わらびもち

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記事一覧

【小説】映画館にて

男:よし、行こう。掃除。掃除。   いやー、今日もいろんなもん落ちてるなー。 女:暗闇でもの食べるんですからそうなりますよね。 男:確かにな!   ポップコーンって…

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【小説】古書店にて

男:お前の欲しい本はここにはねえ! 女:なんですか?急に。 男:お前の欲しい本はここには売っておらんと言っておるのだ。 女:いや、私、あなたに欲しい本の話なんかし…

【小説】寄席にて

男:おい、姉ちゃん。   若い人が平日に珍しいね。 女:こんにちは。前から興味があったんです。 男:まあ、最近若い人も来るようになったが、   平日の昼間からってい…

【小説】デスクにて

男:俺は困惑している。   この会社に入って7年。   人事から経理に異動して1年。   すでに経理の仕事にも少しずつ慣れてきた。   先輩、後輩、年上、年下。誰と…

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【小説】美術館にて

男:あの? 女:はい? 男:突然話しかけて、すみません。   少しお話いいですか? 女:どうぞ。こちらへお掛けなさいな。 男:ありがとうございます。   私、この美術…

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【小説】理髪店にて

女:こんにちは。   あれ、ご主人は? 男:なんか家の中入って行ったよ。 女:あらそう。   中村さんの髪切ってる途中で行っちゃったの? 男:そうなんだよ。早く切っ…

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【小説】駅までの道にて

男:寒くなってきたな。 女:うん。そうだね。 男:いやー、受験まであと1年か。 女:そうだね。 男:俺たちも来年3年か。 女:そうだね。 男:前島、なんかいつもと違わな…

【小説】こたつにて

男:ちょっとティッシュ取ってくれ。 女:無理。取れない。 男:お前の方にあるんだから、取ってくれよ。 女:届かないもん。 男:ちょっとこたつから出て取ってくれればい…

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【小説】図書館にて

女:あら、高橋さんおはようございます。   今日はお早いですね。   いつもは夕方いらっしゃるのに。 男:今日からよ、朝来ることにしたんだ。 女:あら、どういう風の…

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【小説】ロッカーにて

男:志乃さん、今日もお疲れ様でした。 女:お疲れ様。 男:いやー、お化け屋敷のバイトってホント面白いっすよね。   人怖がらせてお金もらえるの、このバイトだけっす…

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【小説】お化け屋敷にて

男:暇っすねー。   まあ、こんな田舎の遊園地で、しかも今年一番の寒波の日っすからね。   お客さん来ないっすよね。   しかも、冬はお化け屋敷って感じじゃないっ…

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【小説】ゲームセンターにて

男:どうだ?進展は? 女:悪くないわね。あと1ヶ月ってとこかしら。 男:それはいいな。 女:ちょっと物足りないくらいだけど。 男:余裕ぶっこいてんじゃねえよ。   取…

【小説】ホテルフロントにて

男:どこにいるんだろう。 女:きゃっ! 男:あ!ごめんなさい。   前見て歩いてなかったもんですから。   あれ?   もしかして、美代ちゃん? 女:え? 男:やっぱ…

【小説】カレー屋にて

女:どう? 男:いまいちだなあ。 女:そっか。   カレーって難しいのね。 男:おいおい、オープン初日に言うなよ。 女:大丈夫。今日一日オープンして、お客さん一人も…

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【小説】カラオケボックスにて

男:すいません。そこ、ちょっといいですか? 女:あ、ここ?ごめんねー。はい。どうぞ。   あなた、コーヒー好きねえ。   さっきからコーヒーばっかり。 男:はあ。 …

【小説】社長室にて

女:竹本君、何してるの? 男:あー、梅さん。ちょうどいいところに来た。   書類探すの手伝ってくれる? 女:何?また社長から言われたの? 男:そうなんだよー。   …

【小説】映画館にて

男:よし、行こう。掃除。掃除。
  いやー、今日もいろんなもん落ちてるなー。
女:暗闇でもの食べるんですからそうなりますよね。
男:確かにな!
  ポップコーンって、意外と手からこぼれ落ちるんだよな。
女:高野さん!
男:ん?どうした?
女:これ。
男:ん?指輪だな。
  それにしても、でっかいダイヤだな。
女:これ、相当高いですよね。
男:本物だったら高いだろうなー。
女:あとで事務所に届けてお

