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なぜ実用書のレビューは賛否が大きく分かれやすいのか?

こんにちは。お仕事の休憩がてらnoteの更新をするライター兼作家の浜田(@Mika_Ham1977)です。

今回は、ふと思いついた書籍レビューに関して取り上げたいと思います。
私も自己啓発系の書籍を15冊出している身としては、良いレビューをいただきたいのが本音。
おそらくその思いは、どの作者でも同じでしょう。

実用書に関しては、特にレビューによる広告効果はとても影響力があり、一つ悪いレビューが付くだけで、その売り上げが大きく変わってくることも。
そこで、実用書のレビューに焦点を当てて、私なりの考察を交えて、良いレビューを貰うにはどうすればいいのかを考えてみたいと思います。

そもそも読者の知識レベルで選別している

実用書には『入門編』『初心者向け』と名の付くものもあれば、そういった頭書きのついていないものもあります。
当然のことながら、『入門編』でターゲットになっている読者は、そのジャンルに関して初心者と同等の扱い、もしくは知識が少ないと判断されています。そのため、書かれている内容も比較的易しい言葉で綴られ、理解しやすいようにまとめられています。そのあたりは『初心者向け』と書かれている書籍でも同じことがいえます。

一方で、そうした頭書きがない実用書の場合、多くが初心者よりもステップアップした読者層をターゲットにしているわけです。
このことから実用書自体、そのターゲットに読者の知識レベルで選別していることになります。

超初心者からベテランまでカバーするのは無理

読者の知識レベルに応じてターゲットを決めるのは、モノを作る側・売る側からすれば当然のことです。知識レベルがゼロの人と、知識レベルが10の人とでは、欲している情報も得たい知識も異なるのですから。

そう考えると、超初心者からベテランまでをカバーした実用書を作成するというのは非常に難しいといえます。
しかも、書籍を作る企画段階で、ある程度のページ数というのが決まっています。全てのレベルの読者を対象にしていると、超初心者向けに易しく書くだけでもページ数を随分使ってしまうことになりますね。そうなると、その実用書はベテランにとって無駄な内容が書かれた本となってしまい、価値がなくなります。

タイトルと前書きでターゲットを明示する

誰にとって価値ある本にしたいのか?
この問いは、読者層からターゲットを選抜するうえで、欠かすことができないものです。

私もよく様々な実用書を手に取ります。ですが大抵の場合、タイトルや前書きで、読んでほしい相手(ターゲット)についてさらりと書かれているだけです。
たとえば、私はライターなので文章術などの本もよく読みます。そうした類の書籍では、「文章を書く機会のある人」といったような文言でターゲットが表されています。

また、私は今はもうエンジニアではないですが、いまだにプログラム関連の書籍を好んで読みます。それらの書籍では、ターゲットが明示されていないことがほとんどです。
プログラム関連の書籍に関しては、そのプログラム言語を使っている人やこれから学ぼうとする人がターゲットなのは、言語名だけで判別できるからなのかもしれません。

しかし、こうした書籍こそ、読者の知識レベルがどのくらいの人を想定しているのかをタイトルや前書きで明示しておくほうがいいと思うのです。
タイトルだけでターゲットの輪郭を明瞭にさせることは、文字数やデザインなど制限があるなどして難しいでしょう。ですので、それを補足するのに前書きを使うことによって、どのレベルかまで言及する。

ターゲットとなる読者が、そこを読めばある程度自分に合致しているかどうかは判断可能だと思うのです。
それに、書籍には目次があります。その目次で書かれていることに対して理解ができれば、多少読者自身の知識レベルより上の内容が書かれていても、読者が理解に苦しむ内容にはならないはずです。

試し読みができないという問題が悪評を呼ぶ

立ち読みというと、悪いイメージが先行するかもしれません。
しかし、立ち読みのメリットとといえば、その実用書の内容が自分の実力や知識レベルに応じたものかをチェックすることが可能です。

ところが、最近はネット書店で購入する人が増えています。この場合、目が通せるのは前書き部分までが大半。(一部の書籍では、数ページまで試し読み可能のものもあります)
これでは、買ってから思っていたのと違った! という声が上がるのは当然です。

しかも、それが電子書籍なら尚更。リアル店舗での購入なら、購入時のレシートと書籍を持っていけば、返品対応してくれるところもあります。
けれど、電子書籍では返品ができませんので、読者にとって無駄な買い物をしてしまったという意識が生まれます。誰であっても、期待を込めてお金を支払っているのですから、それが裏切られれば腹も立つことでしょう。(だからといって悪評を並べ立てるのは筋違いだとは思いますが)

そんな読者の一部が八つ当たりから、悪いレビューを書き込んでしまうのではないでしょうか。
もしも、試し読みできるページがあったなら、こうした事態はある程度避けることができるはずです。

ターゲットの明確な提示と試し読みで誤解は防げる

実用書の悪評の多くは、ターゲットの知識レベルと一致していないことに起因していると思われます。
もちろん、ターゲットの知識レベルと一致していてもあまり好ましくないレビューがついてしまうことはあるでしょう。

しかし、それでも「書かれていることが難しすぎる」「全然役に立たない」といった酷評にはならないのではないでしょうか。
実用書は、読者が実際に現場や必要な場面で使える知識や技術を習得するための参考書。
読んで終わるものでは、実用書とはいえません。

試したくなるような例題や内容が書かれているから、その実用書を購入する。読者の購買理由は、そこがベースになっているはずです。
だとしたら、提供する側と提供される側の前提が異なっていることになります。

提供する側は、対象読者の知識レベルを含めて、ターゲティングを行い、それを基に執筆がなされます。作成者にとって、この類なら読者は理解できるだろうと判断しているため、そのレベル以下の話は理解している前提で話が展開されていくことになります。

対して、購入する読者は、提供する側が想定していない知識レベル層である場合もあります。

たとえば、すでにエンジニア歴3年で新人とは呼ばれなくなり、自分で顧客対応ができるようになった人なら、初心者とはいえません。ですが、ベテランか? と問われたときに、トラブルを対処できるほどの技量が備わっていなければベテランとは呼べません。

この線引きは、業種によっても難しいところがあるでしょう。けれども、おそらく実用書から何かを学び取って、自身の成長を図りたいと考えるのは、こうした新人でもベテランでもない中間層が一番多いのではないでしょうか。

だからこそ誤解が生じ、それが酷評となり、良いレビューのつく機会を逃しているのではないかと考えます。

必要な人に、必要な情報が渡り、せっかくの書籍やお金を無駄にならない。お互いにとって、win-winになるようなサービス展開ができればいいですね。

皆さんは、今回のテーマについてどうお考えになりますか?

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