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2022年に読んだ本ランキング!【後編】エッセイ、実用・教養、絵本…&まとめ♡

2022年に読んだ本、50冊あまりからセレクトした心に残る本たち。

まわりのクリエイター様の記事紹介も挟みながら、この記事では3部門の発表です。

後編は、「エッセイ」部門から……!


■「エッセイ」部門

【1】『これでおしまい』 篠田桃紅

自分を好いてくれる人を悲しませたくない。自分を愛してくれた人に気の毒。だから、生きているのよ、ほんのすこしの人たちのために。

世の中が幸福で悩みがなかったら、芸術も文学も何もないですよ。不幸だから芸術というものに、人は心を寄せざるを得ないのよ。

言わずと知れた日本を代表する書家・篠田桃紅さん。作品をみて好きになって、本を何冊か読んでさらに感銘を受けて..…。
この本は、人生の折に触れて開きたい一冊です。「真実めいたもの」「他人の目」そんなものに惑わされないこと、というエールにも背中を押されます。そろそろ、またどこかで展覧会やってくれないかしら。桃紅さんの作品にお目にかかりたい。


【2】『涼しい脳味噌』 養老孟司

大学生の時に読んだエッセイ本を引っ張り出して再読。養老先生の御本、今年は2冊。

「都会は、私たちの頭の中=脳が外につくられたもの。都会の中にいるということは、自分の脳みその中に閉じ込められた状態。だから疲れるのだ

というメッセージに納得。
ほかにも感想もろもろあるので、別の記事にまとめる予定です。


【3】『とはずがたり』(上) (下) 次田香澄

古文です。よく上巻下巻、読み通したと思う。

...…といいつつも、途中から女友達と喋っているような感覚になり、夢中になって読みました。(もちろん現代語訳もついてますので。)

・男の前でウソ泣き
・好きでもない男に言い寄られ「わずらわしい」とこぼす
・複数の男との愛欲生活(おいおい)...……

見目麗しい上流階級の「あかこ」、今でいう美人なお嬢様とでもいったらいいでしょうか。そんな彼女の宮廷生活~出家までを、色恋沙汰を中心に書いたエッセイ寄りの物語。フィクション多々だとは思いますが、鎌倉時代の女性エッセイストとして、「エッセイ部門」にランクイン!


■「教養・実用書」部門

【1】『物語のカギ』 渡辺祐真/スケザネ

「『読む』が10倍楽しくなる38のヒント」とありますが、個人的には「『書く』が10倍楽しくなる」だなと。拙い超短編小説を書くようになり、物語を紡ぐ面白さ、苦悩...といったものを感じている私です。

本書には物語の構造をひも解く「時間軸」「語り手」「小道具」「二項対立」といった様々なキーワードが並んでいるのですが、もう内容が充実しすぎていてる!これから先、何度でも開くことになるだろうな。
とっても読みたくて、amazon予約注文で発売日に届けてもらった思い入れのある本。著者が私より一つ歳下の方、ということにも刺激を受けます。



【2】『オルセー印象派ノート』 辻仁成

今年は美術館こそあまり足を運べなかったものの、美術関連書籍を複数冊読みました。例年よりも「美術のお勉強」はできたんじゃないかと。
オルセー美術館展があった2010年出版の本ですが、絵画をベースに物語を紡ぐという企画が面白かったです。辻仁成さんの文章はとても読みやすくて、美しい。

ちょうどこの本を読んでいる時に、madamhiroko様が「オルセー美術館」にまつわる投稿をされていらしたのが印象的でした。♡

現地のお写真一杯の、溜息の出そうな麗しい記事です!



【3】『最速の国語読解術』 金子香代子

中学受験をする小学生のお子さんの国語対策書。私も塾で小学生に国語を教えてるので、何か有益な情報はないかな、と手に取りました。

「物語文の読解」という解説ページに、

「気持ちの読み取り」で子どものつまずきどころはの3つめは、文章を主観的に読んでしまうことです。
〈声かけポイント〉「物語を読んだきみの感想は聞いてないよ!」

……と、こう書かれていたのですが、時を前後して
山根あきら様が

こちらの記事の中で、

私は(...)「自分がどう思い、読んだものから、何を引き出すかということ」が読解力であると思っていた。(中略)

国語の問題というものは、「私が何をどう思うか?」ということは全く求めていない。

……とおっしゃっているのを見て、すいません、笑ってしまいました。タイミングがあまりにも……(笑)。知的で素敵なエッセイをありがとうございました!


■「絵本」部門

【1】『翻訳できない世界のことば』 エラ・フランシス・サンダース

「悲しいベーコン」「ダチョウの政治」...…。
世界には、ちょっと瞬時には理解のできない表現がたくさんあります。
現地だけに根付いた、現地でのみ通じることばたち。

「ボケっと」
なにも特別なこと考えず、ぼんやりと遠くを見ているときの気持ち

わお、日本語の「ボケっと」も入ってました。あとは「積読」「木漏れ日」とかも。

個人的極めつけはこちら。(笑)

「龍のえさ」(DRACHENFUTTER:ドイツ語)
夫が、悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント

イラストブックとしても楽しめる、感性をくすぐってくれる一冊です!


【2】『クレーの絵本』 谷川俊太郎・詩 クレー・絵

先日、こちらの記事の中で取り上げています。
煮詰まっていた時だったので、凝り固まった感覚がゆるり、とほどけていくのを体験させてくれた、有難い絵本。
谷川俊太郎さんは、まちがいなく日本の宝のおひとりです。


【3】『せいめいのれきし』 バージニア・リー・バートン

世界中でベストセラーの『せいめいのれきし』。
絵本を手に取るのは、いつでも自分が淀んでいる時。

「わたしたちの銀河系」から始まる本書は、小さな悩みなんて吹っ飛ばしてくれる、スケールの大きな本です。絵も素敵。ついでに、あまりなじみのない「カンブリア紀」「古生代」とかの名称の勉強にもなります。


■まとめ

今年読んだ53冊の本(12月23日現在)の中から、好き勝手に、心に残る本をリストアップしてみました。
共感やウケを狙って選書をしているわけではないので、「変な本を読んでるヤツだな」と思われた方もいるかもしれません。

今年はメンタル面でのアップダウンが大きく、本をお供にやり過ごすような時期もありました。月並みですが、それは全て、今日の自分の血肉になっている。そう確信しています。

noterさんからご紹介してもらったり、記事を拝見して本を手に取ったり、コメント欄にて話題に上った本に手を伸ばしたり……。
挙げてきた本のセレクトは、多分に周りのnoterさんの影響を反映している産物でもあります。noteの影響は大きいです。


2023年は、今年以上に、気の向くままに小説を浴びるように読みながら、自分でも拙い短編ストーリーを紡いでいけたらいいなと。感性をくすぐってくれる絵本探しにも、精を出す予定です。(笑)



2022年、今年のあなたのお気に入りの一冊は、どんな本ですか?♡



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