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あなたの言葉が未来を作る:話し言葉と自己肯定の力

はじめに


人が発する言葉は、鏡のように脳に反映され、行動に影響を及ぼします。

私たちが何か難題に直面したとき、他人の激励やアドバイスによってその問題を克服した経験は、きっと誰にでもあるはずです。

ですが、いつでも誰かと話し、相談できる状況にあるわけではありません。

でも、驚くかもしれませんが、どんな人にも、一日中ずっとあなたの行動を見守ってくれる存在がいるのです。

その存在とは、何とあなた自身なのです。

私たちは無意識に脳内で話し続けています。

そして、たまには口に出して自分自身と対話します。

米国の研究によれば、脳内で話す言葉の量は、口に出す言葉の10倍以上で、一日に16万~47万語も話しているそうです。

普段何気なく発する言葉の影響力は、皆さんが思っているよりもずっと大きいのです。

例えば、“太陽”と一言発すれば、春の暖かな日差しや夏の強烈な日差しのイメージが思い浮かぶはずです。

人それぞれが感じるイメージは異なりますが、言葉が五感を刺激することが知られています。

ある実験では、被験者に腕を上げた状態で“弱い、弱い”と数回言ってもらい、その後他の人に腕を押してもらいます。

すると、腕はあっさりと下がります。逆に“強い、強い”と言ってもらってから同様のことを行うと、簡単には腕が下がらないのです。

握力計を使った実験でも、“強い”と言ってから測定すると、“弱い”と言った時の10~15%程度数値が上がるとのことです。

これは、人が言葉を発する際、それが口に出したものであれ脳内のものであれ、脳内で起こるプロセスによって説明できます。

言語中枢である前頭前野のブローカ野(話す機能)とウェルニッケ野(聴く機能)があることは知られています。

この中でも、視覚・聴覚・体感覚を統合するミラーニューロンが注目されています。

言葉を話そうとした瞬間に、その言葉のイメージがミラーニューロンに反映され、体感に影響を及ぼします。

つまり、太陽をイメージ(言葉にしたり聞いたり)すると体が温まったり、“弱い”と言葉にすると腕を上げ続けることが難しくなったりするのです。

言葉の力、特に一日に何万~何十万語という膨大な言葉を発する“ブレイントーク”は、侮れないものなのです。

心は逆指令に従うものです

ある日、自分の実力をうまく出せないと悩む女性のボディビルダーが訪ねてきました。

「彼女は、試合前には周囲から“上位に食い込む可能性がある”と見込まれるのですが、試合時になると緊張が高じて思うような結果が出せないと訴えます。

ボディビルダーでは表情も評価の一部で、緊張からくる引きつった笑顔が得点を下げてしまいます。それが、動作も硬くさせてしまいます。

そこで私が彼女に助言したのは、“練習中に全力で緊張してみてください”というものでした。ただ単に緊張するだけではなく、無理矢理でも、意図的に手がビクビクするほどに緊張するように訓練しました。

すると、それを試した瞬間、彼女は笑いが止まらなくなりました。自分自身に120%の緊張を強いている。その状況が面白くなってきたそうです」

その後の日本選手権で彼女は優勝し、世界大会出場のチケットを手に入れました。

この出来事も、心の特性により説明できます。

心には“白熊効果”という特性があり、「白熊のことを考えないで!」と言われると、逆に白熊のことを考えてしまうという。

先ほどの女性ボディビルダーも、“緊張してはいけない!”と自分自身に強く言えば言うほど緊張してしまったのです。

その結果、本番でのパフォーマンスが阻害されました。

「120%の緊張を練習中に感じさせたのには、別の効果もありました。

緊張はエネルギー源ともなります。

たとえば、目の前にクマが現れたら、きっと緊張しますよね? 

それは、隙を見て逃げ出せるように、エネルギーを蓄えている状態です。

先ほどのボディビルダーには、自分で120%緊張することによって、緊張から生まれたエネルギーを解放させました。

心はコントロールできないものに対する恐怖を持つ性質があるのですが、それによって、緊張から生じたエネルギーを自分で解放できたと認識し、リラクゼーションが可能になるんです」

