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ちょいちょい書くかもしれない日記

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気が向いたら覗いておくれよ。
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#エッセイ

ちょいちょい書くかもしれない日記(新幹線)

ちょいちょい書くかもしれない日記(新幹線)

個人的にはコロナ禍は明けていないという認識だが、それでも確実に外に出かけてやる仕事が増えた。
世の流れには抗ってもあまり意味がない。
母に憂いなく面会できるよう、自衛に努めるのみだ。
人の集まる場所ではマスクをつける。
できるだけ風の通る場所に身を置く。
帰ったらすぐ手を洗う。
もはや習慣となったことを続けながら暮らしている。
今日も日帰り上京した。
もう母が家にいないので、午後6時を過ぎた瞬間、

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ちょいちょい書くかもしれない日記(学校)

ちょいちょい書くかもしれない日記(学校)

幼稚園の頃から、ずっと変わらないことがある。
たくさんの人が集う教室が苦手だ。
これまで通った学校の中で唯一好きだと思えたのは、イギリス留学中に通っていた語学学校だった。
学校自体が、フラットの一棟、元は小さなホテルだった建物を改装したこぢんまりした設えで、生徒がそもそも少なかった。
途中から同じ学習レベルの生徒がいなくなり、前期は半地下の元使用人部屋、後期は屋根裏のやっぱり元使用人部屋が私だけの

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ちょいちょい書くかもしれない日記(野菜)

ちょいちょい書くかもしれない日記(野菜)

迷ったけれど、やはり自分のためにと植えたミニトマトが、ようやく本気を出して育ち始めた。
父ほどトマトに思い入れがないしなあ……と思っていたが、育つとやはり嬉しい。
4鉢植えたので、シーズンにはほぼ毎日、収穫があるだろう。今は、数日おきにひとつふたつだが、甘くて美味しい。
なり始めは、ちょっと皮が固い。
この3年ほど同じ品種を育てているので、持て余すほどの樹勢の強さには慣れた。
脇芽も強い子ができる

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ちょいちょい書くかもしれない日記(バラ)

ちょいちょい書くかもしれない日記(バラ)

家を建てたときに、バラを何本か植えたのだけれど、上手く育ったのは、いちばんタフな半つるバラ、ポンポネッラだけだった。
初夏から始まり秋まで続く多湿が、バラには過酷すぎるのだ。
何をしても枯れない気がするポンポネッラすら、毎年どこかに黒星病を出す。
ポンポネッラは赤くて小さくてコロンとした可愛い花をたくさんつける。
大好きだけれど、梅雨の時期と花期が完全に一致しているのが気の毒だなと、毎年思う。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(父の日)

ちょいちょい書くかもしれない日記(父の日)

父が死んで初めて迎える父の日、つまり主役不在の父の日である。
父がいないのだから、何もしなくていい。
いいのだが、まあ墓参くらいはするか、と車でしばらくぶりに出掛けてみたら、同じようなことを考える人が多いのか、そもそも週末は人が多いのか、駐車場がやけに混み合っていて、うんと遠くにしか停められなかった。
山を切りひらいて造成した嫌になるほど広い霊園なので、アップダウンが激しく、父の墓に辿り着くだけで

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ちょいちょい書くかもしれない日記(暑い)

ちょいちょい書くかもしれない日記(暑い)

突然暑い。
湿度もまあまあ高い。
今のこの季節の切り替え時期みたいな日々が、いちばん身体にとってはしんどい気がする。
あと、新型コロナ感染後、本当に体力が、特に持久力が戻ってこない。
先日、久し振りに小説を書き上げて、覚悟していた以上にズダボロになってしまった。
まだ物語を紡ぐに十分なほどは回復してはいないなという実感と、待っていたところで戻るかどうかわからないという不安が、自分の中でゆっくりと渦

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ちょいちょい書くかもしれない日記(打ち合わせ)

ちょいちょい書くかもしれない日記(打ち合わせ)

イベントなどには来てくださっていたのだが、なかなか落ち着いて話す機会がなかった編集さんと、最寄り駅で待ち合わせて打ち合わせをした。
物凄く暑かったので、甘味処に入って、今年初めてのかき氷を頼んだ。
宇治ミルク金時アイス、つまり、練乳とあんこと抹茶アイスに白玉の全部盛りみたいな欲張りメニューを。
その店のかき氷は、氷自体にうっすら甘みがつけてあって、宇治部分は抹茶パウダーだ。
油断するとむせる。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(家庭内行事)

