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2021年10月の記事一覧
ローズマリーの小径にそって
ローズマリーの庭で
育った男の子がいた。
その小径にそって
そっと出かけ、帰ってきた。
男の子には例外にもれず
ハードな運命が振りかかった。
ただどんな時も男の子は
ローズマリーの小径にそって
そっと出かけ、そっと帰ってきた。
なによりも
ひんやりと薫る静寂を
こわさぬように、そっと。
今日が結論の日ではない。
きつねは
朝の花の道で思った。
昨日が結論の日ではないさ。
今日が結論の日でもない。
ひとは日常になれて
いつの間にか依存している。
でも細胞はつねに生まれ変わり
昨夜の雨は今朝の朝日に
輝いている。
2年後くらいに
なりたい自分を考えよう。
いまはすこし
涙がこぼれたとしても。
弾き語りは、なぜ語り、か。
弾き語り
って実際は
弾き歌い、ですよね。
うたが伝承のものだった名残りかな。
ちがやさんがわたしの
うたに、物語をくれる、
と言ってくれて。
遺伝子がなつかしがる
根源の物語の情景を
うたいたくて
melancolia storytelling
という名前にしました。
ベスト盤の紙ジャケ、
最高の仕上がり。
いくつか傷を受けながら。
きつねは思った。
無防備でくらう傷と
予測の上でくらう傷では
痛みがちがう。
ひとが原因の傷と
自分が原因の傷では
痛みがちがう。
さて今日も。
予測の上で。
自分の責任で。
やりきろう。
いくつか傷を受けながら。
夜明けのどこかで薔薇が待っている。
夜明けのどこかで
薔薇が待っている。
薔薇は優しくない。
いやしもしない。
獰猛に繁り
無反省に咲いて散る。
その薔薇が待っている。
この苦々しい夜明けの
どこかで。
旅人はそれを
探さずにはいられない。