- 運営しているクリエイター
#エッセイ部門
モモコのゴールデン街日誌 「虹」
サントリーのウイスキー『角』が手に入らなくなるというウワサを先月くらいに聞いた。
店を閉めたあと、朝ごはんのオムライスを食べに行くG1通りの「ヒロシの店」のヒロシくんが教えてくれた。
その理由は、韓国アイドルグループのBTSのメンバーが、とあるインタビュー記事で、
「ボクが家呑みするときはいつも『角』のハイボール」
とかなんとか言ったらしく、それを聞いた海外のファンは、日本に来るとドン・キ
モモコのゴールデン街日誌 「白雨」
中華系のカップルだった。マンダリン(中国標準語)で話している。どちらも30代後半くらいだろうか?
短髪の男の方は、ラグビー選手並みに鍛えられた上半身で、暑い胸板に筋肉のついた大きな腕や肩が麗しい。
女性は小柄で、さらりとしたナチュラルな茶色のロングヘアー。丸顔で、歌手の華原朋美の若い頃に少し顔立ちが似ている。
ちょうどカウンターでウーロン茶を飲んでいたJ子さんは「歌手の島谷ひとみにも似ている
モモコのゴールデン街日誌 「薔薇」5月17日
I am a cat.
夏目漱石の「吾輩は猫である」の英訳タイトルだそうだ。漱石の英語版など読んだことがない。
先週お店にきたカナダ人の若い男性が、英訳されたこの小説が好きで、日本に興味を持ったといい、初めて知った。
さらっとした涼しげな素材の白い半袖のシャツに、シルバーの薄いフレームのめがね。いかにも頭の良さそうな感じがするから聞いてみると、大学院生でAIの研究をしているという。
「前
モモコのゴールデン街日誌 「豆」2023年5月4日
先週のソワレに、ひとり客の中年男が入ってきた。それだけでは珍しくないのだが、日本語に少し訛りがあるので聞いてみると台湾人だそうだ。日本統治時代の台湾で教育を受けたおばあちゃんに教えてもらったのだという。
世界的に有名な車のエンジニアをしているらしく、20年以上もイギリスに住み、国籍もすでに英国のものだという。素朴な短髪に、屈託ない笑顔でフレンドリーだったが、欧米国に長く住むアジア人特有の、淋しさ