【小説】図書館にて

女:あら、高橋さんおはようございます。
  今日はお早いですね。
  いつもは夕方いらっしゃるのに。
男:今日からよ、朝来ることにしたんだ。
女:あら、どういう風の吹き回しで?
男:今まで夕方に新聞見てただろ?
  俺なんか夜の10時には寝るからよ。
  ほぼ一日終わりかけに新聞見てることになんだよ。
  よく考えたらよ、そこからニュース見ても仕方ねえと思ってよ。
女:そうですか?
  それ言い出したら、その日のニュースがその日の新聞に
  載るわけじゃないから、キリがないんじゃないかしら?
男:松本さんも勘が悪りいなあ。
  新しいニュースを起きてから寝るまで、頭の片隅で考える。
  これが人生の楽しみじゃねえか。
女:そんなもんですか?
  私ならニュース考えるよりも自分自身が楽しいことしたいわ。
男:松本さんにはまだ分かんねえかな。
  自分のことより他人のこと考えてる方がおもしれえんだよ。本当はな。
女:まだピンと来ないわ。修業が足りないみたいですわ。
男:そうでもない。
  またまた、おかしなこと言うようだが、
  他人のこと考えてるのは自分だろ?
  結局、自分が一番楽しんでるんだな。
  だから、松本さん、あんたの言ったことは正しいんだ。
女:高橋さん、私、朝から頭痛くなってきましたわ。
  このままじゃ仕事できなくなりそう。
男:そりゃ、困るな。
  じゃあ、続きはまた明日だな。

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