【小説】ホテルフロントにて
男:どこにいるんだろう。
女:きゃっ!
男:あ!ごめんなさい。
前見て歩いてなかったもんですから。
あれ?
もしかして、美代ちゃん?
女:え?
男:やっぱり美代ちゃんでしょ!
懐かしいなー。
俺だよ、俺。田口。田口純。
女:田口君って、南小の?
男:そう!南小の同級生の田口!
女:本当に?何年ぶり?
男:小学生の卒業式以来だから、15年ぶりだよ!
そっか、美代ちゃんも高木たちの結婚式呼ばれたんだ。
美代ちゃん、夏子と仲良かったもんねー。
女:えっ?
高木君の結婚式なの?
男:え?そうだけど。
美代ちゃんそれでここにいるんじゃないの?
女:私は家族と旅行で。
男:え?そんなにドレスアップして?
女:ああ、これ?
これから主人と子供とランチに行くから。
男:へえー。リッチな生活だなあ。
っていうか、結婚してるんだね!
女:ええ。まあね。
それより、夏子の名前が出てきたけど。
男:う、うん。高木の結婚相手が夏子なんだ。
女:そうなの。
男:ごめん。てっきり、美代ちゃんも呼ばれてると思って。
女:良いのよ。今だから話すけど、別にそんなに仲良くないのよ。
男:えっ?だって、ずっと一緒にいたじゃん。
女:女はずっと一緒にいたからって、親友ってわけじゃないのよ。
男:そうなんだ。
女:だから、気にしなくていいわ。
それより田口君が元気そうで良かったわ。
それじゃあね。
男:うん、それじゃあ。
男はその場を離れる。
女:男って本当に単純ね。
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