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【小説】古書店にて

男:お前の欲しい本はここにはねえ!
女:なんですか?急に。
男:お前の欲しい本はここには売っておらんと言っておるのだ。
女:いや、私、あなたに欲しい本の話なんかしてないですよね。
  第一、 ふらっと寄ってみただけで、欲しい本なんてないし。
男:いや、お前には欲しい本がある。
女:もう、何なんですか?
  帰っていいですか?冷やかし失礼しました!
男:ちょっと待て!
女:もう、引き止めたいのか

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【小説】寄席にて

男:おい、姉ちゃん。
  若い人が平日に珍しいね。
女:こんにちは。前から興味があったんです。
男:まあ、最近若い人も来るようになったが、
  平日の昼間からっていうのは、滅多に見ないな。
女:以前、休日に来たんですけど、平日も見てみたかったんです。
男:ほう。それはまた何で?
女:私、お笑い好きで、いろいろ見に行ってるんですけど、
  寄席は独特なんです。
  「面白くない芸には絶対に笑わない」

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【小説】デスクにて

男:俺は困惑している。
  この会社に入って7年。
  人事から経理に異動して1年。
  すでに経理の仕事にも少しずつ慣れてきた。
  先輩、後輩、年上、年下。誰とでも、それなりに話せるようになった。
  そんなときになって、今更何だ?
  この胸の高鳴りは。
  係長。俺より二回りは年上と思われる女性。
  数か月前まで何ともなかったんだ。何とも。
  何かきっかけがあった訳じゃない。
  でも

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【小説】美術館にて

男:あの?
女:はい?
男:突然話しかけて、すみません。
  少しお話いいですか?
女:どうぞ。こちらへお掛けなさいな。
男:ありがとうございます。
  私、この美術館によく来るんです。
女:そう。私もよ。
男:ええ、そうなんです。私が来るときいつもいらっしゃる。
  それで、どうしても気になってお声かけさせて頂いたんです。
女:おほほほ。それはそうでしょうねえ。私、毎日来てますもの。
男:毎日で

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【小説】理髪店にて

女:こんにちは。
  あれ、ご主人は?
男:なんか家の中入って行ったよ。
女:あらそう。
  中村さんの髪切ってる途中で行っちゃったの?
男:そうなんだよ。早く切ってもらいたいんだけどよ。
  ところで、貴子さんは何の用だい?
女:町内会費の回収よ。
男:おお、そうか。
  大変だねー。
女:そうでもないわ。いい運動よ。
男:それにしても遅いな。
女:いつからご主人いないの?
男:かれこれ10分く

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【小説】駅までの道にて

男:寒くなってきたな。
女:うん。そうだね。
男:いやー、受験まであと1年か。
女:そうだね。
男:俺たちも来年3年か。
女:そうだね。
男:前島、なんかいつもと違わないか?
  ひょっとして、もう今から緊張してるのか?
女:そんなことないよ。
男:そうか。まあ、今から緊張しても仕方ないからな。
  リラックスしろよ。
女:だから、違うってば。

2人は黙る。

男:修学旅行、疲れたな。
女:そう

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【小説】こたつにて

男:ちょっとティッシュ取ってくれ。
女:無理。取れない。
男:お前の方にあるんだから、取ってくれよ。
女:届かないもん。
男:ちょっとこたつから出て取ってくれればいいだろ。
女:やだ。寒いもん。
男:今日はそこまで寒くないだろ。
女:それならあなたが取れば良いじゃない。
男:いや、もう俺、ミカンむき始めてるんだよ。
女:だから何なの?
男:ミカン、裸で机に置かなくちゃならないから。
女:どういう理

