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30年の時空(とき)を超えて受け継がれたカトラリーの話           #メルカリで見つけたもの


◆どうも、X(旧Twitter)では『 物欲の錬金術師 』を自称しておりますmemkoでございます。
noteはもっぱら「読む専」だったのですが、プライベートでやっていたメルカリでちょっと“ほっこり”…どころか、「今このエピソードを語り継がなければ一生後悔する!!」と思った出来事がありまして、Xの投稿では追い付かないので、この度のキャンペーンに便乗する形で掲載させていただきます◆


memkoの物欲は生まれながらに与えられたと言っても過言ではないのだが(私のXアカウントをフォローいただいている方々はよくご存知かと思う…興味ある方は文末記載のハッシュタグをご参照ください…笑)、その話はおいおいすることにして・・・

とある偶然が重なり、30年前に一人暮らしを始める時に貯金をはたいて購入した、無印良品の高級ステンレス製カトラリーセットをメルカリに出品することにしたのが2024年のGW明けのことだった。新生活シーズンも一段落し、食器やカトラリーセットの需要がある時期はもうすぎていたのだが・・・

ひょんなことから30年前のカトラリーをメルカリへ出品

 
その時の出品ページがこちら。

◇30年前の無印良品・18-10ステンレス◇カトラリー ペアセット USED ¥2,800


未掲載の写真も含め、こちらに添付しよう。

30年前の無印良品カトラリー
経年の小傷が艶消し効果に
厚みがあり持ちやすい柄
バターナイフに唯一の刻印
(四半世紀越しのメンテナンスで気づく)
「18―10」!!!
(今まで気づかずにいてごめん・・・;Д;)

いかがです?
今や高級ステンレスとなった18―10、肉厚でもっちりしっとりした丸みのあるフォルム、・・・洗浄し、研磨剤で磨き、専用クロスで拭いたら、まるで街中のレストランで使われているかのような輝きに・・・我ながら惚れ惚れしてしまう。

その時の商品紹介文を下記に抜粋する。



◇“無印”だけあって、一般的にある刻印が表にも裏にもありません。
唯一確認できるのはバターナイフの裏に「18 -10」の数字。
材質はステンレススチール 18 -10、高級ステンレスです。
当時は日本製でした。

(中略)

◇コップに立てて保管だったので小傷ありですが、この小傷が艶消し効果になり、専用液とクロスで磨くと、まるで街のレストランや喫茶店で使われている洋白銀器のような上品な輝きを纏うようになりました。

◇現在のMUJIのものは、収納も考慮されてか薄くて平らな仕上げになっておりますが、こちらはずっしりと重く、丸みがありふっくらしています。 口当たりも「もっちり、しっとり」、長時間使用しても指先が痛くならないのでいつの間にか存在を忘れ、食事に集中しています。

◇出品者は1995年購入時以来、この品質の良さにずっと気付かず◯◯年……笑 この数年でカトラリーの大切さに気づくことがあり、「無印良品」が本当に「無印良品」だった頃の製品を手に取っていただきたくて 出品することにいたしました。”


最後の方に、ちょっぴり(いやかなり汗)memko特有の毒舌が入っている点もお分かりいただけただろうか?笑
不況が長かったですからね・・・誰も悪くはないのです、きっと。(名指ししてごめんね、良品生活さん、、、)

そんな私の長文辛口説明文を乗り越えて、今回のカトラリーセットをご購入くださったのがBさんだった。それは2024年5月16日のこと。

出品を偶然みつけたBさんが息子さんの為にご購入


Bさん購入時コメント:
゛初めまして
「本当に「無印良品」だった頃』購入させていただきました。
短い間ではございますが、よろしくお願いします。”

私memko(以下、Mと呼称)は、「ん?引用ミスかな?」と軽く受け流し、そのまま「ご購入ありがとうございます」と形式ばった挨拶を送ったのだが、Bさんからカトラリーを巡る熱い想いを綴られたメッセージを受け取ったのはその日の夜のことだった。


以下にBさんからのメッセージを引用:

”入力完了前に指がぶつかって送信されてしまいました。
「本当に『無印良品』だった頃」との言葉に強く共感し購入させていただきました。

30年ちょっと前に大学進学で一人暮らしをし、
「本当に『無印良品』だった頃」の皿を少し持っております。
本当に今と違い、質の良いお皿で、
無印良品の店舗のない地元に戻り、おそらく変わって数年後気づいたため
無印良品のあの頃のものが買えなくってしまったことを
心から残念に思っておりました

この春、息子が大学へ進学し一人暮らしを始め
最初は とりあえずと、100円ショップでカラトリーを1本ずつ揃えたのですが
ゴールデンウィークに自家用車で6時間かけて家族で息子に会いに行った際
欲しいものはあるか聞くと、スプーンとかフォーク と言われ
お手頃で良質なものをずっと探しておりました

M様のお品を見て 
これしかない‼️‼️と、
すぐに購入させていただいた次第です

素晴らしいお品を本当にありがとうございます( ;  ; )”

※原文ママ


わーなんてこったいkぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?


