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【A-第1問】自分で自分を攻撃?自己免疫疾患(前編)

記念すべき1問目は自己免疫疾患と標準治療の組み合わせの問題です!
疾患名は部分的に聞いたことがありますが、治療法は全く聞いたことがないので、一つ一つ調べていきたいと思います。

疾患と標準治療の組合せで誤っているのはどれか。

a. 蕁麻疹 ー H1受容体拮抗薬内服
b. 食物アレルギー ー 原因食物除去
c. アトピー性皮膚炎 ー 副腎皮質ステロイド外用
d. アナフィラキシー ー アドレナリン静注
e. 気管支喘息発作(急性増悪) ー β2刺激薬吸入

a.蕁麻疹(じんましん)

症状
皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。この時のブツブツや赤みを皮疹と呼び、形や場所は様々です。何日も症状が消えなかったり、肌がボロボロしてきたら別の病気の可能性があります。

メカニズム
皮膚の血管の周りにいる「マスト細胞」がヒスタミンという物質を放出し、血管を拡張します。そして血漿が滲みだし、赤く膨れます。それと同時にヒスタミンは痒み神経を刺激するため、蕁麻疹は痒くなります。

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アレルギー性の「I型(即時型)アレルギー」反応の場合、マスト細胞の表面にある「IgE」という蛋白質が、特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に触れることで活性化します。非アレルギー性の場合は、IgEを介さず直接マスト細胞を活性化させます。

原因
食べ物、薬剤、細菌、気温差、ストレスなど様々です。体質によって原因は変化します。

治療
H1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)の内服によって効果が期待できます。これは、H1受容体とヒスタミンの結合を阻害する薬ですが、抹消神経系だけでなく中枢神経系のH1受容体にも作用するため、眠気や倦怠感の副作用もあります。(最近の薬は副作用が少ないそうです。)

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b.食物アレルギー

症状
食物アレルギーの症状は皮膚(かゆみ、蕁麻疹など)、呼吸器(くしゃみ、咳など)、消化器(下痢、吐き気など)など身体のさまざまな臓器にあらわれます。およそ90%に皮膚症状、およそ30%に呼吸器症状や粘膜症状(目のかゆみ、口の腫れなど)が認められます。

メカニズム
上の蕁麻疹と同様に、マスト細胞や好塩基球にあるIgE抗体が本来無害である食物をアレルゲンと認識してヒスタミンや気管支収縮や鼻粘膜の炎症を引き起こすロイコトリエンを放出します。

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原因
食物アレルギーを引き起こすアレルゲン食品として卵、牛乳、小麦の割合が多くなっています。また、発症時期によってアレルゲンの食物が変化することも有名です。

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治療
アレルゲンとなる食物を食べない 除去療法をとります。


c. アトピー性皮膚炎

症状
皮膚が赤くなってブツブツができたり、カサカサと乾燥して皮膚がむけたり、かさぶたができる場合があります。強いかゆみを伴う皮疹が生じて、バリア機能が低下して普通なら感じないような刺激でかゆみを感じます。

メカニズム
アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は炎症のない時でも、セラミドと天然保湿因子が不足していることが知られています。また、アレルゲンや乾燥、摩擦にも過剰に反応しやすいため、アレルギー反応が起きます。

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原因
アトピー素因(自分や家族がアレルギー性の病気を持ってるなど)やバリア機能の低下といった「体質的な要因」とアレルゲンや皮膚への刺激といった「環境的な要因」があります。

治療
ステロイド外用薬は抗炎症作用のある副腎皮質のコルチゾールという物質を元に作られ、内服と異なり副作用も少ないです。同じ効果を持つもので、タクロリムス外用薬もあります。


後編へつづく、、、👇



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