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記憶があるうちに〜だらだらエッセイ〜

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毎日のことを、少しずつ。いつかきっと、いい人生だったと思えるから。
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海街diaryと梅酒。もうすぐ夏が来る。

海街diaryと梅酒。もうすぐ夏が来る。

是枝監督の「海街diary」。英題は「Our Little Sister」。
映像サブスクで公開されていたので、久しぶりに観返した。

公開された当時、わたしはこの映画をかつての親友と観に行った。

2015年に映画館で撮った写真。画素数が荒い。

映画の中で大好きなシーンの一つに、梅酒を仕込む場面がある。冬に梅酒を飲んで広瀬すず演じる・すずが酔っ払うとこ、庭の立派な梅の木から実を取り、ひとつずつ

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からだを揺らしながら目を瞑る

からだを揺らしながら目を瞑る

6月9日水曜日、ロックの日。
TENDREのライブに行った。
2021年初めて、半年ぶりのライブハウス。

生の音楽を、文字の通り浴びて、わたしは胸がいっぱいになった。

TENDREは歌った「音楽があれば、それだけでーーー」。
涙が溢れて、びっくりした。ああ、わたしは、こうして大好きな音楽を浴びる時間を、音楽が大好きな人の声や言葉を求めていたんだ、と気づいた。

ライブハウスでは客席は声を出して

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花束みたいな恋なんて、もう二度としない。

花束みたいな恋なんて、もう二度としない。

花束みたいなワンピースを着て映画「花束みたいな恋をした」を観た。めちゃくちゃ泣くかなあと思って、落ちても気づかれなさそうなグレーのクリアマスカラをして行ったけど、湿っただけで涙は流れなくて、マスカラの心配は無駄だった。むしろクスクス笑った回数の方が多いんじゃないだろうか。誰を思い出すだろうと思ったが、予想通り、4年弱付き合った明大前に通ってた彼氏を思い出した。思い出しただけで、恋しくはならなかった

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あと100日、から数日。

あと100日、から数日。

30歳まで「あと100日。」の前編が、想像以上に多くの方に読んでもらえた上に、感想もいただけてびっくりしました。長くなりそうですが、24歳からの後編、参りましょう!

☀︎ものづくりを仕事にした24歳。就活は楽しく、何社か内定をもらった。結局私は「宇宙のグラスを作りたいんです。」と面接で話したガラス食器のメーカーに入社した。配属は企画部で、新製品を開発する希望の場所だった。千葉にある工場で1ヶ月研

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あと100日。

あと100日。

10年続いた20代が、あと100日で終わる。

あっという間だった。思い出せないことも、きっとあるんだろうと思えるくらい年月が過ぎた。日に日に薄れていく、わたしの記憶をここに記しておこうと思う。

この記事は前編・後編に分かれています。
後編はこちら☀︎

☀︎入学式のない春から始まった。

3.11で、入学式も新入生歓迎会もなかった。不安な春から、私の20代は始まった。成人式のことは遠い記憶のよ

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