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“ココシャネルという生き方”という本に11歳の時に出会った
シンガポールに引っ越す時に、本当に大切な本だけ持ってきた。ビンテージのシェイクスピアやフィッツジェラルド、チェーコフなどの書店で手に入らないもの以外はほとんど置いてきた。それなのに、この1000円もしない一冊の薄くてボロボロの文庫本は、そっとスーツケースの奥底に眠りはるばる東南アジアまでやってきた。
私がこの本に出会ったのは小学校6年生の時だった。義務教育全てが嫌いで嫌いで仕方なかった私は、とに
International Woman’s Dayについて思うこと
難しい問題だし誰にもoffensiveにならないで表現するのは不可能かもしれないけどやはり今の時点で自分がどう思っているかをここに残そうと思う。
10代の頃その存在を知った時からなんだかなぁという気持ちをモヤっと抱いていた。私はおバカで呑気だから”男とか女とかじゃなくてみんな一生懸命生きてるだけで素晴らしいよ毎日セレブレーションしよう”って思ってるというのが表向きの理由だったけどどうやら今はそれ
子供の頃眠りにつけなかった時のことをふとロンドンで思い出した話
「親知らずが痛くて向かい合って眠れないんだ、ごめんね。」
親知らずのせいで滑舌も普段と違う彼が私に背中を向けて申し訳なさそうにそう言った。あまりに痛そうで気の毒だったから、場所変わったら向き合えるよなんて単純な解決案はそっと胸にしまい込み、気にしないでとだけ伝えた。私も疲れていたからウトウトしていたら、彼が背中を器用にねじらせて、右手で私の左手を握った。それがなんだかとても懐かしくて、でもなんで懐
Scotch Egg
Preface to “Scotch Egg”
As many writers in history have probably done, although this is called a preface, I am writing this after composing the poem itself. If you prefer to read the poem first to
Parasiteを見て
外国映画ながら、今年のオスカーでBest Pictureを受賞したParasite。韓国映画は見たことがなかったし、韓国ドラマだって、脳細胞の出番のないレベルの軽いラブコメをジムでランニングをしながら見るくらいなので、俳優陣も存じ上げないし、監督に対する印象もなしで、興味本位で見てみた。衝撃の不快感だった。
見終わった後の、簡単には表現しがたい胸糞の悪さが評価されているのか、あるいは違う理由で話
マーガレットサッチャーへのノスタルジーと現代フェミニズムへの疑問
4年間国際関係学を学んできたけれど、政治は嫌いだ。見ているだけでうんざりする頭の悪い駆け引きと人間の醜い部分だけをハイライトしたような泥沼化した状況は、まさに地獄絵図と言っていいだろう。歴史的観点から見たフランス革命やロシア革命などには興味があっても、今日の政治には正直なにも期待していない。
そんな私にも尊敬する政治家がいる。イギリスの第71代首相、マーガレットサッチャーだ。とは言っても彼女
リアルである事の大切さ
奇跡と言っていいかもしれないけれど、明日が初稿締め切りの卒論があと1時間もあれば終わるところまで来ている。急に気が抜けたので、少しこの4年間で、モデルの仕事を通して感じた事をここに書き留めてみる。
ありがたいことに、ひょんなことからサロンでモデルの仕事を始めさせていただいたのが大学1年の春なので、もうそろそろ丸4年が経とうとしている。サロンやスタジオでの撮影、着付けやヘアアレンジコンテストのモデ
アバンチュールと創作活動の関係性
あと2日で今年が終わる。今年の数々のクライシスと文学マイナーというバックグラウンドから学んだ面白い法則について、ここに残しておきたいと思う。ちなみに、卒論はまだ終わっていない。そっちを早く終わらせろという批判は喜んで飲み込む。
古今東西、どこに行っても作家という人たちが存在した。空を見上げて恋しい気持ちを歌にした和歌人や、王族に向けて芝居を書いた劇作家、はたまた混乱の時代に命をかけてストーリーを
“マチネの終わりに”を読んで
読書感想文なんて、中学生以来かもしれない。思えば昔から、書くというプロセスは、考えて考えてゆっくりと進めることができるから好きだったし、読書は子供の頃、身の回りのほとんどの事に飽きていた私に逃げ道を作ってくれていたから、宿題の中で唯一進んでやったのが、読書感想文だった。人から課題として与えられる事のほとんどを嫌っていたのに、いざ義務でなくなると好きなのにすっかりやらなくなってしまうのは、悲しい事だ
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