未来の上司が最高か最悪かどうかを見抜く方法
今日は少し面白い話しをしたいと思います。
就職面接は、自分と自分のスキルや人間性を売り込むと同時に、相手企業や将来の上司を評価するという、微妙なバランスの上で行われるイベントです。
こうやって書くと、なんか面白いですね。笑
まぁご存知の通り、ホワイト企業、ブラック企業なんて表現も存在しますし、ホワイト企業だからといって、中にはブラックな働き方をしている人もいれば、ブラック企業なのに、ホワイトな働き方をしている人もいるのが現実です。
多くの人が理解しているとおり、たとえ「憧れの仕事」に就けたとしても、ひどい上司の下で働くことになれば、毎日が悪夢と化してしまいますよね。
では、目の前の相手がどのような上司になりそうかを簡単な質問で判断できるとしたら?
今日は私が人事としてのキャリアやコーチングを学んできた中で、これは使える!と思ったとっておきの技術をお伝えします。
1、未来の上司が良い上司かを見抜くたった一つの質問
どんな質問か気になった方が多いと思いますので、結論から先に書きます。
最終面接や、面接で役員や採用の責任者が出てきた時にぜひ聞いて欲しい質問があります。
それは、
あなたが今までに採用した中で最も成功した人と、その人が成功するために何をしたのかを教えてもらえますか?
これです。
たったこれだけです。
この質問の意図ですが、相手がどのような人を雇おうとしているかがわかります。
たとえば、その未来の上司が、会社のワークライフバランスを自ら絶賛していたとします。
そこであなたがこの質問をすると、
「私が雇用した中で最も成功したのはOOさんですね。彼は朝早く出社して夜遅くまで働き、週末も仕事をしていて、いつでもメールや電話に答えてくれます。彼は私のために何でもしてくれるんです」と答えました。
さて質問です。
この会社が本当にワークライフバランスが素晴らしい会社だと思いますか?
思いませんよね。
この質問をしたことで、未来の上司がどんなことを評価し、称賛するかが明らかとなりました。
つまり、あなたがその会社で成功し、昇給や昇進を得るために何をしなければならないかも予想がつくということ。
たったひとつの質問から、非常に多くのことがわかるわけです。
2、「人を見抜く」ということの意義
おそらく「人を見る」ことについて
・どんなに頑張っても他人の本当の能力なんてわからない
・なかなか見極めるのは難しい
・自己流になるのはやむを得ない
そんな風に諦めている人が多いのではないでしょうか。
しかし、ここで一歩引いて考えていただきたいです。
人事の目線で言うと、人の見極めは、その後の社運や、ひとりひとりの人生を左右するほどの大きな影響を与えかねない、とても大事なアクションです。
個人でもパートナー選びなんかは人生を左右しますよね。
ところが多くの人が、それを経験則や勘に頼っています。
それもまた人生。と笑い飛ばすことは簡単ですが、大きな視点で俯瞰して見ると、ミスチョイスの繰り返しは、一人の人生に留まらず、社会経済全体における大きな損失ともいえます。
3、人を見抜きたければ人間性を見るしかない
僕が採用面接で最重視している部分でもあります。
「人間性」
なので、めちゃめちゃ実績がすごくても、人としてどうなの?という部分がある人は基本的に採用しません。
だから履歴書や職務経歴書は軽く目を通すくらいしか見てないです。
あんなに書き方を教わってしっかり書いたのに!
って人もいるでしょう。
でも考えてみて下さい。
履歴書とか職務経歴書から見えるものって、その人のスキルとか能力の部分なんですよ。
そう。
人間性の部分はほぼわからないんです。
めちゃめちゃ丁寧な字で書いたとしても、誰かが書いた可能性もあるし、実績や自己PRなんてもしかしたらコピペかもしれないわけじゃないですか。
だから、面接では、この人はどんな人間なのかを徹底的に引き出すようにします。
しかし、残念ながら、ほとんどの面接は、この部分を見ないで終わる面接が多いです。
履歴書見て、職務経歴書見て、志望動機聞いて、自己PR聞いて、いっちょ上がり!みたいな感じで。
こんなの意味ないですよね?
恋人を選ぶときに、どこで何してかだけ聞いて、付き合う人いますか?
この人はどんな人間なんだろうって思いませんか?
レストラン行ったら、店員さんにすごく笑顔で優しくしてたな〜
この人は思いやりのあるいい人だなぁ〜、とか思いませんか?
