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【ジャンル別】椎名林檎さんの曲紹介#6 〜ラテン12選〜

こんにちは!メルシィです。

このシリーズでは,林檎さんの曲をジャンル別に紹介していきます。

概要は下記をご覧くださいませ。

今回は,最近のマイブーム「ラテン」に焦点を当てていきます!

目的

ファンの皆さんはもちろんのこと,気になってるけど何から聞けばいいかわからない方,新しいジャンルの音楽を開拓してみたい方に向けて,椎名林檎さん・東京事変作曲の曲紹介をジャンル別に行います。

今回はラテン音楽・ダンスが好きな人,自粛だけど家にいながらお祭り気分を味わいたい方向けの内容となっております。

ラテン曲一覧

まずは,私が20アルバムから抽出した14のラテン曲をお見せします。

ラテン

カラオケランキングは,JOYSOUNDアーティスト別で上位10曲に入っていた曲です。

今回は新たに「サブジャンル」「リズム・奏法」という列を追加しました。一口にラテン曲と言ってもさらに細かい区分けがあるためです。

ラテン曲に関しては独学なので,サブジャンルが違っていたらご指摘のほどお願いいたします。

リズム・奏法と併せて,下記に補足します。

[補足]ラテン音楽のための楽典

曲を紹介する前に,ラテン音楽の定義とジャンル,リズム・奏法などについて解説します。理論に興味がない方は飛ばしていただいて結構ですが,予備知識があるほうがより音楽を楽しめると思います。もしよろしければご一読ください。

■定義

今回選曲するにあたり,ラテン音楽の定義としてこちら(Wikipedia)を参考にしています。

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ラテン音楽(ラテンおんがく)は、中南米発祥の音楽の総称で、『中南米の音楽』を意味するラテン・アメリカ音楽(英語: Latin American music)とほぼ同一の音楽ジャンルの概念を指す。キューバ・カリブ系、ブラジル系など、それぞれに音楽的特徴があり、また、ラテン・アメリカ系移民の多いニューヨークやロサンゼルスが、北米におけるラテン音楽の本場でもあるなど、成り立ちや歴史も複雑であり、一言では言い表せない。

■サブジャンル

同じく,Wikipediaよりラテン音楽の中のさらなるジャンル分けです。こんなにたくさんあるんですね!

ラテン音楽はキューバ系とブラジル系の2種類に大別されるらしいです。

以下,今回の記事で登場するサブジャンルの詳細です。

▼サンバ 

20世紀初頭、ブラジルに発達した舞曲。アフリカ音楽を源流とする。4分の2拍子のテンポの速い陽気なリズムをもち、現代のダンス曲としても愛好される。

引用文献:精選版 日本国語大辞典

▼ボサノヴァ

(bossa nova 新しい感覚の意) 1950年代後半に発生したブラジルのポピュラー音楽。サンバがジャズの影響を受けて発生したもので,都会的で洗練されたサウンドが特徴。

引用文献:精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞林

▼タンゴ

19世紀後半アルゼンチンのブエノスアイレス付近に起こった民俗音楽から発達した、4分の2拍子の甘美なリズム感をもったダンス音楽。20世紀にはいってヨーロッパや世界各地に普及。バンドネオン(ボタン式アコーディオンの一種)を中心に,バイオリン,ピアノ,コントラバスからなる楽器編成で演奏される。

引用文献:精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,百科事典マイペディア,日本大百科全書

▼スカ

1950年代にジャマイカで発祥したポピュラー音楽のジャンル。2、4拍目を強調したリズムが特徴。メントやカリプソ、アメリカのR&Bなどの影響を受けている。

引用文献:Wikipedia

▼マンボ

ラテン音楽のダンス曲の一つ。4分の2拍子で、ルンバをさらにリズミカルにした形式をもつ。1940年代、キューバ出身のピアノ奏者ペレス=プラードとその楽団が普及させた。

引用文献:精選版 日本国語大辞典

■リズム・奏法

▼ソンクラーベ

クラーベ(clave)とはラテン音楽のリズムの一種で,その中でも「ソン」というサブジャンルを起源にしたものをソンクラーベという。(※1)なお,複数形にしたクラベス(claves)は,長さ約20cmの1対の木製やプラスチック製の棒から構成される打楽器を表す。両手に持って叩き合わせることで,キューバ系のラテン音楽によく用いられる。(※2)

参考文献:
※1 サルサクラブ salud! HP コラム「ソンとは?」
※2 英辞郎 on the web 「clave」

▼2:3 / 3:2

音が1小節に3つ入ってる「3」の小節と、1小節に2つ入ってる「2」の小節がセットでひとつのクラーベになる。
先に3の小節がきてその後に2の小節がくると「3:2(スリーツー)」、逆に2が先に来ると「2:3(ツースリー)」となる。

引用文献:ドラマリン音楽教室 HP

▼トゥンバオ

(スペイン語: tumbao)サルサなどのアフロ・キューバン由来の音楽に頻出するリズムパターン、またはそれから派生したバリエーションを総称して指す用語である。トゥンバオは、コンガ、ベース、ピアノ(の左手)というリズムの土台を構成するパートのパターンであり、クラーベと共にキューバ系ラテン音楽の重要なパターンとして考えられている。

引用文献:Wikipedia

トゥンバオのピアノではオクターブ+その間の音から構成されているそうです。(中川さん家のピアノ講座より)

▼クリシェ

コード進行においてコードの中のあるひとつの音を順番に下げたり上げたりしてコードそのものを変化させていくやり方を指す。

引用文献:うちやま作曲教室

こちらは,ラテンに限らずポップスなどでも出てくる奏法です。

以上,ラテン音楽の楽典情報でした!