あの私の渾身の一文に反応してくださっただと!?!?

しかも息子さんが大学生!?一人暮らし!?

その年齢で100均のカトラリーで満足できない身体と感受性!?!?

一体どんな風に子育てをしたらそうなるのか????
(ちなみに私Mは未婚で子供はいない・・・悲しいけれどそれも仕方がない事実・・・)

白熱するカトラリー談義


これはとんでもない審美眼をお持ちのスーパーお母さんだと思い、舞い上がった私は即座に返事を書いた、同じくらいの熱量を込めて・・・


M:
”共感してくたさり、詳しい事情をお話くださってありがとうございます( ノД`)…

まさに、まさに・・・!
お言葉からひしひしと必要性が伝わってきます。

B様と私はおそらく同世代なのですね。
地方在住だと無印良品は憧れのブランドでした。
それが不景気で、知名度と店舗拡大と反比例で品質が残念なことに汗

私も、家族ができて子供が巣立つ時に譲れたら・・・と食器類はちょっと背伸びして良いものを選ぶようにしてきたのですが、残念ながら独身で汗

このカトラリー、最初は近場で子育て世代の方にお譲りする予定だったのですが、その方がトラブルに合われて取引中止となり、
新生活シーズンの終わった、ちょっとずれたタイミングでのメルカリ出品になりました。

息子さんも、B様の元で厳選された生活用品に触れながら育ったからこそ、100均カトラリーの違和感に気づかれたのですね。
「本当の無印良品」を、次の世代の方にお渡しできることになり、今、なんだか感動しています。”


そして、心を込めて梱包をし、発送完了した後にも
Bさんとのやり取りは続いた。

Bさんは色々なことをお話しくださった。

・無印良品は高校の地元にあったころは高嶺の花で買い物できなかったこと(私もです!)

・大学進学で都会へ出てきて購入した無印良品の小鉢がいまも宝物であること(私が初めて買ったカトラリーと同じ!)

・就職で地元に戻られてからは、通販(フェリシモ@神戸)でコツコツと良質のカトラリーを買い求められたこと(なんと25―20、今や幻のジュエリーですよそれ・・・)

その中で、私ことMと、Bさんは受験の時に別々の場所で地震災害に遭い、その末に縁のあった同じ街(=札幌!)で学生時代を過ごし、
無印良品の同じ店舗に行っていたことも判明した。
(なんという偶然、なんという運命・・・!)


Bさんは、息子さんからの要望を受けて、当初はこちらを検討されていたそう。

●カトラリーセット 8種類3セット 24本 中古 ¥2,200

燕三条の有名メーカー、サクライさんのものではないか!
それが中古とはいえ、3セットでこのおねだん!?!?
(メルカリ、恐るべし・・・!!)
でも、ふちに装飾の入ったデザインがちょっと大人向けかな。
一人暮らし一年目の大学生なら、もう少しシンプルなモノが良い気がする。

Bさんはさらに、子育て中に活躍したカトラリーも紹介してくださった。

●しまじろう スプーン&フォーク ステンレス製 ヘンケルス こどもちゃれんじ ¥1,300

Bさんによる評は、


「子供がやってきてからは、しまじろうのスプーンとフォークばかり使っていました。
そのしまじろうのものは、ヘンケルとベネッセの共同開発だそうで
とっても使いやすく、口当たりも良く、
しまじろうさえついていなければ 高級カトラリーで大ヒットするであろうお品
カレーライスの時など 子供達と私とで取り合いになるので
メルカリで買い足し4セット(18-10ステンレス)
(現在のシリーズは形状が異なり 初期の物が使いやすい) 」



とにかく、“これは良いものです!“とのこと。
しまじろう?なんだっけ?あ!あのかわいい虎のキャラクターか!
たしかに、なんて美しいフォルムなんだ。それにヘッド(口に入れる部分)の厚みとカーブ、そしてこの艶・・・お弁当用までお揃いで、ベテランお母さんお墨付き。
欲しい。使ってみたい!!
というか、自分の子ども時代に欲しかった。・゜゜(ノД`)
(たしかに、しまじろうさえ隠れてくれれば・・・ここ、DIYでヤスリかけられないかな・・・などという、悪い考えが頭をよぎる物欲の錬金術師、笑)

