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『君は、ほんとうは、いい子なんだよ。』

【窓ぎわのトットちゃん】

■日本/2023年
■監督∶八鍬新之介
■脚本∶八鍬新之介、鈴木洋介
■出演∶大野りりあな、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司


タレントの黒柳徹子さんが、自身の幼少時代を書かれた本である「窓ぎわのトットちゃん」をアニメ映画化したものです。世界的な大ベストセラーとなった本ですよね。私も子供の頃に読んだのですが、内容をフワッとしかで覚えていなかったので、新鮮な気持ちで鑑賞できました!


黒柳さんは、バイオリニストの父親から、「トット助」と呼ばれていたことから、自身も周りも「トットちゃん」と彼女のことを呼んでいました。優しい母とコンサートマスターを務めるほどのバイオリニストである父の元、のびのびと育ったトットちゃんでした。しかし、落ち着きがなく、周りの大人から“困った子”と言われ、なんと小学校1年生にして学校を退学になります。そして、トットちゃんが母に連れられて新しく入学したのが「トモエ学園」という学校でした。

始めに校長である小林先生に挨拶をしますが、小林先生は母親には退室してもらい、トットちゃんと2人でお話をします。「さぁ、なんでも話してごらん、話したいこと 全部」という小林先生の言葉を皮切りに、トットちゃんはひたすらしゃべるのでした。トモエ学園の教室は廃車となった電車でした。また、時間割もなく自分の好きな科目から勉強して良い、という自由な校風にトットちゃんはすぐに馴染みます。

風変わりな学校をよく思わない人もいましたが、生徒たちはみんな仲が良く、のびのびした校風に楽しい毎日を過ごしていました。しかし、戦争が影を落としはじめます。トモエ学園は東京の自由が丘にあったため、みんな疎開することになってしまいます。お別れの時が訪れるのでした。


物語は黒柳氏がトモエ学園に入学し、疎開するまでの期間が描かれています。初めと終わりのナレーションも、黒柳さんご自身が担当されてます(^^)
テレビで拝見する黒柳さんと、映画のトットちゃんを重ね合わせると、ホントにトットちゃんはトットちゃんのまま大人になったんだろうなぁと思いました。

トモエ学園は、残念ながら戦争で焼けてしまいました。日本で初めてリトミック教育(子供たちの感性を音楽で磨く、といった教育らしいです。)を取り入れた学校なんだそうです。鑑賞した感じでは、一般の学校よりも、自由で生徒の自主性を重んじるような印象を受けました。多様性の広がる現代では、こういった学校はむしろ進んている学校、というイメージですが、当時は風変わりな学校という印象だったようです。今、もしも自分が子供だったらちょっと通ってみたいですね(*^^*)

タイトルのセリフは、小林先生とトットちゃんが2人でお話するシーンでの先生の言葉です。いつも明るいトットちゃんですが、周りの大人から“困った子”と言われることを、ホントは気にしていました。その気持ちを先生に打ち明けます。それに対しての小林先生の返しがこのセリフです。今どきの言葉でいうと、自己肯定感が上がるような言葉ですね✧⁠◝⁠(⁠⁰⁠▿⁠⁰⁠)⁠◜⁠✧

ちなみに、小林先生とトットちゃんのお話シーンですが、この映画では数分で描かれていますが、実際は4時間くらいだったんだとか。。。
徹子の部屋もそんなに長くないぞ!!と思わずにはいられません(⁠@⁠_⁠@⁠)しかし、この映画では数分でしたが、このシーンだけでも小林校長先生が、教育に情熱を持った人だということが伺えます。
映画の終盤に、戦争で焼けるトモエ学園の校舎を見ながら「今度はどんな学校を作ろうか」という小林先生のセリフがあります。教育に対する情熱や、子どもたちに対する愛情が感じられますね(*^^*)
また、戦争が激しくなり、次第に食べ物にが自由に手に入らなくなっていきます。そんな中、バイオリニストであるトットちゃんの父の元に「軍歌を弾いてほしい」と依頼が来ます。報酬は食べ物てした。家族がお腹を空かせていますが、トットちゃんのお父さんは、「僕のバイオリンで軍歌は弾きたくない」と言ってこれを断るのです。
我が子がお腹を空かせてるのだから弾きなよ!
と思う方もいるかもしれませんが、妻やトットちゃんはこれを受け入れます。

この作品は、子どもたちの天真爛漫さが最大の見所だとは思いますが、小林先生やトットちゃんの父親が、厳しい時代でも自分の仕事に情熱やプライドを持っているのも、見どころだったと思います!


担当声優も、豪華俳優陣がズラリと名を連ねる本作!海外のアニメ映画賞で特別賞を受賞しており、本と合わせて世界的な作品になってます!子供から大人までオススメです(^^)


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〈一言メモ〉


この作品を鑑賞する前に、役所広司さん主演のPERFECTDAYSを鑑賞していたので、小林校長先生の声を聞いたときに、ほんとにいろんな役を演じててすごいな(⁠☉⁠。⁠☉⁠)⁠!と改めて感じました!




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