それでは,前置きが長くなりましたが,12曲を年代順に1つずつ見ていきましょう。

※[ ]内はサブジャンル/リズム・奏法を表します。詳細は補足参照。

※サブジャンルにおいて細かく分けられなかったものは,キューバ系/ブラジル系と一括りにしています。

1. 御祭騒ぎ(教育/2004) [ブラジル系?/ソンクラーベ3:2]

まさに夏祭りにぴったりな一曲。ボーカルにエコーかかってるところとかも開放感あって好きです。終盤にかけてのピアノが超絶技巧で聞き応えバッチリです。クラップの3:2のリズムは思わず合わせたくなります。



2. 化粧直し(大人/2006) [ボサノヴァ/ソンクラーベ2:3]

これぞカフェボッサ!落ち着いたギター&ピアノサウンドが心地良いです。群青日和と同じバンドが演奏したとは思えない天才ぶりです。リズムは,御祭り騒ぎとは逆の2:3です。

3. ブラックアウト(大人/2006) [キューバ系/トゥンバオ]

クラップ含めたリズムが最高です!序盤ロックかと思いきや,BメロCメロでサルサがやってきます。お恥ずかしい話,今回分類するまでこれがラテンとは知らなかったです(亀田先生のお墨付き)。疾走感溢れるピアノも好き。

4. 我慢(深夜枠/2012) [マンボ/トゥンバオ]

私が知る限りでは関西弁の林檎さんを唯一拝聴できる貴重な一曲。悪態をついていてなんだか治安がよろしくない歌詞だけど,Cメロでのマンボ調のリズムに癒されます。



5. 赤道を越えたら(日出処/2014)[ブラジル系?/トゥンバオ] 

冒頭にブラジルポピュラー音楽家,イヴァン・リンスさんのスキャットが登場します。大御所を少しだけ持ってくるあたり,流石です!男と女をはじめとした,対比させる歌詞が面白いです。トロンボーンソロもかっこいい!


6. ちちんぷいぷい(日出処/2014)[ブラジル系?]  

確かリオオリンピックのアベマリオ動画で使用されたBGMです。掛け声がアガります♩フルートの音色が爽やかで明るい雰囲気です。個人的には,「くノ一」のような色気のある強い女性像を想像させられました。


▼参考:アベマリオ


TOKYO2020…ちなみにちちんぷいぷいの次はこれまた私が好きなh zettrioさんの曲です!こちらのアーティストは機会があったらまた紹介します!


7. 薄ら氷心中(逆輸入〜航空局〜/2017)[キューバ系/トゥンバオ(クリシェ)] 

出だしから華やかなトゥンバオが目立ちます。お色気のあるしっとりした歌い方が特徴的で,元々の楽曲提供先の林原めぐみさんに寄せてる印象すらあります。哀愁や切なさがうまく表現されています。 


8. 長く短い祭(三毒史/2019)[ブラジル系]  

個人的には一番好きな曲です!!パーカッション,エレピ,金管どれをとってもマーベラス!中盤に出てくるヨォ!という掛け声とかシングルジャケットのねぶたとか,日本の祭りを意識している感じもポイント高い。余談ですが,浮雲さんが「忘るまじおじさん」と言われるようになった(?)元ネタでもありますw 


9. 獣ゆく細道(三毒史/2019)[キューバ系/トゥンバオ(クリシェ)]  

宮本浩次さんの力強さと林檎さんの妖艶さが妙にマッチした曲。アフロキューバンなリズムに心踊ります。金管×ピアノの組み合わせも豪華でお腹いっぱいになれます。PVも躍動感があってオススメ。


10. りんごのうた(ニュートンの林檎 disc1/2019)[タンゴ] 

パーカッションとバンドネオンが独特のタンゴ音楽を生み出しています。間奏のところで「渡る世間は鬼ばかり」OP曲を思い出してしまうのは私だけでしょうか。いろんな時代の林檎嬢をおさらいできるPVも必見です。ちなみに姉妹曲である『教育』収録の「林檎の唄」はロック要素が強いので聴き比べてみても◎


11. 真夜中は純潔(ニュートンの林檎 disc1/2019)[スカ] 

個人的に長く短い祭と並ぶ二強だと思ってます。裏拍のスカのリズムが新鮮で,疾走感あるスパイ映画に似合いそう。シングルとして配信されたのは2001年なのですが,アルバム収録(2019)まで見落としていました。もっと早く知りたかった…!


12. うるうるうるう(ニュース/2020)[キューバ系/トゥンバオ]

こちらは最新作。キューバ系リズムが軽快です。タイトルと歌い方が可愛いです。サビのピアノがキャッチーで無限ループ必至です。伊澤一葉さんの声もイケボで素敵なアクセントになっています!

https://music.apple.com/jp/album/news-ep/1504350954


まとめ

以上,12曲の紹介でした!いかがでしたでしょうか?

今回は私が好きなジャンルだったのでかなり熱が入ってしまいましたが…私自身も楽典の勉強になりました。

改めてラテン音楽の奥深さを感じています!

ラテンを聴きたいあなたに最もオススメなアルバムは『大人』『三毒史』です!

今回ご紹介できなかった2曲も素敵なものですので,是非聴いていただければと思います。

次回は昭和歌謡風を紹介していきます。

どうぞお楽しみに!



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