この滑らかな流線型に実際に触れてしまったら、他の豪華な装飾入りカトラリーに食指が動かなくなるのも納得だ・・・

そんなこんなで、良質なカトラリーですくすく育った息子さんはこの春、晴れて大学生となり、とりあえずと購入した安価なセ〇アの品(デザインは良いはず・・・)では、料理の味がまるで変ってしまうという神秘の経験をされ、お母さまを通じて私のUSED無印良品が嫁入りすることになったのだった。

そして息子さんの元へ、世代を超えたカトラリー


送り出したときの写真を貼っておく。
30年の月日を共にしたわが子たちの晴れ姿・・・

研磨後、個包装
MUJIのおちわた布巾でおめかし
タグをつけていざ出発


メッセージのやり取りを続けながらも、荷物の行方が気になった私は、ヤマトさんの追跡サービスを確認していた。あれれ、これはBさん在住の町ではないぞ・・・直接息子さん宅へ向かっているのか。
(勢いで手書きのメッセージカードを付けなくてよかった・・・20歳前の男子に気恥ずかしい思いをさせてしまうところだった汗)

そして週末、5月19日の夜、Bさんから無事到着のメッセージあり。


Bさん:
“さっきメルカリのお品が届いたと連絡が来ました
どうだい?と聞いたら
『すごくいい』 と返信が来ました
元々言葉の少ない子 最大の賛辞だと思います😊
画像も送ってくれて、素敵なラッピングありがとうございます😭
息子が愛用してくれるに違いありません
私が途中で奪うこともあるかもしれません(笑)
夏に行けるかな?私1人では運転に自信がなく
夫と行かなきゃなので、いつ行けるかわかりませんが、
生で無印超良品カトラリーを拝見できるのをワクワクしております”


あれから一週間。
3万字超えのやり取りをメルカリ内のメッセージで行い、
私たちはメルカリを通じてすっかり「メル友(=メルカリ上の心の友)」になった。

お互いの昔話をした。二人の心は”1990年代のあの頃”へ翔んでいた・・・

旅路(過渡ラリー)は続くよどこまでも・・・


私はお取引の締めくくりにこう送った。


M:
“ B様の元で厳選された良質のカトラリーで育った息子さんが、
北海道随一の製鉄・金属加工の街に住まわれることになったのも、何かの深い縁を感じてしまいます。
一生の財産となる、充実した学生時代を送れますよう、札幌からもお祈りしております。
親子で、そしてご友人を呼んで、
また近い将来には恋人を呼んで・・・と、ご家族で末永くご愛用いただけますと幸いです。
この度は良いご縁を本当にありがとうございました。
またの機会を楽しみにしております。”

この空の向こうに、地続きの同じ大地に、価値観を共有できる新しい友人(メル友)がいる・・・

私は子どもに恵まれなかったけれど・・・
身近な生活用品にこそ良質なものを、と懸命に選んできた・・・

それを同じく実践してくれた方がいた・・・
結婚して家族ができても諦めずに・・・

そんな彼女のお子さんが、
次世代を担う若人が、まさに今、

『30年前に私自身が一人暮らしを始めた時』
のカトラリー 
を使ってくださっているのだ・・・

そのうち友人が来るだろう、

いつか恋人を呼んで食卓を囲むのだろう、

そして将来、新しい家族の元にも連れていってもらえたらいいな・・・

さびしい時も
悲しい時も苦しい時も
いつでもこの手の中にあって、
食べること、生きることを止めずにいさせてくれた

『本当の無印良品』を、

100年先の未来にまで 繋いでいけたらいいな・・・

私はすっかりおばさんになったけど、こんな妄想がとまらない。

今はまだ、お取引先・ご購入者さまの一人とそのご子息。

それでも。

いつかきっと会いたいな・・・

・・・私の物欲と、カトラリーを巡る旅路(=過渡ラリー)の果てに。

過渡…物事が新しい方へと移り変わること、あるいは、その過程を意味する語
ラリー…「rally」、大会・集会・結集するということを意味する英語表現
(Weblio、実用日本語表現辞典より)

◆ きっかけは些細なことでしたが、私が今回 #メルカリで見つけたもの  ・・・というよりも「見つけてもらったもの」それは、どんなモノよりもかけがえのない大切な宝物になる予感です。◆

私の初めてのnote記事、お読みくださりありがとうございました (^-^)

“見つけてくれて、ありがとう”

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