ちょいちょい書くかもしれない日記(家庭内行事)

父の遺産相続の書類が、ようやく整いつつある。
昨年の8月からずっと続いた、長い道のりだった。
正直、わーい財産だよぉ~、嬉しいよぉ~というような額のものは案の定ほとんどなく、稼いだだけ使っていきましたね、という感じだ。
自分の処理能力に不安しかなかったため、公認会計士さんや司法書士さんに助けていただいただけに、そっちの経費も目をむくほど高くついた。
専門職の仕事は高いものだ。それが当たり前。とはい

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ちょいちょい書くかもしれない日記(ヤングコーン)

ちょいちょい書くかもしれない日記(ヤングコーン)

ヤングコーンが好きだ。
特に今の時期に出回る生のやつ、もっと言うならあまり大きくなりすぎていない、ヒゲが青々したサイズのものが好きだ。
かぐや姫くらいちんまりした本体を、皮をむしりながらヒゲごと取り出し、皮は全部、腐葉土を作るための庭の一角に持っていく。
繊維がしっかりしているので素早く分解はされないけれど、いつかはいい感じの腐葉土になる。急がない仕事だ。
ヤングコーンとヒゲは、ホタテの貝柱と共に

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ちょいちょい書くかもしれない日記(おさげ)

ちょいちょい書くかもしれない日記(おさげ)

自動で録画されていた番組を、夕食のとき何となく流していたら、阪急北千里駅からマンション群に向かう歩道橋の上で、タレントがインタビューをしていた。
あれっ。
何だか凄く見覚えがある……。
私は、確かにあそこに立ったことがある。しかも、3歳から4歳の頃に。
当時住んでいたマンション(当時はアパートと呼んだ)から、買い物籠を下げて、駅直結のオアシスというショッピングセンターへ行くときに通った歩道橋だ。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(パイナップル)

ちょいちょい書くかもしれない日記(パイナップル)

石垣島のパイナップルを3つもいただいた。
1つでも、一人暮らしでは持て余すというのに……というか、パイナップルはとても好きなのだが、粘膜が荒れる感じがして、あまりたくさん食べられない。
パイナップルは追熟しない果物だとパンフレットに書いてあって、へえ、そうなのか……と感心した。
置いて甘くなったように感じるのは、水分が抜けたからとか。
それはそれで結果オーライな気もするけれど、他に損なわれる要素が

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ちょいちょい書くかもしれない日記(疲労感)

ちょいちょい書くかもしれない日記(疲労感)

ここしばらく、イベント、打ち合わせ、父の相続問題、母の健康問題、原稿の〆切と、色んなことがギュギュッと詰まってしまい、自分が思っていたより疲れていたようだ。
そこにマッサージがトドメをさして、今日は朝、一度は猫たちの世話をするために起き出したものの、そのまま流れるように布団に戻り、昼前まで起きられなかった。
起きようとすると猫が「だめ」と押さえつけにくるので、余計に布団から出るのが難しかった。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(揉まれる)

ちょいちょい書くかもしれない日記(揉まれる)

先週の日曜以来、とにかく新幹線や電車での長距離移動と車の運転が多く、講義で板書からの振り返りが頻繁にあり、その結果、首と腰が激しく不穏だ。
ちょうど月に一度と決めたマッサージの日だったので、これ幸いと行ってきた。
いつもは腕と手指、それに頭から肩をほぐしてもらうのだが、今回は腕をパスして、ボディケアを入れてもらうことにする。
腰が駄目なときに、腰だけ揉んでもらっても意味がないことは、膝を怪我してリ

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ちょいちょい書くかもしれない日記(携帯電話)

ちょいちょい書くかもしれない日記(携帯電話)

昨年、母が倒れる前に、どうやら携帯電話、すなわちガチのガラケーをどこかへやってしまったらしい。
といっても基本的に家から出ない人だったので、実家を片付けていればそのうち出てくるだろうと高を括っていたのだけれど、さっぱり見つからない。
あるいは、通院の際にという可能性もあるので、電話して落とし物を問い合わせてみたけれど、見つからない。
タクシー会社も使っていた数社に連絡してみたが、ダメだった。
とり

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