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【小説】図書館にて

女:あら、高橋さんおはようございます。
  今日はお早いですね。
  いつもは夕方いらっしゃるのに。
男:今日からよ、朝来ることにしたんだ。
女:あら、どういう風の吹き回しで?
男:今まで夕方に新聞見てただろ?
  俺なんか夜の10時には寝るからよ。
  ほぼ一日終わりかけに新聞見てることになんだよ。
  よく考えたらよ、そこからニュース見ても仕方ねえと思ってよ。
女:そうですか?
  それ言い出

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【小説】ロッカーにて

男:志乃さん、今日もお疲れ様でした。
女:お疲れ様。
男:いやー、お化け屋敷のバイトってホント面白いっすよね。
  人怖がらせてお金もらえるの、このバイトだけっすもんね?
女:違うわ。
男:え?他にもあるんすか?
女:そうじゃなくて。
  「怖がらせる」が違う。
男:そんなこと言って、志乃さん、今日も口裂け女で、
  お客をヒーヒー言わせてたじゃないですか。
女:お客様が勝手に怖がるの。
  口裂

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【小説】お化け屋敷にて

男:暇っすねー。
  まあ、こんな田舎の遊園地で、しかも今年一番の寒波の日っすからね。
  お客さん来ないっすよね。
  しかも、冬はお化け屋敷って感じじゃないっすもんねー。
  聞いてます?志乃さん?
女:お化けは喋らない。
男:志乃さんはプロっすねー。
  でも、口裂け女なら、少し話してもいいんじゃないっすか?
  人よりも口が大きいんだから。なんちゃって。
女:口裂け女が話すのは襲うときだけ

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【小説】ゲームセンターにて

男:どうだ?進展は?
女:悪くないわね。あと1ヶ月ってとこかしら。
男:それはいいな。
女:ちょっと物足りないくらいだけど。
男:余裕ぶっこいてんじゃねえよ。
  取れると思ったら取れないんだよ。
女:このUFOキャッチャーみたいに?
男:ああ、そういうことだ。
女:にしても、何でいつもここなの?
男:誰も俺たちに関心を持たないからだよ。
  みんな、自分が楽しむことしか考えねえ。
  それに爆音

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【小説】ホテルフロントにて

男:どこにいるんだろう。
女:きゃっ!
男:あ!ごめんなさい。
  前見て歩いてなかったもんですから。
  あれ?
  もしかして、美代ちゃん?
女:え?
男:やっぱり美代ちゃんでしょ!
  懐かしいなー。
  俺だよ、俺。田口。田口純。
女:田口君って、南小の?
男:そう!南小の同級生の田口!
女:本当に?何年ぶり?
男:小学生の卒業式以来だから、15年ぶりだよ!
  そっか、美代ちゃんも高木た

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【小説】カレー屋にて

女:どう?
男:いまいちだなあ。
女:そっか。
  カレーって難しいのね。
男:おいおい、オープン初日に言うなよ。
女:大丈夫。今日一日オープンして、お客さん一人も来なかったから。
  もはや開店日じゃないわ。
男:そうだな。
  それにしても美味しくないな。
女:何が足りないのかしら?
男:コクじゃないか?
女:あのさあ、ずっと前から思ってたんだけど、コクって何?
男:うーん、俺も分からん。

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【小説】カラオケボックスにて

男:すいません。そこ、ちょっといいですか?
女:あ、ここ?ごめんねー。はい。どうぞ。
  あなた、コーヒー好きねえ。
  さっきからコーヒーばっかり。
男:はあ。
  あの、失礼ですけど、ここで何されてるんですか?
  自分、ドリンクバー何回も来てますけど、
  ずっとここにいらっしゃいますよね?
女:ここが好きなの。
男:あの、まさかと思いますけど、
  無断で入って来てるわけじゃないですよね?

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【小説】社長室にて

女:竹本君、何してるの?
男:あー、梅さん。ちょうどいいところに来た。
  書類探すの手伝ってくれる?
女:何?また社長から言われたの?
男:そうなんだよー。
  さっき電話かかってきてさ。
  「書類忘れたから、駅まで届けてくれ」ってさ。
  もう、本当に毎回、毎回大変だよー。
女:本当にね。私が入る度に、机の上、ぐちゃぐちゃだからねえ。
男:そうでしょ?
  もう、梅さんから言ってやってよ。

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