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【読書】

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大体肯定する読書レビュー。 本なんてのは所詮、文字の形をしたインクが染み付いた紙の束。さりとてそんな紙の束もバカにはできない🥺
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【ハリーポッターと呪いの子】デルフィーニにブラキアムエンメンドーされた男の話

 中島みゆきが歌うように、ガキのくせにと頬を打たれた結果、据えた眼をした少年時代を送った私だが、そうなる前は11歳の誕生日に本気でホグワーツから入学案内が来るものだと思っていた。

 可愛げがあったのか、はたまた早めの中二病に罹患していたのか今となってはわからないが、当時の私は一大ムーヴメントを引き起こしたハリーポッター シリーズに御多分に洩れずどハマりしていたのだ。

 そんな過去をしかと忘れ長

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【残穢/小野不由美】思いつきで購入した当時の自分を殴りたくなるほどの怖さ

【残穢/小野不由美】思いつきで購入した当時の自分を殴りたくなるほどの怖さ

 子供の頃、「零」というホラーゲームをしたことがある。
 内容を簡単に言うと悪霊を写真に収めることで退治するというもので、プレイしている際に子供ながらに度々思っていた。
 

なんでこんな怖い思いしてゲームせなあかんねんと。

 普通、幽霊が出てきたら目を背けたくなるもんやないかと。なんでわざわざビビりながら写真撮らなあかんねん。

 今まさに当時と同じことを思っている。というのも今更ではあるが小

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日本最古のラッパー・芥川龍之介

日本最古のラッパー・芥川龍之介

 言わずと知れた短編小説の申し子「芥川龍之介」。
 おそらく誰もが国語の授業で「羅生門」を読んだことだろう。
 汚えババアが死体から髪の毛を毟り取るおどろおどろしさは読む年代によってはトラウマ不可避だ。
 ちなみに私は中学生くらいの頃に読んだ。
 ババアを実のお婆ちゃんに脳内変換したせいで、しばらく一緒にご飯を食べることを控えた気がする。

 そんな芥川の小説の中に「大導寺信輔の半生-或精神的風景

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「名探偵・夢水清志郎事件ノート」シリーズから考える情操教育

「名探偵・夢水清志郎事件ノート」シリーズから考える情操教育

 生まれも育ちも悪いが、昔から本だけは好きなだけ買ってくれる両親のもとに産まれた。
 関西の汚え閉塞感マンキンの片田舎生まれの私の周りには、人よりも野犬に近いのではないかと思わせる様子のおかしいおっさん、シャアもたじろぐ速度で動く多動症の申し子のような同窓生などが多くいたが、記憶にある限り明るく楽しい毎日を送っていたような気がする。

 流行りのゲームなんかは買って貰えなかったが毎日放課後駄菓子屋

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