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「名探偵・夢水清志郎事件ノート」シリーズから考える情操教育

 生まれも育ちも悪いが、昔から本だけは好きなだけ買ってくれる両親のもとに産まれた。
 関西の汚え閉塞感マンキンの片田舎生まれの私の周りには、人よりも野犬に近いのではないかと思わせる様子のおかしいおっさんシャアもたじろぐ速度で動く多動症の申し子のような同窓生などが多くいたが、記憶にある限り明るく楽しい毎日を送っていたような気がする。

 流行りのゲームなんかは買って貰えなかったが毎日放課後駄菓子屋に集合し、出来るだけコスパ良く腹が膨らむ駄菓子を買い込んでから連れ周りと野球に興じたことは良い思い出だ。

 その中で私の家庭は少し特殊で、ディスイズマイルドヤンキーといった様相の家庭が犇く地域の中、県外からやってきた教育に燃える我が母はお菓子・ゲームは憎めどスポーツ・文学は大いにやるべきという指導方針で、私が求める児童書には金に糸目をつけず買い与えてくれた。

 そんな中出会ったのが後に三倉茉奈・佳奈によって「双子探偵」として実写ドラマ化された「名探偵 夢水清志郎事件ノート」シリーズだ。
「亜衣」、「真衣」、「美衣」の三つ子姉妹と普段は抜けていて頼りないがその実高い推理力と洞察力を兼ね備えた名探偵・夢水清志郎が紡ぐ推理譚に幼少の私は大いに興奮した。

ちなみに私はゴリゴリの青い鳥文庫派、娘はこぐま社派

 思えばこの作品に出会えたことで読書をはじめ、映画、音楽、アニメなどのエンタメへの許容性と好奇心が高まったように感じる。
 小学生の頃から読み始め、完結したのは高校生の頃だったが、時代を通して読み進められたことも大きい。
 なぜなら小説の中の登場人物たちも同じように歳を取り、自己投影が容易に出来たからだ。

 犬猫を情操教育の為に飼うという発想があるがエンタメにもそれは当て嵌まる。
等身大の世界観の作品を感受性豊かな頃から長い年月をかけて楽しむことは心を豊かにするという面に置いて実に教育的だ。
 かつての明智小五郎と少年探偵団に自身を重ねて読み耽った人生の先輩方同様、私も名探偵夢水清志郎事件ノートを通して人生に少なからず彩りが加わったように思う。

 今となっては母の教えをフルシカトし、きのこの山を頬張りながら関西ナンバーワンストライカーを目指して「モンスターストライク」に興じる私だが、ふと昔の記憶が蘇り上記の文を書き上げた。
 ちなみに茉奈は金属バットのネタにも寛容。

天使


マナカナをいじり倒す尖ったネタでお馴染み金属バットのご両人

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