。
ワインが大好きで、若いときにソムリエの試験に合格した。その後もワインの勉強を欠かすことはなかった。父
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1.探索
ニューヨーク郊外で3人は1人の女性を待っていた。
七分袖のジャケットにTシャツとハーフパンツ、革靴を合わせた男性と、シンプルなワンピースを着た少女2人は、全身をまっさらな白色で揃えている。さらに、肩まであるストレートの金髪と金色の瞳はこの3人に共通していて、いささか異彩を放っていた。
初めまして。
腰まである黒髪ストレートの女性は、黒い無地のTシャツにデニムの装いで、ハイヒール