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美術館と私

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わからなくても楽しいもの、わからないし楽しくないもの

わからなくても楽しいもの、わからないし楽しくないもの

古今東西あまねく楽しむ美術館。

ごきげんよう、もくれんです。

美術館に行くときは、わかるとかわからないとかで考えるとつまらなくなるのでなるべく考えないようにしている。ムスカみたいに「わかる、わかるぞぅっっ」ってなる楽しみ方もあるよ、そりゃ。寓意とか聖書の知識とかね、あればそれだけ読み解けるものもある。でもそういうもんばかりでもないし、多分描いてる方も意味こめてる時もあれば、ない時もあるはず。「

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「マティス 自由なフォルム」それは不自由から生まれる。

「マティス 自由なフォルム」それは不自由から生まれる。

自由はどこから生まれるのかな。

ごきげんよう、もくれんです。

ちょうどよく時間が空いたので国立新美術館の「マティス 自由なフォルム」を見てきた。(友人と見る約束をしているので、もう一度行く予定)

まだ始まって間もないが、既に評判がよく気になっていた展示だ。去年、東京都美術館でマティス展をやっていて、それもとても良かったのだけど今回は油絵というよりもマティスが描いた壁画や舞台芸術が来ていた。

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マリー・ローランサンー時代をうつす眼@アーティゾン美術館

マリー・ローランサンー時代をうつす眼@アーティゾン美術館

グレーの空だから、ちょうどいいね。

ごきげんよう、もくれんです。

東京はとても寒い、一面の曇り空でマリー・ローランサンを見るのにピッタリの1日でした。アーティゾン美術館で開催中の「マリー・ローランサンー時代をうつす眼」展に行ってきました。

私が持っていたマリー・ローランサンのイメージ

勝ち気でココ・シャネルと喧嘩した女。そんなイメージです。あのピンクとグレーの優しい絵の色調からは考えられな

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美は微力なれど。

美は微力なれど。

美の力で人々を圧倒してきた歴史がそこここに転がっている。

ごきげんよう、もくれんです。

美しさは本能的に魅かれるものなんだろう。赤子ですら美人に微笑む。私は美術館が大好きだけど、やっぱり美しいものを摂取しに行ってる感覚だ。好みかどうかはおいておいて、美しいものを見て無になることがひとつの幸せだから。そんなことを感じつつ、三菱一号館の芳幾と芳年を見てきた。その中に徳川綱吉を描いた作品があり、豪華

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諏訪敦展、眼窩裏の火事 に見る命の重なり。

諏訪敦展、眼窩裏の火事 に見る命の重なり。

週末は美術館三昧。

ごきげんよう、もくれんです。

府中市美術館は心理的距離があり中々足を伸ばさないのですが(駅から遠いところも含めて、めんどくささが勝つ)諏訪敦展は絶対行きたかったので行ってきました。なお私にとって同じく心理的距離が遠いのは千葉市美術館で総武線に乗る気合いが無いと行けないのだが、千葉市美術館はぼちぼち広いのでまだ気合いを入れれば行けなくはない。府中市美術館は常設も公園も混み混み

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ダミアン・ハーストの「桜」に向き合う。

ダミアン・ハーストの「桜」に向き合う。

卒論は「日本における美術鑑賞教育の現状と海外との比較」だった。

ごきげんよう、もくれんです。

ダミアン・ハーストの「桜」展を見に行ってきた。
実は、ダミアン・ハーストのことは全然知らなくて、過去の彼の作品を見ても日本で見たことあったか覚えてないくらいだった。展覧会でショートムービーでダミアン・ハーストのインタビューを聞いて彼がやりたかったことと今回の展示はあんまりリンクしてない気がした。作品全