ネガティブな表現のあとには、“でも”をつけてみてください

なるほど、心は自分のものながら、自分自身でも予想しない反応を示すものです。

言葉が心に強く影響を与えることから、常に言葉を発している“内的対話”が、いかに重要かが理解できます。

「成功者と呼ばれる人々の中には、“内的対話”を効果的に使っている人が多いですね。

例えば、Appleの創設者、スティーブ・ジョブズは、毎朝自分に問いかけていました。

“もし今日が生涯最後の日だったら、今日の行動を『続けたい』と思うだろうか”と。

しかし、前述のボディビルダーの“緊張する”ケースとは異なり、常にポジティブに考えることが良いわけではありません。

私の聞いた数多くの人々の話や行った研究からの結論として、夢にばかり囚われる人も、現実ばかりに囚われる人も、大きな成功を収める人は少ないです。

私は“楽観的な現実主義”という考え方を推奨しますが、ポジティブな面とネガティブな面を適切なバランスで捉えることが良い結果をもたらします」

成功しているスポーツチームとそうでないチームを比較すると、ネガティブな言葉に対して、ポジティブな言葉を3倍以上使っているチームが成功しやすいのだとか。

1対2では不十分で、1対3以上が望ましいようです。

「それでも、“ネガティブな表現は禁止”とすると、心は緊張しますから、心をコントロールしすぎるのも望ましくないです。

そこで、良い表現をご紹介しましょう。

それは『でも』です。

例えば夜、一日の活動をふりかえって、「今日のトレーニングでは何の進歩も見られなかった」と考えるとしましょう。

そのままだと、「自分は何の成果も得られずに一日を無駄にした」という感じが頭に残ります。

それを防ぐために、その後に、「でもタイムは1秒でも速くなった」とか、「でも人間関係は改善された」と付け加えれば、良いイメージが頭に残り、次の日へとポジティブな気持ちで取り組むことができます。

さまざまな表現を覚えて、特に比喩を使うことをおすすめします。

たとえば、喜びや感動を伝えるとき、「ただ“嬉しい”」や「“感動した”」と言うだけでなく、「天をも舞い上がるような喜びだ」や、「アカデミー賞のレッドカーペットを歩くような感動を感じた」と言ってみてください。

聞いた人は、レッドカーペットを歩いた経験がなくても、そのイメージが浮かび、感動が伝わります。

比喩を使うことで、言葉がより共有しやすくなるのです。

これは、コーチが選手にアドバイスするときにも有効で、上腕筋や大腿二頭筋と言うより、比喩を用いるとイメージが共有しやすくなり、選手の動きに影響を与えることができます。

比喩は、脳科学的にも非常に優れた表現方法と言えます。

心理指導(メンタルトレーニング)のお申し込み、お問い合わせ先


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とちぎスポーツ医科学センターは、全国でも注目の医科学センターです。
そして、なんととちぎスポーツ医科学センターは、あの独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)の連携協力機関に指定されました。

🌟メンタルトレーニングは、スポーツ界のみならず、ビジネス、芸術、教育、健康等、さまざまな分野で普及してきています。

私は、最近メンタルアレンジメントと表現しています。メンタルトレーニングというとメンタルの鍛錬という意味になってしまいます。

私のサポートは、メンタルを整理するという感じなので、メンタルアレンジメントという表現を使っています。

メンタルトレーニングとは、心理的な技術や戦略を用いて、スポーツ選手やビジネスパーソンなどが自己のパフォーマンスを向上させるために行うトレーニングです。

具体的には、イメージトレーニングやリラクセーションなどの技術を用いて、自己の心身状態を調整し、ストレスや不安などのマイナス要因を取り除くことで、より集中力を高めたり、自信をつけたりすることができます。

例えば、スポーツ選手の場合、試合前に自分がどのようにプレーするのかイメージすることで、本番と同様の状況に慣れることができます。

また、リラックスした状態でトレーニングを行うことで、ストレスや不安を減らし、より効果的なトレーニングを行うことができます。

一方で、ビジネスパーソンの場合、プレゼンテーションや会議などの場面で自信を持って発言するために、自己肯定感を高めるためのトレーニングを行うことがあります。

例えば、自分自身に対してポジティブな言葉をかけることや、過去の成功体験を思い出すことで、自信をつけることができます。総じて、メンタルトレーニングは、心身のバランスを整え、自己の能力を最大限に引き出すことができるトレーニングの一つと言えます。

メンタルトレーニングは、自己のパフォーマンス向上だけでなく、ストレスや不安の管理、心理的な強さの養成、チームビルディングなどの目的でも行われます。

たとえば、ストレスや不安を感じやすい人にとって、メンタルトレーニングはストレスを減らすために役立ちます。

リラクセーションや瞑想などを行うことで、心身のリフレッシュやストレスの軽減が期待できます。また、ストレスを軽減することで、免疫力の向上や疾患の予防にもつながります。

さらに、メンタルトレーニングはチームビルディングにも活用されます。チームメンバーが共通の目標を持ち、チームワークを高めるために、メンタルトレーニングを行うことで、お互いを理解し合うことができます。

また、ストレスや不安を共有し、お互いに支えあうことで、チームの結束力を高めることができます。

🌈メンタルトレーニングは、こんな方々におススメです🌈

🌟スポーツ選手
自分のパフォーマンスを向上させたい、緊張や不安を減らしたい、怪我の予防や回復を促したいという人におすすめです。

🌟ビジネスパーソン
プレゼンテーションや会議などの場面で自信を持って発言したい、ストレスや不安を減らして仕事に集中したいという人におすすめです。

🌟一般の方々
ストレスや不安が多い、自己の心身の健康を維持したいという人におすすめです。また、自己の目標達成や人生の意味を見出したいという人にも有効です。

🌟学生
試験勉強やスポーツの競技会など、学生生活においてもメンタルトレーニングが役立ちます。自己の能力を最大限に引き出すことができ、成績や競技成績の向上につながることがあります。

🌈メンタルトレーニングを学ぶことで、以下のようなメリットがあります🌈

🌟自己のパフォーマンス向上
🌟ストレスや不安の軽減
🌟自己の心理的な強さの養成
🌟チームビルディング

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