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詩 / poem

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記事一覧

identify

identify

いつの間にかついた名前

望んでいたとは思わないけど
望んでいなかったとも言い切れない

だけどその名前の下にある
重責
には、痛いほど気づいている。

重い。
ねばならぬが
重い。
せばならぬが
苦しい。

私が私であるために
必要なのは<あなた>だけだった
はずだった

あとはペンとノートとPCと

私なんかを証明するには
それだけで十分だったのに

何かしらの 証明書
identify my

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光のあなた

光のあなた

この空のほんの少しだけ遠くを眺めて
目の奥に優しい光を取り込んで
もう今日の終わりの気配
太陽までなんて行かなくてもいい
せめてその影の中にあなたを見せて
光が小さな粒たとしたら
目の中一杯に溢れてしまうくらい

直視できない
何もかもが

だから私は今日も
目を伏せて影を見る
こぼれ落ちたあなたの粒子を
すくうために

04DEC2020

I am

I am

妻である前に
私は一個の人間で
そのことを忘れたときに
全ての不調は
やってきます

私の好きな色
私の好きな言葉
私の好きな味
私の好きな人

娘である前に
私は一個の人間で
そのことを知らないうちは
全ては不和へ
向かいます

私自身のやりたいこと
私自身の感じかた
私自身の時間の流れ
私自身の夢

母である前に
私は一個の人間で
そのことを感じられなくなった時に
全ての愛は
流れていきます

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our own

our own

いつでも瞼の奥で夢を見ています。

目を凝らした先に、何かが見えているわけではないのに、

その見開いた、瞳のその奥側に

はっきりとに
あるいは
優しい幻影の中に

自分自身の夢が見えるのです

耳からはあの日の音楽
目からはあの人の言葉
肌からは地球の体温

ふっと力が抜けた瞬簡に
あの淡路の
Nafshaの
カウンター越しからの
瀬戸内海の湾が
目の前に広がるのです

いつか見た夢の尻尾を

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冬の入り口と袖先

悲しくなるのは
冬だから
冬の
入口だから
寒くなりはじめの
木枯らしが吹きはじめの
冬将軍が出陣前の

この微かな冷気を感じて
まだ羽を伸ばしてたいと
私の体が言っている

冷たいなら温めてあげよう
そんな風に言ってくれる
あなたじゃなかった

重い荷物も
ちっとも持ってくれなくて
歩くスピードも
言ってから気づいて
合わせてくれるような
そんなあなただった

この冬の入り口で
思い出すのは

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未完

未完

忘れたころに頁を開いて
あの頃の私は、まだ闇の中
小さく疼いて欲しいのに
その細やかな願いさえも潰えて
瞼の奥が辛いよ
冷たい冷たい冷たい

足の裏にかかる息
腸の中に溜まってる苦しみ
明日の光を待ちわびるのが
のがのがのがのがのが

何者でもない瞬間を楽しむ
阿呆臭い薄ら笑いと
片手で握りつぶせそうな希望
そんなそんなそんなそんな

12NOV2020

もう一度

もう一度

もう一度、恋。

手のひらを重ねて
わずかな脈拍感じて
いのち、とつぶやく

誰にも笑われることのない、幸せを

perfection

perfection

あなたはどこにいるのですか。
とおいお空のかなたから
のぞいているけど
見えもせず
聞こえもせずに
息をのむ。

愛だって、完璧を求めるから満たされないんだ。
傷のない完璧な愛なんて、存在しないというのに。

2017年12月28日
(コペンハーゲンからパリへ向かう飛行機の中で)

狭間

狭間

都会と田舎の狭間。
都会的と牧歌的の狭間。
愛と冷静の狭間。
厳しさと優しさの狭間。
喜びと悲しみの狭間。
男と女の狭間。
空と海との狭間
(あるいは山と海との)
夢と現実の狭間
並ぶベッドの狭間
怒りと許しの狭間
敵と味方の狭間
昨日と今日との狭間
忘却と記憶の狭間

狭間狭間狭間

私の居場所は。

DISTANCE

この事象の前と後とで
変わったのは
わたし と あなた の
キョリ

はじまる前と終わった後で
変わるだろうか
あなた と わたしの
カンケイ

目に見えるのに
届かないという
残酷さを
自覚して

あるいは
聴こえるのに
映らないという
曖昧さに
高揚して

求めていた先端に
触れることすら叶わず
死ぬくらいなら

わたしは
この目の前にある
今 を
つかみたい

愛しているよ
LOVE YOU

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スローダウン

スローダウン

スローダウン
世の中よ
ひとつひとつ
一歩一歩
おおよそのものは
そんなすぐには
実らない

ただじっくり
一刻一刻を
踏み締め
味わい
見つめて
感じる

すぐ手に届くと
思っていたものの
ほとんどが
実は幻想だったのだと
今更ながらに
気づく
(今、気づけてよかった)

カルムダウン
世の中よ
すべては融和の入り口
愛するものと
愛すべきものの
出会いの前触れ

生きてる
ひとつひとつの
いの

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23:55

23:55

くうくうと
寝息たてし
君の頬
そっとキスして
おやすみなさい

今日も平和だ。

05APR2020
(天赦日)

りんごを

りんごを

いま
いまこそ
いのちが
みな等しく
平等に
一様で
あることを
感じずには
いられない

死は
だれか
どこか
わずかな
限られた
人々のことでなく
常に
同じように
すべての命に
宿っている
ということを

大切なひとに
りんごを贈る

あなたの
いのちが
わたしのと
他のすべてのと
同じように
大切であることを
思いながら。

愛してる。
大丈夫。
愛してる。

ハンカチ

ハンカチ

あなたの頭の中は
たぶんハンカチみたい

きれいに折りたたまれて
端と端などが重ねられて

そよぐ風も
のしかかる重みも
好まない

あなたのその
あなたのためだけの
完璧さ / perfection
を 守るために
私はいるんじゃない

きれいに畳まられた
するするした表面でなく
その中に
くしゅくしゅになった
その嘘のない中身のほうに
包まれたい

だめなの?

03APR2020