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福田美蘭のまなざし

福田美蘭のまなざし

長距離移動するとだんだん客層変わる、それが電車というもの。

ごきげんよう、もくれんです。

福田美蘭展@千葉市美術館に行ってきました。

福田美蘭はご存命の現代アーティストで、完全オリジナル作品だけではなく名画のオマージュ作品もたくさん作っている。

2013年に開催された東京都美術館の個展で初めて作品を見て、美術作品を見て泣くという経験をしました。

いきなりボロボロ泣き始めた私を見て母が「ち

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ゴッホ展で心が潤った話。

ゴッホ展で心が潤った話。

コロナの影響で海外から絵が来なくて寂しい。

ごきげんよう、もくれんです。

カラバッチョをヴァチカンが貸さないことになったときクラクラしたんだが、ゴッホ展が無事東京にやってきた。ゴッホは特に好きでも嫌いでも無いのだが、ゴッホの映画を見たりテート・ギャラリー展のときはヒマワリを見に行ったり、ぼちぼち興味のある画家である。あらゆる画家たちがヤク中(モンドリアン)・アル中(ユトリロ)・メンヘラ(ムンク

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I was born as an artist.

I was born as an artist.

自分に言い訳する人生は、惨めさと交換で楽を手に入れる。

ごきげんよう、もくれんです。

六本木ヒルズの森美術館でアナザーエナジー展が開催中だ。

70代以上の女性芸術家16人にフォーカスした展覧会で日本・海外問わず現代を生きるアーティストたちのインタビュー動画と作品が展示されている。現代アートっていうのは、わかろうとするのがナンセンスというか解釈の正解がないものなので作品は解説を読みながら「そう

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FASHION IN JAPAN1945-2020展@国立新美術館

FASHION IN JAPAN1945-2020展@国立新美術館

時代の鏡をプレイバック、みんなの青春つまってる。

ごきげんよう、もくれんです。

国立新美術館で開催中のFASHION IN JAPAN1945-2020展に行ってきたので、まとめました!ちなみに館内のほとんどが写真NGなのでネタバレはほぼありません。(何をネタバレとするかって話ではあるけど。)

疲れない靴で行け!!!!!まずね、これを先に皆さんにお伝えしたい。

国立新美術館ってまぁまぁ広い

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シュミテクトがしみる哀愁。

シュミテクトがしみる哀愁。

タイトルは降臨するまで、しぶとく待つ。

ごきげんよう、もくれんです。

LINEのオープンチャットで「美術館好き」的なのに入っている。基本的にみんな「ここにいってきたよー」とか「緊急事態宣言でチケット取れたのに見れなくなった。涙」とか平和な美術トークに花を咲かせている。そこで新しく入ってきた(と思われる)人が「オープンチャットで仲良くなった人には個別で連絡取れるのかなぁ。一緒に美術館行きたいな。

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マーク・マンダースの不在展@東京都現代美術館

マーク・マンダースの不在展@東京都現代美術館

6月から美術館も再開し始めましたね。

ごきげんよう、もくれんです。

先日、東京都現代美術館で開催中のライゾマティクス展とマーク・マンダース展を見てきました。

マーク・マンダースのことは全然知らず「誰?」だったし「ライゾマティクス展に行くついでに見ようかな」くらいのテンションで見に行きましたが、断然マーク・マンダースのほうが良かったです。個人的には。

ライゾマティクス展は「テクノロジーってす

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渡辺省亭 花鳥画の極美

渡辺省亭 花鳥画の極美

久しぶりに美術館の話でも書こうかなと思います。

ごきげんよう、もくれんです。

渡辺省亭(わたなべ せいてい)展@藝大美術館に行ってきました。

完全ノーマークの展覧会だったんですけど、お友達が誘ってくださって久しぶりに誰かと行く美術館でした。

花鳥図がめちゃくちゃ上手な江戸~大正にかけて生きた日本画家だそうで、今回はじめて知りました。

と思ったら、赤坂迎賓館の七宝焼の装飾の原画は渡辺省亭だ

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What?How?Wow!佐藤可士和展

What?How?Wow!佐藤可士和展

佐藤可士和展@国立新美術館に行ってきました。

ごきげんよう、もくれんです。

広告とアート、果ては私がnoteとの向き合い方について深く考えるきっかけになる美術展でした。

アートはオナニーでもいい端的に言うと、改めて「アートはオナニーでもいい」と思った。というのも、広告≒商業デザインはセックスなんだよね。相手がいる。視聴者や消費者がイッてくれないと困るわけですよ。相手が広告を気になる、好きにな

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