【テーマ別おすすめ本】 アメリカのアニメ業界を学べる8冊
コンテンツビジネスを考えていくうえで、「王者」アメリカのアニメ業界を知ることは欠かせません。
近年何が起こっているのか、どこに向かおうとしてるのか、ということはもちろん、
これまでの歴史も把握しておくことも肝心だと考えています。
そんな時に大いに役立つ、おすすめの本を紹介していきます。
■昨今のディズニーの動向が一冊で把握できる
まずお薦めなのは、
2020年2月にウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOを辞任して世界中を驚かせたロバート・アイガーさんの自伝書『ディズニーCEOが実践する10の原則』です。
うすっぺらい自己啓発本みたいな邦題が残念ですが、
実にエキサイティングで得るところが多い一冊です。
PIXAR、MARVEL、ルーカスフィルム、フォックス…と名だたる巨大エンタメ企業の総額9兆円に及ぶ買収劇が次々と繰り広げられていきます。
しかも、その当事者トップが自ら語っているのです。
昨今の動向を知る上で、これに勝る入門書はなかなかないのではないでしょうか。
■PIXARの成長を会計の視点から理解する
上記の本で大まかな流れを把握したら、
次におすすめなのはこちら。
著者は
<シリコンバレーの弁護士から会社経営に転じたあと、1994年、スティーブ・ジョブズ自身から声をかけられ、ピクサー・アニメーション・スタジオの最高財務責任者兼社長室メンバーに転進。
ピクサーでは事業戦略の策定とIPOの実現を担当し、赤字のグラフィックス会社だったピクサーを数十億ドル規模のエンターテイメントスタジオへと変身させた。のちにピクサーの取締役にも就任している。>
という経歴の方。
クリエイティブと、ファイナンス戦略の両立、
という難しい課題をどう乗り越えていくのか、
ヒントに満ちています。
■PIXARの創造性の秘訣を知る(参考程度に)
同じPIXARでも、こちらは、ピクサー・アニメーション・スタジオ共同創設者による著書。
クリエイティブの視点から書かれたものです。
ただし、「納得はするけど、
ここに書かれてることを生半可にマネると危険じゃないかなあ」
と感じます。
参考程度にすることをおすすめします。
■アメコミ界の伝説だけど、親近感を抱けるオッサン
日本ではPIXAR買収ほどのインパクトはなかったかもしれませんが、
個人的には、ディズニーによるMARVEL買収のほうが衝撃でした。
そのMARVELがどのように生まれ、どのように発展していったのか、
スタン・リーというアメコミ界の巨匠の生涯を追うことで理解することができます。
スタン・リー自体にあまり興味がない人には、ちょっと冗長に感じられてしまうかもしれません。
けれども、日本において、「クリエイティブ面で参考にする」目的ならば、上記PIXARの本より、こちらのほうが向いているように思います。
PIXARのエドは、常人離れした感を受けてしまうのですが、
MARVELのスタン・リーは、「エンタメ業界には、こういうオッサンいるよなー」と親近感を感じられるのではないかと。
■日本からディズニーやPIXARをどう見るか
上記はいずれも著者はアメリカ在住者です。
日本からディズニーやPIXARをどう見るか、
という視点で参考になるのはこちらです。
アメリカの2010年代のポップ・カルチャーを細かく分析した一冊です。
アニメに関する記述は少ないですが、
アメリカのポップ・カルチャーがどのような土壌で生まれているのか、
日本人が理解するには適した本だと思います。
この本については、以前の記事も参考にしてみてください。
■日本はハリウッドでどう奮闘したのか
「アニメ」ではないですが、日本人がハリウッドにおいて、どういう立ち位置なのか、ということを把握するにはこちらがおすすめです。
日本人初のハリウッド経営者として奮闘した野副 正行さんによる著書です。
そして、アメリカ人の視点からだと、コロンビア映画の買収はどう見えるのか、というのが参考になりそうなのがこちら。
(この本だけは未読です)
■王者ディズニーのDNAを知る
そして最後におすすめするのが、ディズニー帝国の祖、
ウォルト・ディズニーの軌跡を描いた一冊です。
王者ディズニーはいかにして誕生し、
どのように苦境を乗り越えてきたのか、知ることができます。
そのDNAが今のディズニー、
そして、アメリカのエンターテイメント全体の基盤となっていることが、よく理解できます。
以上8冊が、アメリカのアニメ界を理解するうえで
私がおすすめする本になります。
私もまだまだ全然勉強が足りないですし、
なにしろ、日々、激変が続くアメリカのエンターテイメント、
常にアップデートが必要です。
また機会があれば、おすすめのウェブ記事などもまとめてみたいと思っています。
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