恋人や友達選びではみんなやっているはずなのに、人生の質を決めるともいう仕事でそれをしてない人が大勢いるんですよ。
だから僕はこのブログを書きました。
4、人選びで大事な3つのこと
これも結論から言います。
その3つとは、
・コピテンシー
・ポテンシャル
・エネルギーの源泉
これです。
たったこれだけです。
これさえ気をつければ、人選びで間違えることは基本ないと言えます。
この3つを簡単に説明します。
①コピテンシー
これは、その人が「どんなシチュエーションで、どういうアクションを取りがちか」という、固有の行動パターンのことです。
相手のコンピテンシーがわかると何が良いかというと、相手の「将来の行動を予測」するのに使えるということです。
コンピテンシーを見抜くための必須技術があります。それは「エピソード・ベースのインタビュー」です。詳細は割愛しますが、相手の「意見」ではなく「取った行動=ファクト」にフォーカスし、知りたいコンピテンシーに関する話題が出てきた際に行動を掘り下げていくことが重要となります。これによって、相手のことをより立体的に理解することができます。
②ポテンシャル
人は「変わりやすい部分」と「変わりにくい部分」があります。
コンピテンシーはどちらかというと、物心がついてから、学習と体験を通じて形作られるもので、変化していくものです。
ポテンシャルは、いわば「伸びしろ」の部分になります。
「伸びしろ」について、スイスにある、世界最高のヘッドハンティングカンパニーでもある、エゴンゼンダーがハーバード大学などとともに長年科学的にリサーチし、2014年に初めて世界に公表したコンセプトがこれから解説する「ポテンシャル・モデル」です。
下記図は人の器=ポテンシャルの大きさ、伸びしろは「好奇心」「洞察力」「共鳴力」「胆力」の4つの因子で測ることができると表しています。
「好奇心」
→新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと、学習と変化への開放性
「洞察力」
→新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ
「共鳴力」
→感情と論理を使って、自身の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人々とつながろうとするエネルギーの強さ
「胆力」
→大きなチャレンジがある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つこと
ここで注意してもらいたいのは、見るべきは能力ではなく「エネルギー」だということです。
ここでいうエネルギーとは、元気で声が大きい、気合が入っているなどの類の「出力」を指すものではなく、本人からすると無意識で、時に無自覚に、自然と沸き起こる「熱量」のようなものです。
そして、好奇心、洞察力、共鳴力、胆力の4モデルごとに相手を掘り下げて、全体のエネルギーレベルを統合し評価すると、器の大きさが測れます。それによってその人の「ポテンシャル=伸びしろ」が見えてきます。
③エネルギーの源泉
これは、人間の無意識が一番働く部分といえます。
そして、ヒリヒリするような頑張りを生む力。それは「使命感」であり、「劣等感」です。
これは稲盛和夫さんの本に書いてあったんですが、「考え方×熱意×能力で人生と仕事の結果が変わる」と言う言葉があります。
その「考え方」の部分に近いものかもしれないです。
わかりやすい例で言うと、若い頃に、大事な人を病気で亡くしてしまった経験をしている人が、医者を志すようになる。
これが一番わかりやすいかと思います。
自分は大きくなったら、この病気にかかっている人を一人でも多く助けるんだ!ってやつです。
このエネルギーが無意識に働いているので、どんなことがあっても医者になることを諦めないですし、絶対に医者になるんだというマインドセットになっているわけです。
この人は医者になぜなりたいんだ。
この「なぜ」の部分を具体的に掘り下げれれば、この人はこういったエネルギーを心に持っているから、医者になりたいんだな、というのがわかるんです。
5、最後に
今、皆さんが働いている会社、通っている学校など、自分で決めて入ることを決めたはずです。
なのに、環境に慣れてくると不平不満を漏らすようになってしまいます。
そのコミュニティーに所属している限り、成長していくとその上司が歩んできたプロセスを歩むことになるのでそうなるのは当たり前です。
会社内に尊敬する上司や先輩などはいらっしゃいますか?
いると答えられる人は本当に幸せな人ですが、そういった人ばかりではないのではないでしょうか?
では、どうするべきか?
自分の未来を変えたいなら、自分から変えなければいけません。
上司に尊敬できる人がいないなら、上司が変わるのを待つのではなく、自分が変わるしかないんです。
会社や環境を変えるのも手段の一つです。
自分が今、受けている会社の面接官が自分の未来だとしたら、一緒に働きたいと思うかどうか。
働いている会社の上長が自分の未来の姿だったら。
あなたはどうしたいですか?
1度きりの人生。
自分がどうなりたか、どうしたいのか。
ここを常に心に入れておけば、自分らしい、ありたい姿に向かっていけます。
ぜひこれを読んだみなさんの人生が豊かになっていくことを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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