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#日常
もう、わたしが"いちとせしをり"って、言ってもいいよね
名前は、命のよう。
「しをりさん、おはようございます」
キッチンから声が伸びてくる。眠っていたようだ。とんでもなく幸せな夢だった気がする。たしかわたしには好きな人がいて、その相手はわたしのことを愛してくれていた。
「いただきます」
彼の言葉は、羽毛のように柔らかい。窓から降り注ぐ光を食べる。花瓶のような雲だった。一口が小さくても、怒られない。ゆっくりと取る食事は、わたしが生きていることを許
いつか絶対に死ぬと覚えておくと、生きることが柔らかくなる。
「ただいま。」
そこへ手を入れたら、痛みなんてきっとない。
生クリームに包まれているみたいに、非日常の香りがする。久しぶりでもないその電車は、昔より少し淋しそうだった。きっとわたしが今年初めて入ったであろう駅のトイレは、心の奥底まであたたまるような綺麗さだった。誰かがこうしてわたしの知らないところで、生きている。誰かが生きるために手助けをしてくれている。持ちつ持たれつという言葉が少しだけ純粋すぎ
写真が好きではなかった。けれどわたしが女の子に映る、唯一の方法にも見えた。
向けてほしくなかった。
その視線をへし折ってしまおうかと思った。透明人間にはなれないから、誰の視界にも入らずに生きてしまおうかと思った。それがわたしを守る唯一の方法な気がして、だからこそわたしは顔出しもせずにこうして言葉だけを書き続けている。
全てを言葉で解決させたかった。
自分という鏡を誰にも見せることはない。
写真。それにわたしを映すことが怖かったのだ。
" わたしは一生、写真に勝てな
わたしは【選ぶ側】になれない。
わたしはどうしてわたしでいられるのでしょう。
真夜中にアイスを食べたくなる。
これがわたしの生きる本能だとしたら、くだらない。花に水をあげる毎日。君はわたしがいるから生きていられるのよ、って。
君はわたしが選んだの。
わたしがこうして毎日見離すことなく、愛で続け、水を与える。君はすくすくと育っていったね。光も欲しい?じゃああげるよ。
カーテンを思い切り開ける。
台風が過ぎ去った空は、今までが
"苦悩する文章を書かなければいけない"という苦悩から出る更なる苦汁
『 書く側の人間は悩んでいてはいけないのでしょうか。』
わたしは誰とも友達ではありません。
それでも自分がこうして言葉を溢していること、孤独だなんて思いません。
さなぎから蝶になる。
それほどの変化しか気づけなくなってしまったとしたら、それこそ書く側にいることも出来なければ、読む側にだって回らないでほしかったのです。
苦しくて、だから書いていた。
書くことは確かに好きだった。
でも目の前に
呼吸する、そして100日目のわたしは
手に入れたかった。
自分の持っていないものがほしかった。周りの人が持っているものがただただ羨ましい。ひとりが持っていれば、それはみんなが持っているものになって。わたしだけが持っている何かはいつまでも見つからない。
痛みは時間でなくなっているわけではない。
擦りむいた傷も、削れた心も、それを治しているのはいつだって自分自身の力だった。それなのに、自分の努力を自分で褒めるのはそう簡単なことではない