皆々様に厚く御礼申し上げます。
こんにちは。
現役大阪芸大生、瑞野蒼人です。
さて、去る3月6日(日)を持ちまして、今年の大阪芸術大学グループ卒業制作選抜展が閉幕しました。私の学長賞受賞作品『テレビドラマ脚本「素直」』も、大きなトラブルに見舞われることなく無事に展示を終えることができました。本日私も会場の撤収を行っております。
2月13日の大阪芸術大学卒業制作展の開幕以来、通算で2週間。この会期中に芸大やハルカスへご来場いただいたみなさま、「素直」を手に取って読んでいただいたみなさま、ネット上で応援や祝福のコメントをくださったみなさま、そして遠方でご来場が叶わなかったみなさまも、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
さて、今回は来場者限定で聴くことができるラジオコンテンツをふたつご用意しておりました。ひとつは、作品の一部分を抜き出して瑞野自身が再構成した「ラジオ朗読劇・素直」。そしてもうひとつは作品の制作秘話を語り尽くす「オーディオコメンタリー・making of 素直」。こちら2つも、期間中の総再生回数は241回を数え多くの方から高評価を頂きました。
現在はラジオコンテンツも非公開となっておりますが、noteで応援して頂いている皆様にどうにかして聴いていただける機会を提供したいので、調整を進めております。もしかしたら「素直」の作品全編もnoteで公開するかもしれません(無料だとちと厳しいかもしれませんが)。ぜひ今後もこちらのnoteをチェックしていただければと思います。
学長賞の受賞が決まってから卒業制作展の開幕までなんと1ヶ月強!この間に、展示の準備や取材の対応をすべて一人でこなさなければならないというウルトラハードな状況。しかも、学科内で脚本での学長賞受賞の前例はほぼ無し!準備は完全に手探りの状況でした。しかし、それでも会場に来ていただけるみなさんに、どうすればこの作品を魅力的に感じてもらえるのか。読みたい!と思ってもらえるか。そのことに徹底的にこだわって準備をしてきました。その準備が実を結び、こうして無事に卒業制作展を終えることができたことに心から感謝をしています。
一方、この期間中に、私も多くの収穫を得ることができました。私と同じように会場に展示されている優秀作の作者の方々とレセプションの時や展示スタッフの当番日などにお話する機会がありました。私自身も、頑張って作品への想いを沢山の方に語らせていただきました。みなさんそれぞれ、確固たる作品のコンセプトや意図を持っていて、それを語り合うことによってまた新しい刺激を貰えるのがありがたかったです。制作したコンテンツの種類も、使用している材質も、学んでいることすらバラバラなのに、気持ちや意図をすぐに分かり合えるって、なんだか不思議な気持ちです。
何というか、受賞作はどれも「獲るべくして獲ったんだな」という、風格じゃないですけどオーラみたいなのを常々感じていて。で、作者のみなさんの顔を見ていろいろお話を聞いているうちにその気づきはどんどん確信へと変わっていきました。みなさん、心の底から自分の作品に誇りを持っていて、芸術を謳歌することを楽しんでいる。その前のめりな姿勢に芸術の神様が応えてくれたからこそ、みなさんこうして受賞できたんだろうなと今は思っています。
そして最後に、大事なことを。
今回受賞が叶わなかった作品の中にも、本当に素晴らしい作品はたくさんあります。私もできるだけ多くの卒業制作や論文や脚本を目にして学びたいなと思い、自分の学科の展示に足を運んでひたすら読みまくっていました。どれもパワーを感じる作品ばかりで、ただただ圧倒されていました。なぜこれが受賞できなかったのか、という疑問の連続でした。
あるとき、同じ芸大生で「自分は社会性も無く、意味もない、無駄な作品ばかりを作っているし・・・」と話してる人がいました。その人に、私はこう言いました。「意味なんて無くていいんですよ。社会が混乱しているとき、人はきっと心を痛める。その痛めた心を安らげる、拠り所が芸術なんです。だから私たちは誇りを持って無駄なものを届けていくべきなんだ」と。一番芯を食った言葉だったんじゃないかな、と思い、誠に手前味噌ながら載せてみました。
そう。私たちは意味ある物ばかりを作るわけじゃない。意味の分からないもの、見いだせないものにだって芸術を感じている人間が居て、感じてくれる人間がいて。だからこそ、ここまでひたむきに芸術を極めてこれたんだ。だから、もっとたくさんの人の人生を彩るために、あえて無駄なことにがむしゃらに突き進んでいきたい。
そんな風に今、強く思っています。
たとえまだ日の目を浴びずとも、このまま芸術の世界から去って行こうとも、私たちが学んだ足跡はしっかりと大学の中に刻まれていきます。ですから、もし仮にみなさんの子供が、あるいは知り合いが、芸術大学へ行きたい!芸術の道を歩みたい!と言ったときは、ぜひ背中を押してあげてください。私が保証します、芸大で学ぶ4年間は「人生の無駄」なんかにはなりません。
改めて、この作品を応援してくださったすべてのみなさんに伝えます。ありがとうございました。そしてこれからも、物書きの端くれ・瑞野蒼人をどうぞご贔屓によろしくお願いいたします。
おしまい。
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