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ガン患者とその家族の生活

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病院は3か月までしか居られない!?療養型病院とホスピス #17

病院は3か月までしか居られない!?療養型病院とホスピス #17

2010年1月4日に入院してから1か月半が経った頃、病院からこう言われました。
「転院先を探してもらえますか?うちの病院は療養型病院と言って、3か月までしか居られないんです。」

ん??
え??なんで??

意味が分かりませんでした。というのも、入院できる期間に上限があるなんて思ってもみなかったからです。

「療養型の病院」とは「治療して元気になって、退院してもらうことを前提として運営されている」

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自力で起き上がれなくなったお正月 #16

自力で起き上がれなくなったお正月 #16

家族全員がそろって迎えた2009年12月のクリスマス。

クリスマスは家族の日なので、お家で皆とゆっくりご飯を食べるという過ごし方が一番スキです。ケンタッキーのチキンバーレルに憧れています(*'▽')笑
ですが、うちは少人数なのでバケツは買えませんww

そのままゆっくりと冬休みの時間が過ぎ、無事に年を越せたと思ったのも束の間、、、。
2010年1月4日、母の体調が悪化し、救急へ行きました。
この

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ご存知でしたか? 介護休業という選択 #15

ご存知でしたか? 介護休業という選択 #15

「介護休業?なにそれ?」
社長が提案してきてくれた事で、私は初めてその制度の名前も存在も知りました。

今回は、「介護休業について」と、「それを利用した私はどのような生活を送っていたのか」をお話しします。

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あなたはご存知でしたしょ

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器の大きさに感動!社長の神対応 #14

器の大きさに感動!社長の神対応 #14

生活保護の母と弟。会社と病院を往復する毎日。
周りに頼れる大人は居ない。

そんな中、当時、私がどんな生活を送っていたのかについてお話しします。

お医者さんから「1年以内にやりたい事は全てやっておきなさい」と言われたのが、2009年6月。
その時、母は再び腸閉塞で2週間入院しました。
会社にその旨を伝えると、2週間、私は「リモートワーク」させてもらえることになりました。

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最後のディズニー旅行 「また来年」はもう二度と来なかった #12

最後のディズニー旅行 「また来年」はもう二度と来なかった #12

「1年以内にやりたいことはやっておきなさい」とお医者さんに言われたことで、私と母と弟の3人で東京ディズニーランドへ行くことに決めました。
私は仕事を平日に休めなかったので、旅行の日程は9月のシルバーウィークになりました。
シルバーウィークという言葉が使われ始めたのは、ちょうどこの年からだったと記憶しています。

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家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 後編 #8

家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 後編 #8

自己破産はちょっと待って!!!
そう思って、担当弁護士に話をしに行った。

私は率直な気持ちを打ち明けた。
「母は自己破産しようとしているが、もうちょっと手続きを待ってくれませんか。私は自己破産してほしくないです。」

弁護士さんからはこのような返答が返ってきました。
「お母さんは、娘さんやご家族に迷惑をかけないように、って思ってやってるんですよ。
それに、自己破産した血縁者が居るからといって、信

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家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 中編 #7

家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 中編 #7

生活保護を受けると、毎月必ずお金がもらえる。
その確実性が、家族も一番安心できるんじゃないかな、と当時私は考えました。

また、正直に言うと、私のキャリアやプライベートを全て犠牲にして、
弟(=甥)が成人するまでの生活を、一人で成し遂げられる「覚悟」が決まらなかった。
これまで多くの事を小さい頃からすでに犠牲にしてきているし、大学を出たら自由に自分の思う通りに生きれると思って必死に大学に入り、卒業

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家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 前編 #6

家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 前編 #6

母が再び腸閉塞で緊急入院。

そして、、、ガンが再発しました。
お腹全体に転移している、と。

【腹膜播種】というガン。(内臓全体を覆っている膜があり、その膜の事を腹膜という。腹膜内全体に種まきのように散らばっている状態のガン。)

もう母も体力的に限界が来ていて、仕事を続けるのが難しくなっていた。
ここにきて再発という事を聞き、精神的に参ってしまったのだろう。
「もう仕事辞めてもえぇやろか?」

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再発!?その時家族の生活は #5

再発!?その時家族の生活は #5

ANAを退職して2か月後、仕事から帰ると母が苦しそうに部屋から出てきて喋るのもできない状態。
「救急車呼ぶ?」と聞くと、頷いた。

夜中の12時頃だったと思う。家から徒歩10分のかかりつけの病院。
弟は寝ていたので一人家に置いてきたが、8歳の子供を一人にしている事も心配になりながら、救急からの所見を病院内の閑散とした椅子で一人待つ。人はもちろん誰も居ない。

「再発!?」

その二文字が頭によぎり

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