マガジンのカバー画像

毛遊び

33
川柳、狂歌、ときどき琉歌集。 「もうあしび」と読みます。 若者がビーチで歌い踊り語らいまぐわいます。 やなすけべーぐわが詠みました。
運営しているクリエイター

#俳句

立冬

立冬

・立冬にアシナガバチがいるお庭
(温暖化)
・治療後の歯沁み疼く朝の水
・皿洗い温水に変え立冬の候
・初褞袍初炬燵にて初御田
(11月中旬、どてら、こたつを出し、おでんを食す)
・木枯らしに洗濯物が舞い踊り
・冬朝日くすんだ街を白く染め
・立ちションの後のブルルに冬感ず
・冷え込みに身もペンデレも縮む朝
(pendere=垂れ下がった、ラテン語)

・行き果てて仕末の紙に届かぬ手 繋がったまま横移

もっとみる
初体験

初体験

・ドッキドキ文学フリマ初体験
・設営の椅子と机を飄々と運ぶ女子らの頼もしさ
(撤収においても。ボランティアから参加しました)

・来場者拍手で迎え「さあ売るぞ」
・会場を流れる人のずっと途切れず
・外ピューピュー内ムンムンの流通センター
・我がブース素通りしないで寄ってって
・「これください」「はい!(やった!売れた!)」初めての喜びくれた彼女に感謝
・お隣の「完売」横目に我が本の減らぬ平積み恥ず

もっとみる
秋なのに…

秋なのに…

・桂秋の香りほのかに朝散歩
・秋の香を台無しにする迷惑煙草
・「あっちいけ!」くゆる紫煙に金木犀

・オリオン座見上げて深く息を吸う

・庭いじり邪魔する蜂が一、二匹
・天高く泡立草繁る休耕田
・霜降月 街は色づくのに夏日

・古本を大量に買う文化の日

・コロナ減りインフル猛威マスク外せず

・市民の声は聞きません、けど都の声は聞く三井不動産
(9月29日、神宮外苑の樹木伐採延期)
・神宮の杜も

もっとみる
虎を詠む 2023年④ CS激闘編

虎を詠む 2023年④ CS激闘編

・全国の夜にこだます六甲おろし
・三日月も虎に微笑む甲子園
・船橋の花火も祝う初戦V
(10月18日、初戦タ4-1か、CS突破へあと2勝、この日、船橋市では4年ぶりの花火大会)

・サヨナラだ!鉄腕強打にわく聖地
・「明日決まる」恐怖の8番大予言
・聖地にて聖也がサヨナラ決めたから聖夜になった十月十九日
(10月19日、第二戦タ2-1か、CS突破へ王手)

・「あと一人」「あと一球」歓喜渦巻く甲子

もっとみる
虎を詠む 2023年③  消化試合編

虎を詠む 2023年③ 消化試合編

・高津が謝罪、でも行動が伴わなければ、ただの口先や
(9月23日、タ9-3厄)

・出銭(でぜに)ばかりの「3位」にうま味なしと、落合さんがサンモニで言っていた
(9月24日、タ0-0ど、横Gがプレーオフ3位争い)

・ウサギさんお池のコイに餌をあげ囧
(9月25日、試合のないカープ、Gが負けてCS進出が転がり込む。日頃の行いがいいけんのう。そうじゃろ、おぬし)

・出銭ばかりの3位には興味なし?

もっとみる
虎を詠む 2023年①

虎を詠む 2023年①

・デイリーの虎の尻尾は勝利の狼煙

・村神様 昔ヤクルト 今阪神
(4月29日、タ7-0す、「毛遊び ならず者国家に住む」収録)

・夏の夜にトラ18年ぶりM点灯(8月16日、タ5-3か、M29)

・大山打!サヨナラ打!貯金25(8月22日、タ4-3ど、M25)

・適時打もアーチもかける佐藤輝(8月23日、タ7-2ど、M24)

・村上様9K奮投Gに勝ち越し(8月25日、タ8-1じ、M22)

もっとみる
勝っていたら…

勝っていたら…

・玉音に泣き疲れしあと皆笑顔

・負けたからあなたも我もここにいる

・負けたから持てた「9条」平和憲法

・大日本負けて得たりや平和主義人権尊重主権在民

・勝ってたら軍人政治屋特高が威張り散らして嗚呼生き地獄

・負けたこと心底喜ぶ敗戦忌

・砲弾の着弾点にある地獄飛び散る手足人肉ミンチ

・「艦砲ぬ喰え残さーさ」と丸太言い…

・ウチナーの地中いまだある遺骨辺野古に捨てられ二度殺(くる)さる

もっとみる
敗戦の夏

敗戦の夏

・青芝に白球弾み夏終わる
(高校野球地方予選、サヨナラ負け)

・初鳴きのセミで目覚める午前四時半
(2023年7月18日)

・朝四時半鳴き出すセミの律儀さよ

・青い鳥消えて代わりに✖️(ぺけ)が来た囧
(2023年7月下旬、ツイッターが「X」変わる)

・原爆忌「ゲン」消す首相の出身地
(2023年、広島市教委が平和教材から「はだしのゲン」排除)

・原爆忌 被爆人形いま何処
(2017年、

もっとみる
あ、への字

あ、への字

・「あ、への字」幼子の指す壁時計八時二十分早や猛暑

・日陰でも暑い月曜午前九時
(熱中症警戒アラート初発令2023年7月10日)

・梅雨寒を失きものにする温暖化

・亜熱帯線状降水帯逃げ出したい

・夏草をむしり見上げる柚子緑

・さされると滅茶苦茶痛い極太で硬くて長い柚子の木の棘

・炎天下日傘男子の影絵濃く

・暑さ増す日傘男子と相合傘

・この火照り三ツ矢サイダーで癒すのだ

・左手に日

もっとみる
球春

球春

・スパン!スパン!キャッチボールが告げる春
・カキン!カキン!芝生を走る白き球
・指笛と、ハイサイおじさん、弾むチア

・紅梅の下で受け取る合格の報

・歩道橋美脚行列女子高前

・すれ違う春の香りに振り返る

・春の香を残し過ぎ去る人の妻
(すれ違う…は直後に即思い浮かんだ句。春の香…は時間をおいて書き直した句)

・乙女らの秘部も蠢く啓蟄や
(タニグマー小説集「啓蟄」より)

・横に寝る美貌

もっとみる