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スマホ教室大増殖計画③

「スマホ教室の未来」について書く。
と言っておきながら、なかなか未来について書こうとしない三宅です。

これまで、
・これからの地域戦略
・高齢者×テクノロジー
・高齢者×若者
・スマホ教室の始め方
について書いてきました。

さて、いよいよ、僕の思い描いている「次の未来」について書いていきます。


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スマホ×若者、スマホ×高齢者


スマホが日本に上陸して約10年。

確か僕の記憶が正しければ、2010年くらいからじわじわ広まっていきましたが、当初は、「スマホは日本では普及しない」という考え方が支配的だったように記憶しています。

多くの評論家や、IT系の起業家ですら、そういった論調が多く聞かれました。

しかし、その予想は見事に外れ、今や僕たちの生活はスマホ無しには語れません。

IT系の企業だけでなく、多くの企業が、スマホのUIに合わせたサービスを次々と展開し、巷ではスマホのゲームが何十億円、何百億円という価値を生み出し続けています。

僕たちの生活は劇的に変化しました。

特にデジタルネイティブ以降の世代にとっては、スマホのある生活がスタンダードで、スマホのない生活は、よもや浮世離れしているとも言えるでしょう。


では、僕たち「若者世代」は、いつまでスマホを使い続けるのでしょうか?

10年後は使っているでしょうか?

使っている可能性もゼロではないでしょう。

しかし、使っていない可能性も十分にありえます。

ある調査によると、「共通デバイスはスマホが最後」というような議論もあり、AR・VRの登場により手のひらサイズの長方形のデバイスが間も無く終焉を迎えるとの予測もあります。
すでに、AIスピーカーの普及により、”スマートホーム”のようなものも登場しています。

もしそうであれば、若者にとっての「スマホの世界」は、もう間も無く終わります。少なくとも今生まれてきた子供は、「スマホは時代遅れ」の時代を歩む可能性の方が多いかもしれません。


「スマホが終わるのはいいけど、高齢者は??またVRとか覚えるの??」

ここで出てくる問題は、スマホ×高齢者はどうなるんでしょうか?

例えば、10年後、若者の世界からスマホが消えると、高齢者の世界からもスマホは消えるのでしょうか?

現時点での僕の答えは「NO」です。

今70歳の高齢女性が、今スマホに乗り換えたとします。
基本操作・LINEを覚えて、そこそこ使えるようになるのに、半年〜1年。
不自由なく使えるようになるのに2年。
新しいアプリに挑戦し、慣れる、不自由なく使えるようになる期間を、1つにつき半年の期間と見立てると、
「現代の情報リテラシー低めの若者レベル」程度に使いこなせるようになるのは、5、6年はかかります。(実際の例:パソコンとタブレットを使える70代男性は、スマホを使い始めて2年3ヶ月、いまだにLINEが使えません。)

これらの理由から、おそらく10年後15年後もスマホが残り続け、高齢者のインフラであり続ける可能性は大いにあります。

前提として、「世代間の分断」を言いたいわけではないのですが、
「デバイスによる緩やかな分断」は起こりうると思います。

2012年ごろ、若者のほとんどがスマホを持ち始めた頃、高齢者はガラケーかあるいは、ガラケーすらまともに使えていませんでした。

このように、世代(もしくはITリテラシーの違い)により、使うデバイスにおける「時間軸」には差が生まれてきます。

”スマホとガラケー”だったものが、”AIスピーカー端末とスマホ”になるかもしれないし、”VRとスマホ”になるかもしれないです。

そして、僕はこうなった状況を”悪い”とは思っていません。
デバイスの違いによる分断は生まれますが、ソフトウェアつまり、中身に関しては、ジャンルのことなるデバイス同士が繋がるようになるのではと思います。

とすると、
「VRデバイスの孫と、スマホのおばあちゃん」のような世界観が実現してきます。
5Gの普及により、情報伝達の処理能力が飛躍的に向上することも考えると、この世界観はあながち大きく的外れでもないのかもしれません。


高齢者と地域


これまでは、画一的に”固定電話”か、”ガラケー”が高齢者の自宅に設置してあり、それらを通じて、地域や社会との接点を持ってきました。

ある、地域包括の方にヒアリングしていたところ、
社会保障のセーフティネットに引っかからない高齢者には、一件ずつ電話をかけたり、一年に一度のペースで訪問や聞き取り調査をしているとのことでした。

もし、高齢者の多くがスマホを持ち、SNSを使い、様々なサービスで生活を賄うことができれば、こうした地域包括の取り組みも多くが削減され、より実生活に根ざした行政サービスや制度を作って行くことができる”余裕”が生まれるのではないでしょうか?

もちろん、小さな取り組みは、住民の生活実態に寄り添いつつ、ソリューションを提供していくという意味では、効果を発揮するかもしれません。

しかし、ハード面である、生活環境そのものを変えていくためには、どこかで「ガラガラポン」をしなければ、多くない未来、市民生活は破綻します。もうすでに破綻している部分もあるでしょう。

「行政からの通知は全てLINE@でやります!」
「介護保険や医療保険は全てFacebookでやります!」
「配食サービスは全てアマゾンか楽天かウーバーイーツからお願いします!」

こんなことを言い出す自治体が出てきても面白いかもしれません。


「スマホが使えない、変えない高齢者はどうするの!!!」

こんなことを言い出す人もたくさんいるでしょう。

でも、「デメリット」は挙げればキリがありません。

どんな便利なサービスにもデメリットはあります。

それよりも、目的である「幸せに市民生活を送る」ためには、本質的に何をどうすればいいのか。
真剣に考えるタイムリミットが迫ってきています。


少子高齢化、人口減少。

こんなことは1970年代から明確に予測されていたはずです。


あなたは、これ以上少ない若者に働かせますか?

あなたは、これ以上高齢者×スマホから目を背け続けますか?


ほんの少しの優しと、ほんの少しの勇気を持った方々と、これからの未来を一緒に作っていきたいです。





終わり。


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