【小説】寄席にて
男:おい、姉ちゃん。
若い人が平日に珍しいね。
女:こんにちは。前から興味があったんです。
男:まあ、最近若い人も来るようになったが、
平日の昼間からっていうのは、滅多に見ないな。
女:以前、休日に来たんですけど、平日も見てみたかったんです。
男:ほう。それはまた何で?
女:私、お笑い好きで、いろいろ見に行ってるんですけど、
寄席は独特なんです。
「面白くない芸には絶対に笑わない」っていう雰囲気が
ピリピリ伝わってきて。
男:まあ、そうだな。昔から通ってる奴が多いからな。
まあ、言い方を変えれば、
客のこだわりが強くなりすぎてるのかも分かんねえなあ。
女:でも、そんな場所、今となっては貴重だと思うんです。
休日もピリピリしてましたけど、観光客とか若い人も少しいたので。
平日の常連さんだけの時ってどんな感じなんだろうって。
もっとピリピリしてるのかなあって。
そう思って、楽しみに来たんです。
男:姉ちゃん、あんた変わってんな。
でも、面白れえな。
女:ありがとうございます。
男:さあ、そろそろ始まるぞ。
まさに真剣勝負だな。
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