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ちょいちょい書くかもしれない日記(学校)

幼稚園の頃から、ずっと変わらないことがある。
たくさんの人が集う教室が苦手だ。
これまで通った学校の中で唯一好きだと思えたのは、イギリス留学中に通っていた語学学校だった。
学校自体が、フラットの一棟、元は小さなホテルだった建物を改装したこぢんまりした設えで、生徒がそもそも少なかった。
途中から同じ学習レベルの生徒がいなくなり、前期は半地下の元使用人部屋、後期は屋根裏のやっぱり元使用人部屋が私だけの教室になった。
使用人部屋であることには特に他意はなく、個人レッスン用の小部屋がそこしかなかっただけのことだ。
リノベーションされていたが、それでも各所にヴィクトリア時代の使用人たちの暮らしぶりを感じられるその教室が、私は大好きだった。
半地下はカビ臭く、屋根裏は暑かった。
でも、半地下の窓から見える道行く人たちの足元は面白く、屋根裏の低い天井や、窓から見渡せる海と水平線は素敵だった。窓枠には、カモメもやってきた。
何にせよ、私ひとりの部屋だ。勿論、先生は来るが、生徒は他に誰もいない。最高か。
あれは本当に、理想的な「教室」だった。

今、私は50~200人が集う教室で教える非常勤講師をしている。
正直、教える側に立ったところで、人がたくさんいる空間は苦手なままだ。
ああ、コロナ禍でリモート講義ができたときはよかったなあ、などと思いはするが、でもやっぱり、講義は対面がいい。
学生の顔を見て、リアクションを確かめながらのほうが安心できる。
苦手と楽しいと手応えと疲れたの間を、今日も反復横跳びしている。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。