マガジンのカバー画像

京都観光あれこれ

21
日々感じるあれこれについて
運営しているクリエイター

#インバウンド

現在の一方的な「インバウンド再開」礼賛に物申したい

現在の一方的な「インバウンド再開」礼賛に物申したい

過去に観光業に携わっていた身からすると、インバウンドの再開は一つの希望の光だし、そこから日本の観光業やインバウンドが復活することをとても期待している。

だが一方で、視点が浅い記事が散見され、どうしても物申したかなってしまった。

例えば今連載されているNewsPicksのオリジナル特集「ようこそNIPPON」について。
連載3回目となる「【新】観光開国でチャンス。「起業・副業・兼業」アイデア7選

もっとみる
僕らがオンラインアカデミーを立ち上げた理由

僕らがオンラインアカデミーを立ち上げた理由

今週、京都観光オンラインアカデミーを立ち上げました。
正しくは、まだ過去の動画を、この名の下に格納し直しただけですが、これからテーマごとに様々な動画を充実させる予定です。

さて、僕らがなぜアカデミーという大それた名前をつけてまで、このサービスを立ち上げたかですが、やはり観光産業は人が全てだからです。

観光というと、自然や観光施設などに観光客が集まる装置産業だと理解されがちです。もしかしたら、こ

もっとみる
宿泊について考える

宿泊について考える

京都ではかつては宿泊施設が提供する室数が足りなく、ADR(平均客室単価)の上昇が続いていましたが、やがてインバウンドの波に乗り建設ラッシュが起こり、駅前の宿泊特価型・ゲストハウス・町家一棟貸しなどのスモールラグジュアリー・ラグジュアリーなどあらゆる形態の宿泊施設が乱立する形となりました。そして今では供給過剰と言われるくらいの状況となっています。

東京や海外から投資目的に開業されたゲストハウスにつ

もっとみる
DMOに必要なデジタル人材とは

DMOに必要なデジタル人材とは

DMOとは何をする組織なのか。
調べてみると、JTB総合研究所では「DMOとは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと。」と定義し、観光庁では「地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づい

もっとみる
スマートモビリティチャレンジ アイデアソンin Kyoto に参加して

スマートモビリティチャレンジ アイデアソンin Kyoto に参加して

先週末の土日、京都市の交通事業者と経済産業省が中心となって開催した「スマートモビリティチャレンジ アイデアソンin Kyoto」に参加してきました。
https://www.meti.go.jp/press/2019/09/20190913002/20190913002-1.pdf

テーマは新しい公共モビリティサービスを生み出すとして、 今話題のMaaSなどを視野に入れて、グループでインプット、

もっとみる
地域と食について

地域と食について

前職が飲食店情報系の事業会社だったことから、私は普通の人よりも食への興味関心が高いと思います。
前職時代は、日々「美味しい」とは何か、を追い求めていました。
今の時代、美味しいものは簡単に手に入るようになっていますし、科学的な味覚の研究も進み、いわゆる人が美味しいと感じるものの再現性は高くなってきています。そのため、絶対的な味だけだと加工品や冷凍食品でも相応の味と満足度を提供できるようになっていま

もっとみる
観光産業というエコシステム

観光産業というエコシステム

先日tabikoというチャットコンシェルジュのサービス停止についてメールが届きました。
運営しているFAST JAPANは、今年4月に6,000万円を調達し、8月にはtabiko TVという動画サービスの提供を開始してました。
https://jp.techcrunch.com/2019/04/05/tabiko-fundraising/
https://prtimes.jp/main/html/

もっとみる
インバウンドの罠

インバウンドの罠

観光の仕事をしていると、これは誰に向けた情報発信なのか、企画なのか、と違和感を感じたり、インバウンドという言葉や施策で、外国人をひとまとめにしていていいのか、と考えることがあります。
そもそもインバウンド(観光)という定義には、対義としてアウトバウンド(観光)が存在するのですが、日本国内における旅行市場を考える際は、日本人による国内観光と外国人によるインバウンドを対にして話しがちです。

インバウ

もっとみる
東京から京都へ

東京から京都へ

2019年3月末に東京の事業会社を辞めて、京都に来てもうすぐ半年が経ちます。この半年間、文化・慣習・価値観の違いなどを目の当たりにしてきましたが、ゆくゆくそのような環境の差にも慣れていくのだろうと考えています。

一方で、東京という世界規模の都市と、(誤解を恐れずにいうと)京都という地方の政令指定都市では、ビジネスをしていく上での機能に差があり、この差を埋めていくことが求められているのではないかと

もっとみる